表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愚者達の戦記  作者: 六三
征西編
58/443

第34話:突き付けられた幻影

 ランリエル艦隊壊滅及びカロージオ提督戦死の報は、すぐさま国境にあるランリエル軍本陣へと届けられた。それが諸将に伝わると彼らはざわめき、次に激した。


「敵戦力の1.5倍もの戦力を有しながら負けるとはどういう事か! 海軍提督のカロージオとはそれほど無能者であったか!」

「さよう。カロージオはわざわざ敵艦隊と乱戦状態にした挙句、一戦も交える前に撤退したとか。まさに負けに行ったとしか思えません」

「小児でも、もっとマシな指揮をするでしょうな」


 陸戦の将軍達は、海軍とそれを率いたカロージオの不甲斐無さに怒りつつも嘲笑した。だが彼らにも間違いはあった。ランリエル艦隊は敵に対し数が1.5倍なのであって戦力が1.5倍なのではない。しかし彼らは戦力として互角と考えていたのだ。


 だが兵士と民兵というならともかく、基本兵士同士の質がそこまで変わる事のない陸戦の将軍達に、艦艇の数は1.5倍だが戦力は互角、という認識は持ち得なかった。彼らには数が1.5倍なら戦力も1.5倍。1.5倍の戦力で敵に負けるなど信じられぬ。そうとしか思えなかった。


 軍議の席、今後の対策より海軍への罵倒に熱弁をふるう諸将の様を、見事な銀細工の鎧に身を包んだサルヴァ王子はじっと見つめていた。その表情は苦々しげだった。いたずらに海軍への罵倒を繰り返す彼らと違い、王子は両軍の海軍戦力を正しく認識していた。だが諸将の認識不足を改める事はしなかった。


 王子自身艦隊壊滅の状況に驚愕し、改めて戦況を整理するのに意識のすべてを奪われていた。その苦々しい視線の向く先は、彼らではなく己の内側に向いていたのだ。


 両海軍の戦力は互角。ならば迎え撃つ側が地の利を得て有利。互角の戦力が地の利を得て守りに徹すればそうそう負ける事はあるまい。奇をてらった訳ではなく常識的な判断。油断してはいなかった。だが結果的に敵を侮っていた。そう認めざるを得ない。それゆえの自身に対する苦々しい眼差しだった。


 バルバールにしてみれば、今回勝ったとはいえ万一艦隊が壊滅していればその打撃は致命的だった。ランリエル、コスティラにと全軍を東西に振り分けているバルバール軍に、もはや海上からの攻撃に備える余力はないのだ。もしランリエル艦隊が勝っていれば、上陸したランリエル軍の行く手を阻む者はない。濡れた紙を突き破るほどの障害も無く王都へと達する。そしてバルバールは滅亡するのだ。


 彼らは海戦なら勝算は高いと判断したのだ。だが負けた時のリスクを考えれば軽々と戦いを挑める状況ではない。彼らはそれだけ危険な賭けをしたのだ。だが王子は二つの事を洞察した。


 まず一つは、それだけ危険な賭けをした挙句、その戦果を活かさない訳がない。必ず確保したランリエル王国沖の制海権を駆使し海上からの攻勢をかけてくる。


 そしてもう一つ……。バルバール軍総司令フィン・ディアスが自分の戦略を、バルバールの軍勢を攻めるのではなく王国の財政を攻めるという策を、それを読んだという事だ。本来守勢側ならば攻勢に転じる必要はない。敵が疲労し撤退するまで守りを固めればいい。だが彼らは危険を冒し、負ければ滅亡するしかない海戦を挑んだ。挑まず守りを固めていては負ける。その判断があったのだ。


 そしてその上で、こちらはどう動くか……。サルヴァ王子は思考を重ねていたが、不意に皆が静まり返っているのに気づいた。ひとしきり海軍への罵倒と嘲笑を終えた諸将の視線がサルヴァ王子に集中していた。海軍への不満は出尽くし、改めてその対策の軍議を仕切りなおそうと、ランリエル軍総司令サルヴァ・アルディナの発言を待っているのだ。


 自らの考えに埋没し、皆に間抜け面を晒したかと王子は苦笑した。そして取りあえず必要と思われる事を指示する。髪をかき上げながら口を開くそのさまは、幾分間抜け面をさらした事を誤魔化すかのようだった。そして殊更ゆっくりと、なおかつはっきりと言った。


「制海権を得た奴らは、間違いなく海上から軍勢を上陸させてくる。王都から軍勢を派遣し海岸線の防衛に当たらなくてはならない。防衛線構築の検討に入る」


 そこに一人の老将が軽く手を挙げ発言した。鎧は年齢に見合い使い込まれ濁った光を放ち、そして鎧よりも澄んだ光を放つ白髪頭を鎧の上に乗せている。名をコッラーディと言い、指揮能力としては年を重ねた割に平凡という評価だった。だが、年を重ねただけあって思慮は深かった。もっとも、思慮が深すぎるから戦場での対応が遅れるのだという陰口をたたく者も居る。ともかく、せっつく敵もいない軍議の席で彼はその思慮深さをいかんなく発揮した。


「今回殿下がお示しになった作戦では、全戦力を動員する敵に対し我が軍は全戦力の半数以下の戦力しか動員せず、その上で対陣を続け敵を経済的には破綻させる。というものでした。ですが、ランリエル王国沖の海岸線は長い。防衛線をはるとなると今敵と対峙している我らと合わせ、ランリエル全軍が必要となります。我が方の作戦こそが破綻するのではないでしょうか」


 サルヴァ王子は老将の発言に頷いた。まったく持ってその通りだった。敵将ディアスもそれを狙っていると思われる。いや、ディアスはさらにその先を読んでいるに違いない。王子はそう考えつつ、老将に更なる発言を促す。


「確かにお主のいう通りだ。だがそれでは、この状況にどう対応すべきと考えるのか?」


 ランリエル軍においてその軍略を称えられるサルヴァ王子に意見の正しさを認められた。そして、さらに発言を求められたコッラーディは大いに面目を保った。老将は姿勢を正し改めて勇み口を開く。


「海岸線に対しては、もちろんある程度兵力を割かねばなりません。ですが、バルバール軍が海上から攻めるには今われらの目の前にいる軍勢から兵を割く必要がありましょう。逆に言えばその兵力を割けない状況に敵を追い込めば良いのです」


 サルヴァ王子は、老将の発言にその続きまで予測して内心落胆した。いや、落胆するのはお門違いか。自分とて同じ結論にしか達しなかったのだから。そう考えている王子の耳を彼の予測通りの言葉が通り過ぎる。


「ランリエル全軍など必要ありません。後、5万、いや3万ほども動員しこの国境へと向かわせるのです。そして我らと合わせ8万の軍勢でもって攻勢をかければ、奴らはこの国境に釘付けとなり、海上から軍勢を上陸させる余裕などありますまい」


 同数ではない。兵力は倍。だがあの指揮能力に長けたバルバール軍総司令と戦う事になる。王子の体を戦慄が駆け巡る。王子とて自身がバルバールの総司令に劣るとまでは考えてはいない。だがカルデイ帝国との戦いで一つの事を学んでいた。それは自分は万能ではない。という事だった。


 現在、バルバール軍総司令を除いて自分を倒しうる者と王子が認める武将は2人。カルデイ帝国のエティエ・ギリスとベルヴァース王国のセデルテ・グレヴィ。とはいえ王子はこの2人に対しても自分が劣るとは思わない。総合的な能力では彼らに引けを取らない。指揮能力なら自分はギリスに勝っている。政略、謀略においてグレヴィは王子の敵ではない。


 だがカルデイ王都での決戦で、王子はギリスの優れた洞察力により策を見破られ敗死寸前にまで追い詰められ、グレヴィの冷静な指揮能力によりその窮地を救われた。他で勝ろうとも、敵の特化した能力に敗れる事もあるのだ。


 得意とする政略、謀略、戦略を駆使し、敵将ディアスの特化した尋常ならざる指揮能力を発揮させないまま勝利する。それを王子は計画していた。だが状況はそれを許してくれない。いや、状況がではない。バルバールの総指令がそれを許さず、王子を戦いの舞台に強引に引きずり出そうとしている。


 王子は一度目を瞑り大きく息を吐き、敵将の思惑通りに事が運ぶ屈辱を隠し口を開いた。

「コッラーディの提案を採用しよう。すぐに王都へと急使を出し3万の軍勢を派遣させる。また海岸線には1万の軍勢を手分けさせ守らせよ」


 ランリエル全軍の方針を決定する献策を行ったコッラーディは誇らしげな表情を作り、諸将もその深さを称賛する。だが王子はその様を無感動に見つめていた。



 軍議の翌日。王都へと増援要請の急使が派遣されたとはいえ、その軍勢はまだ到着していない。その間に対陣するバルバール軍に動きがあった。見張りの兵士からの報告を受けた士官がサルヴァ王子の元へ駆け込んできた。


「バルバール軍の約1万ほどが姿を消しました。昨夜の内に撤退したと思われます!」


 その報にサルヴァ王子はすぐさま対策を練る。

「王都からの増援は海岸線への兵を優先させて派遣させるように重ねて伝令を出せ! 海岸線に領地を持つ貴族達にも使者をだし、防衛に当たるよう命ぜよ」


 敵軍が姿を消したのは海上からの攻撃に兵を割いたに違いない。王子は矢継ぎ早に指示を出し、副官のルキノは手分けし伝令を出す。王子はさらに指示を続ける。


「だが王都からの増援は、いくら急いでも今からでは間に合うまい。この陣からも防衛の兵を向かわせよ! 数は1ま……」


 王子の覇気ある声は突如中断し、傍に控えるルキノは思わず王子を凝視した。王子は愕然とした表情で口に手をやりしばらく黙りこんだ。そして動く事を再開したその口は、中断した言葉とは全く別の台詞を吐く。


「バルバール軍の1万は間違いなく撤退しているか再度確認せよ」


 その言葉は、落ち着いた声と言えば聞こえは良いが、ルキノには覇気なく感じられた。王子には余程気にかかる事があるらしい。そう判断した彼は、急ぎ見張りを担当する士官の元へと駆けた。


「サルヴァ殿下からの御命令だ。敵軍が間違いなく撤退しているか確認せよ」


 だが王子の命を伝えたルキノに、士官は困惑の表情を向けた。男は、困ったようなそれでいてどこか憮然とした表情で言った。


「御命令とあらば改めて敵陣を観察します。ですが間違いなく撤退しているかと聞かれても、敵陣の向こうまでは見えぬ以上、こちらからは敵の数が減っているとしか分りません」


 その言葉にルキノは眉をひそめた。確かにその通りだが、命令を遂行するに部下に厳しい王子がこの答えに納得するだろうか。だが確かに敵陣の向こうまでは分りようがない。一応改めて敵陣を観察させはしたが、結局敵の数が減ったとしか言いようがない。という報告を王子の元へ持って帰るしかなかった。


 怒声を浴びせられる事を覚悟し王子の元へと戻ったルキノは、内心のびくつきを隠しながら幾分緊張した表情で報告した。しかし幸いといって良いのか王子からの怒声はなかった。ルキノの報告に怒声を浴びせる余裕すらない。王子はそれほど自らの思案に没頭したのだ。


 バルバール軍は本当に海上から攻める為軍勢を割いたのか? 実はこちらの監視の目の届かぬところに潜んでいるのではないのか? この陣から海岸線防衛の為1万の兵を割けば、国境のランリエル軍は4万。そこに潜んでいたバルバール軍が舞い戻ればバルバール軍も4万。この時を狙って敵が攻勢に出れば、倍の軍勢で戦うどころか互角の戦力で戦う事になる。それに気づいたサルヴァ王子は、改めて敵将の武略に背筋に冷たい物が走るのを感じた。


 いや自分は敵を過大評価しているだけかもしれない。敵は単に海上からの攻撃を目論んでいるだけで、自分の考えすぎだ。一瞬そうも考えた。だがそう思うには、ディアスの影は王子の中で大きすぎたのだった。


 結局王子の指示は中途半端なものにしかならなかった。ランリエル軍5万の内、1万をバルバール軍の監視からは見えないところまで後退させる。そう指示を出したのだ。この処置により、バルバールには1万の軍勢が海岸線防衛に向かったと牽制できる。万一敵軍が国境を攻めてきてもその軍勢を直ちに戻せば互角以上の戦力で戦える。だがこの配置すら敵将は読んでいるのではないか。その疑惑を王子は拭い去る事は出来なかった。




 ランリエル軍から1万の軍勢が消えた。バルバール軍もすぐに察知した。本陣の一室でその報告を受けるバルバール軍総司令ディアスの傍らに立つ従者は、その報告を行った士官が退出するとすぐさま総司令に話しかける。総司令に気軽に話しかける従者というのもあまり褒められたものではないが、当人達は特に気にしてはいなかった。


 総司令としての執務を行う為の椅子に座るディアスにケネスは言った。机も椅子もバルバール王都にある執務室の物とは比べ物にならないほど粗末な物だが、戦場では贅沢など言ってはいられない。


「サルヴァ王子は海岸線防衛に兵を割いたみたいですね。この隙に敵陣を攻めますか?」


 その言葉にディアスは机に肘をつき顎に手を添え考えた。だがそれも一瞬ですぐに従者の問いに答えた。


「まあ、今回は海上からの攻撃を行おう。ライティラのおかげで戦いの主導権をランリエルから奪う事には成功したが、一敗すれば滅亡なのは変わらないからね」


「ランリエルはまだ負けても後があるんですか?」


「ああ、一戦してサルヴァ王子を討ち取る、という事が出来れば別だけどね。ランリエルは負けても精々バルバール攻略の失敗だよ。国が滅亡する訳じゃない」


 その言葉にケネスの表情が不満そうに変わった。負ければ滅亡に比べなんと理不尽な、そう思えたのだ。


「でも一敗すれば滅亡なのに海上から攻めるという事は、それなら必ず勝てるという事ですか?」


「そうだな。そういう意味では、一敗すれば滅亡は言い過ぎかも知れないな。海上からの攻撃が失敗してもそれで制海権まで失う訳じゃない。だから負けても致命的な敗北とはならない。だが……海上からの攻撃が失敗すれば打つ手が無くなり、じり貧になるのは確かだね」


「敵は海岸線防衛に1万の兵を派遣しましたけど、やはり敵もそれが分かっているのでしょうか?」


「いや、それがそう簡単な話じゃない」


「簡単な話じゃない?」


「そうだ。さっきお前はランリエル軍が兵を割いたから敵陣を攻めるかと聞いたが、敵が本当に兵を割いたと思うかい?」


「え? ディアス将軍は違うとおっしゃるんですか?」


 ケネスは驚いた声を上げ、その声にディアスは苦笑した。そして

「さあ、本当はどうなんだろうねえ」

 と、幾分いたずらっぽく答えた。


「どうなんだろう? えーとそれは……ディアス将軍にも分からないと言う事ですか?」

 バルバール軍史上最高の総司令。そう信じる少年従者はディアスに分からない事などない、そう考えている。その総司令の曖昧な返答に思わずケネスは目を見開いた。


「敵陣の向こうの事はさすがに見えないからね。なんの情報も無しに判断は出来ないよ」


「ですが、敵が本当に兵を割いたのではないなら、何をやっていると言うんです? まさか……」


「そう。そのまさかさ。敵もこちらから見えないところで軍勢を待機させている。私達と同じくね。もっともさっきも言ったとおり、本当のところは分らない。その可能性があるというだけだ」


「でも、どうして敵はそのような事をするのでしょうか?」


 ケネスは次々とディアスに疑問をぶつける。その疑問に答えようと口を開きかけたディアスは、発しようとした言葉を飲み込み一つ苦笑を漏らすと、少年に人の悪い笑みを向けた。


「お前も人に聞くばかりじゃなく、少しは自分で考えたらどうなんだい? お前が従者になったのは勉強も兼ねているんだろ?」


 その言葉に

「あ!」

 と一言言いケネスは赤面した。そして必死に頭を巡らす。もっともそう難しい話ではない。何せバルバール軍も同じ事をしているのだ。


「海岸線に兵を派遣したと見せてバルバール軍をけん制し、そして国境では兵を少なく見積もったバルバール軍が攻め込めば、戻ってきて戦いに参加する。という事ですか?」


 サルヴァ王子の感じた危惧は不幸にも的中していた。確かに消えたと思っていたバルバールの軍勢は後方に待機していたのだ。だが実際に行われている事はもう少し複雑だった。ディアスは軍勢を二手に分け、一方を海上に、もう一方を後方に待機させていたのだ。

 自信ありげに答えたケネスにディアスも正解と笑顔で応じる。


「そう。その通りだ。もっともこちらが軍勢を隠しているのとは幾分意味合いが違うけどね。向こうは純粋にこちらの動きに対応する為に軍勢を隠している」


 正解と認められたと喜んだケネスだったが、ディアスの言葉は気にかかった。バルバール軍はランリエル軍の動きに対応する為に動いているのではないのだろうか? だが、その疑問を投げかけようとしたケネスは、自分で考えなければならないんだった、と思い直し慌てて口を噤んだ。そして少し考えた後、改めて口を開く。


「バルバールはランリエルの動きに対応する為ではなく、ランリエルの先手を打つ為に軍勢を隠しているという事ですか?」


 ケネスの言葉にディアスは頷いた。しかし正解とは言い切れないのか解説を付け加える。

「そう言っても間違いではないが、正確にはそうだな……。こちらが軍勢を隠しているとサルヴァ王子に知らせる為に隠しているんだよ」


 ケネスは両手を挙げ降参した。もはや彼にはいくら考えてもディアスの言葉の意味が分からない。降参した従者に苦笑しつつ、総司令は説明を始めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ