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第十五話 「延長戦」

 6月30日、日曜日。


 時刻は9時45分。


 この時間にして既に汗ばむ気温の兆しを見せる中、駅構内で道行く人を眺めている。

 窓から外を見れば、未だ梅雨明け宣言が出ていないにも拘らず晴れ渡った空が見える。こんな調子では、夏本番になればどうなるか考えたくも無い。現代っ子よろしく、私も暑さはどうにも苦手で、扇風機が夏の友だ。

 ちなみに少々どうでもいい話だけど、勇一郎は晴れ男だ。彼が絡むイベント事で雨が降った記憶は終ぞ無く、本日も晴れ男説を裏付けるが如くの好天だ。

 それを恨む訳ではないけれど、この真夏のような空模様は気を抜けば直ぐに肌を赤くしてしまう。だから、今日は街へ出ることにもなっている事でもあるし、日焼け対策も含め、こうして駅構内で待っている。



 そう。今日は勇一郎と出かける日だ。



「勇一郎は未だみたい。ちょっと早く着過ぎたかな」

「待たせるよりは良いだろう」


 腕時計で時間を確認しながら、何処と無く機嫌良さそうに姉さんが答える。


 時間帯としては色々な店が開き始める少し前で、人通りも結構多くなってきていた。その通行人を観察していると、結構な数の人が遠慮ない視線をこちらに送っているのに気が付く。言うまでも無くその視線の先は私の隣に立つ、腰まで届く綺麗な黒髪をかき上げる仕草を見せている私の姉さんだ。


 隣に立つ姉さんは無遠慮な視線を全く気にする様子も見せず、自然体でそれを受け流している。毎朝の通学時は時間が結構早いという事もあり、こういった視線の数は少ない。それでも黒髪をなびかせ歩く凛々しい姿は目を引くのだろう。何日経っても通学時に向けられる視線は止む事がない。学校の制服でそうなのだから、私服姿であれば最早言うまでも無いだろう。


 私の今日の出で立ちは、コクーンシルエットのドット柄ジャンスカに、白のパフ袖Tシャツ。髪はお団子にして足元はシンプルなフラットサンダル。お団子ヘアとかちょっと子供っぽいかなぁと思わないでもなかったけれど、姉さんから「可愛い」とお褒めの言葉を頂戴した一応の自信作だ。

 まぁ何でも可愛いと言ってくれる姉さんなので、正直な所、信憑性としては無いに等しい。けれど、出かけ際に出会ったご近所さんに「あら、今日は一段と可愛いわね~」等と言われたので、外れではないのだと思う。


 でも、隣を私服の姉さんが歩いているという時点で、私の服装がどうとかそう言う事は考えるだけ無駄だ。


 今日の姉さんの出で立ちは、ホワイト系ボーダー柄で細身にシェイプしたシルエットのカットソーチュニック。ボトムスはロールアップしたスキニーなデニムパンツとウェッジサンダルのみ、と言葉だけで言えば非常にシンプルだ。だけど、細身のコーディネートは均整の取れた美しいボディラインをアピールしまくりで、上に下にと相変わらずスタイル抜群さが浮き出て色々半端無い。ガッデム。


 姉さんが高一の時、既にこうだったような。何が差を生むんだろ。って言うか素の状態で私たちの取り決めである“肉体的な直接的アピールは厳禁”に引っ掛かりそうってどうなのよ……。いや、私が勝手に思っているだけだけど……。

 思わず羨望の眼差しで、通行人と同じ様に私も無遠慮な視線を姉さんに向けてしまう。そんなじっと見つめてくる私が気になったのか、ふと視線をこちらに向けてきた。


「どうした?」

「あ、う…なんでも無い」


 心の中に浮かんだ嫉妬を見透かされたかのようで、慌てて手を振ってなんでもないことを伝えると、姉さんは安心したかのように優しい笑みを浮かべる。


 最近よく見せるようになった柔らかくて優しい笑顔。


 こんな笑顔を振りまく様になれば、それはモテて当たり前で、美和から聞いた告白されまくりという話は現在も記録更新中らしい。一時期は落ち着いたものの、6月末時点で少なくとも撃墜数30を確実に数えているそうだ。

 だけど、高校1、2年の時からそうなのかといえば、こんな事になったのは3年になってからだと瀬尾野先輩から聞いた。今まで言い寄られていなかったのは言葉遣いもさることながら、周囲が勝手に高嶺の花と決め付けていた事と、誰も寄せ付けない雰囲気を姉さん自身が放っていたかららしい。

 それに姉さんは話すときには真っ直ぐ相手の眼を見て話す。まるで心を見透かすかのように。だから単に下心で声を掛けた人は、姉さんから侮蔑の色を隠しもしない視線を向けられ、一刀両断の言葉通りに「お前のように脳味噌が下半身にあるような輩と付き合う気は毛頭無い。さっさと失せろ」の一言の下に斬って捨てられた。それで反感を呼ぶかと思えば喝采が上がるのだから、おかしな話といえばおかしな話だ。


 で、そういった様々な戦績?に尾ひれ胸びれが付き、改めて『鋼鉄の生徒会長』と今も呼ばれている。


 競い合うと決めてから本当に毎日のように、こうして変わった姉さんに驚かされる日々が続いている。


 そのもっともな事が、先日の体育祭応援合戦で姉さんの手伝いをしていた剣道部部長との話だ。何でもこの先輩、金剛寺先輩と言うのだけれど、姉さんが3年になってからいの一番に告白して玉砕したらしい。けれど、それでも何だかんだと付き合いが続いているそうなのだ。友人をあまり作らない上にドライな性格をしている姉さんが、こうして踏み込んでくる相手に容赦しないのは今までからすると少々考え難い状態だ。


 でもそれは起きて然るべき事柄の1つで、変わった理由は姉さん自身が言っている。




 ――この1年で、勇に振り向かれる女になって見せる。


 ――どちらが勇に振り向いてもらえるか。これからは私と競争だ!




 どちらも数ヶ月前に姉さんが私に向かって宣言した言葉。そしてその言葉通りに、姉さんは色々と行動を起こしているからこそ、このような状況になっているのだろう。私もそれに負けないつもりではいたけれど、今のところ“良く戦った”とはお世辞にも言えない状態だ。


 今日のこの事だって、本来ならば姉さんが勝利の上に得た結果の筈だ。

 あの晩、私は姉さんに追いついてその事を説いたのだが、微妙にはぐらかされたといういか乗せられて、結局今日を迎えてしまった。

 事の真意の程は判らないけれど、多分前にも考え至った通り「飽くまで公平に」の延長ではないかと思っている。どう考えても姉さんを誘っている風にしか見えないあの状況で、「名指ししなかったから3人で行くのだと思った」なんてことを平気で言うのだから。

 一応、勇一郎も登校時に何とか弁明しようとはしていた。でも、あんな素敵笑顔で「3人でなんて久しぶりだ。楽しみだな。当日は何処に行こう?」等と嬉々として言われては、姉さんの事が好きな勇一郎としては訂正して水を射す気は起きないだろう。

 その考えは今の結果が指し示す通り、勇一郎は何も言えずに学校に着いてしまい、姉さんと別れた後大きく肩を落とした様を見て正直ちょっと可哀想になった。


 でも、自分から身を引いて2人だけで外出させようとは考えなかった。確かに見様によっては姉さんの獲得したもののお情けにすがっている状態だ。でも、私はこうして3人一緒に出かける事が、応援合戦の延長戦だと考えている。

 姉さん相手になりふりなど構っていられない。利用できる状況なら何だってする。応援合戦の、あの姉さんの舞を見た時に改めてそう思ったのだ。私のような凡人が超人に勝つには、生半可な努力ではどうにもならないのだと。



「勇一郎、遅いね」



 針の射す時刻は9時50分。


 今日は、負けないんだから。







 まだ指定の時刻になっていないにも拘らず「遅い」とごちるさなちゃんを見て、やはり今日は出掛けて良かったと再確認出来たと共に、少々胸が痛んだ。


 先日、体育祭お疲れ様会にてオマケと言っては失礼だが、ちょっとした追加の出来事があった。


「今度の日曜日、俺と付き合ってください」


 私達に向かって勇から告げられた言葉は、休日のお誘いの言葉だった。どうやら何か思う事があっての事らしく、勇の顔は真剣そのものだ。だが、言葉尻に迷いも見て取れた。表情自体は真剣ではあったが、少し落ち着きの無い風に体が揺らいでおり、誘う理由についても同様に曖昧だった。

 2人が入学してはや3ヶ月。

 同じ学校に居て、そういえば3人で出かけるなんて事をここ1年ばかりしてなかったなぁと思い出した。中学の頃はちょくちょく遊び回っていたものだが、1年前にさち枝お祖母ちゃんが亡くなったのもあるし、2人の受験もあって、そういうイベント事は自粛していた。更に今年は私が受験年度という事もあって、休日はどちらかと言うと家で勉強していることが多い。


(まぁ、特に用事も無いので構わないが…)


 そう思って了承の返事をしてしまったが、私の独断で詳細を決めてしまった事に慌ててさなちゃんを振り返えると、やはり疲れでも出たのか少々上の空でこちらの話を聞いていた。勝手に決めたことに不安を覚えつつ、「それでいいかと」尋ねてみれば同意を返してくれた事に胸を撫で下ろした。


 さなちゃんを大人扱いすると自分の中で決めて以来、外出などにも余り随伴しないことにしていた分、久方ぶりの3人での外出に思わず笑みがこぼれる。よく2人で出かけていたのも、私自身がそうしたいというのもありはしたが、さなちゃんに言い寄ろうとする不埒者を近づけない為のものでも在った。

 だって私と2人で出かけると、結構な確率でナンパされるのだ。心配しない方がおかしいだろう? そもそも今だって遠巻きにこちらをチラチラと窺う男共が見えている。明らかにナンパ野郎だが、こういう場合は下手に目を合わせては逆に相手に口実を与える事になるので無視を決め込む。

 つい最近在ったのだが買い物中に無遠慮にこちらを見てくる男共が居たので睨み返したら、「こっちずっと見てたっしょ。なになに? 俺らの事気になるの?」と近寄ってこられた。ヘラヘラ笑いながら声をかけてくる男共は全くウンザリだ。大概声をかけてくるような奴らは一度断っても非常にしつこい。あーだこーだと適当な話を振ってきて、無視していると逆切れするのだから始末に終えない。ちなみにその時は「これ以上付きまとうなら、大声で助けて下さいと叫ぶぞ」と言ったら退散してくれた。

 なんというかそういった“女としての”あしらい方を覚えた事が、少々複雑な気持ちにさせられる。


 まぁ私のそんな話はともかくだ。


 さなちゃんの方は最近は新しく出来たお友達と一緒に居ることも多く、そういった事が減ったと聞いているから、高校生になるとしっかりしてくるのだなぁと感慨深く思っていた。

 そんな巣立ちを迎える雛を見守る親鳥の心境で、さなちゃんの成長を嬉しくも少し寂しく見守っていたが、久しぶりの思わぬ一緒にお出かけイベント発生に心が浮き立つのを止められなかった。


 だが、さなちゃんからしてみると今回のお出かけイベントは、腑に落ちないことだらけだったらしい。あの後、家に戻った私にさなちゃんが「どういうつもりなの?」と詰め寄ってきた。

 いや、どういうつもりって“皆で”出かけようって誘われたからOKって言っただけなんだけど、と答えれば盛大に溜息をつかれた。さなちゃんからしてみれば、今回のお誘いは私に向けられた物であって、自分は含まれて居ないらしい。誰も“私を”とは言ってなかっただろうに、どうしてそうなるんだ? と逆に問い返せば名状しがたい表情をされてしまった。さなちゃんがこれほどに言うのだから、もしかしたらそうなのかも知れないと言う考えが心に浮かぶ。

 とは言っても、女の方から男に「あれって私の事を誘ったんだよね?」なんて自意識過剰過ぎる質問なんて出来る訳もない。っていうか、さなちゃんを差し置いて二人でお出かけなんて、由梨絵の言葉と何時かの夢が頭を過ぎって無難に過ごせる自信などこれっぽっちも無かった。

 結局、勇が自身で訂正するならとその場を収め、翌日当の勇から何も言われなかったので、今日、こうして3人でお出かけとなった訳である。


 まぁ、本当は気が付いてはいた。何か勇が言いたそうにしてたのは。でも、それがもし“私と”なんて言葉に繋がるのだとしたらと考えると、機先を制するように“3人でのお出かけが楽しみだ”と口にしていた。


 わかっている。

 卑怯な手口を使ったという事を。

 だが少し時間が欲しいと思う。

 未だ自分の行いの訪れる先の自分がイメージできないから。


 昔はもっとシンプルに考えていれた筈なのに、最近はそれが出来ない。自分自身が最近あやふやになってきている気がする。先日の体育祭応援合戦で思えた、このまま行けば大丈夫だろうという漠然とした考えも、数日経つとすぐ不安の種になってしまう。


 こうして“私”の事を考えていると、以前の“孤立していた自分”が良く思い出されてしまう。多分それは間違いではなく、このままでは前の自分に戻ってしまうぞ、という千鶴子としての警鐘なのだろう。言い知れない不安が心の内を侵して行くが、これがさなちゃんの為と敢えて無視していた。でも、それも限界がある。


 多分勇にもさなちゃんにも迷惑がかかってしまうだろうが、この問題を放置しておくわけには行かない。それに、このまま根拠も無い事に都度動揺しているわけにも行かない。私は“千鶴子”として“女”として生きていく事を決めたのだ。以前の“自分”と変わるように努力した自分を無にすることだって出来ない。


 だから今日は私は勇に対して打って出る。


 ある種“私”にとっての試しでもあるが、この事が漠然とした不安を抱えて不安定になっている私の現状を明確にし、そしてさなちゃんと勇の2人の地を固めることにも繋がると信じている。互いに競い合うと決めた状況下だからこそ、以前とは違って、徒にさなちゃんを掻き乱す事にだってならない筈。

 それでも振り回してしまうことに変わりは無い。

 だが、以前の失敗を恐れて腫れ物を触るかのような状態では何も進展はしない。だから踏み込む。そして以前の私を取り戻す。



(ごめんね、さなちゃん。今回だけだから。大丈夫、きっと私が望む形に集約する)



 針の射す時刻は9時55分。


 珍しく緊張による心音の高鳴りを感じながら、来訪者の登場を待った。







 勇一郎は10時ジャストになって姿を現した。


「お、遅れてすみません!」


 走ってきたのだろうか、少々息を荒げて私たちの目の前に来ると、開口一番頭を下げた。


 現れた勇一郎はチェックのカーゴパンツにヴィンテージ風のプリントTシャツ。ライトグレーの半袖パーカーを羽織ったラフなスタイルではあったけど、珍しく気を使った様子が見て取れた。


 こうして身だしなみに気を遣って、カッコ良く見える勇一郎と出かけられる事は嬉しいのだけど、逆に考えれば“姉さんとの外出”だからこそ、こうして服装に気を遣ったのだ。私との外出の時、時々夕飯の買い物などに一緒に行く時なんかは、何時もジーンズにTシャツとかジャージとか簡素な服装ばかりだった。それだけに心中は複雑だ。


「気にすることは無い。今日は何処へ?」

「少しだけ遠いですけどシーサイドラグーンに行こうかと」

「電車で小一時間ほどだな。そう言えば、今映画の造形展をやっていたな」

「折角出かけるんですから、少し遊ぶのもいいかなぁと思って」

「だそうだ。さなちゃんも構わないだろう?」


 むあっ!? 会話に出遅れたっ!!

 考えに沈んで居たら会話に出遅れるなんて、最初っから何をやってるのよ、私!


「うん。全然大丈夫」

「私も問題ないぞ」

「そっか。良かった」


 内心の動揺を表に出さないようにと言い聞かせながら、落ち着いて同意を返す。同じ様に返した姉さんの回答にホッとした表情を見せる勇一郎。

 やっぱり勇一郎の心は、まだ姉さんばかりを見ている。

 この一週間、ずっと雑誌なんかとにらめっこしていたと、おば様からコッソリ聞いている。それが姉さんの為だという事は言われなくても判る。


 でも今日は引けないし、引くつもりは無い。


 これから行く先のシーサイドラグーンは、私たちの住む所から電車で小一時間ほどで着く大型アウトレットモールだ。テーマパークとショッピングモール、そして海に面した緑地公園まである、大人から子供まで幅広い客層で賑わう場所だ。7月にもなればプールオープンとなり、一層賑わう定番のデートスポットとも言える場所だ。

 いつか晴れて私の思い願う関係となった時、またこうして来る事が出来るだろうか。いや、出来るだろうかじゃない。出来るように頑張るんだ。あとは行動あるのみ!


「勇一郎、姉さん。丁度快速が来るから早く行こう」


 一番に改札を抜け、ごく自然に振り返った風を装って次いで来る2人を敢えて促す。やれやれといった風に笑う勇一郎。



(見てなさい。今日はその保護者みたいな微笑ましい顔、させてあげないんだから!)



 そうして今持てる勇気を振り絞って、私は強引に勇一郎の手を握った。



「ほら。ぐずぐずしない!」

「ちょ、早苗!?」


 手を握る位は姉さんとの取り決めに抵触はしない筈。っていうか既にその身だけで抵触しかかっている姉さんには、これ位しないとお話にもならないし、勇一郎の意識に割り込むことだってできない。こうして手を繋ぐなんて4月の事を除けば小学校以来だけど、小学生の時とあの時とも意味が違う。果たしてこれがベストかどうかは判らないけれど、それでも愚策とは思わない。


 ちらりと姉さんの方を伺うと、ちょっと驚いたような顔をしていたけれど、なぜか変に納得したような表情をしていた。私の行動に驚いた様子を見せる勇一郎とそれを見て、まずは一歩先んじることが出来たかと一瞬思えたが、それは甘い考えだった。



「そうだな。ぐずぐずしていると日が暮れるな」



 そういうと、姉さんは私とは逆側の、勇一郎の空いた腕に自分の腕を絡ませた。



「ち、千鶴子さん!?」

「なっ!?」



 勇一郎の声が裏返る。私も声にならない動揺が思わず口を突いて出る。


 こうしてアッサリと私の上を行った姉さんは、朗らかな笑顔を浮かべて延長戦の始まりを告げた。


「さぁ、行こうか」

出かけるのに1話使うとか昔のDBですかって感じで進まないですねぇ……

次は三者三様に色々と動くので、また遅くなりそうな予感。



――――――――――――

2013/6/2 誤字修正と一部表現重複訂正


幕間


「早苗、今頃うまくやれてるかなぁ~」

「出来得る限りのアドバイスをしましたけど、気になりますね」

「作戦名『ガンガンいこうぜ!第24版』が役に立てばいいんだけど」

「早苗さん次第とは言っても、相手は東条先輩ですし……」

「早苗は可愛いから、普通の相手なら全然心配する必要は無いんだけどなぁ……」

「歩く武器庫みたいなものですからね……東条先輩」

「ほんとアメリカ映画のワンマンアーミーだよねぇ」

「自分で言っておいてなんですが、火器は持っていませんから一騎当千と評するのが妥当では?」

「いやいや、どうみてもあのスタイルは重火器でしょ。由梨絵先輩を80センチ列車砲とするなら、千鶴子先輩は46センチ主砲だね」

「それでいて命中精度は現在の速射砲並み……ですか」

「何処の架空戦記だか。考えたくも無いね」

「といいますか、仮にも女の子である私達も、そんな話題で会話が出来るあたり問題ですよね……」

「いいじゃんか。今時女子は戦車だって扱えないと駄目なんだぜ?」

「どこのアニメーションですか……」

「ま、いいじゃん。結果は明けて月曜日に聞けるんだから、今日は遊ぼうぜ~!」

「そうですね。近場だと遭遇する可能性がありますから、ちょっと遠めのシーサイドラグーンまで来たんですし」

「うむ。プールオープンも近いし、今日はショッピングモールで買い物しまくりだぜー!」

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