第316:暗躍
グラノダロス皇国とランリエルとの戦いは当初予想されたよりも遥かに長期化していた。双方の首脳がそれぞれの理由で戦争が長引くのを望んだのだ。
皇国では現在、副帝の地位にあるアルベルド・エルナデスは皇帝に準じる権限を持ち執政を取っているが、全く皇帝と同等の権限かといえば語弊がある。やはりある程度の制約はあった。特に先のランリエルとの戦いで皇国軍は大きな損害を出し、アルベルドもその再建に力を入れていたがその権限は無制限ではなかった。
如何に王族、皇族が高貴であると称しても、実際に人々が彼らに従うのは、その権力が故。人々がその権力になぜ従うかといえば、逆らえば罰をうけるからであり、なぜ大人しく罰を受けるかと言えば、逆らっても無駄であるからだ。逆らっても無駄なのは、相手がこちらを上回る武力を持っているからである。
その人々を従える根源的な力である武力は、さすがに副帝アルベルドといえど自在には動かせない。だが、戦時は別。
戦時に置いては議会の承認は不要という不文律により、アルベルドは真に皇帝と等しい権力を持つに至った。そして人とは状況に慣れるものだ。戦争の長期化により人々はアルベルドが皇帝に等しい権力を持つ事に慣れる。そして、誰よりも軍隊がアルベルドの支配を当然と思うようになる。
軍隊とは国家で一番、規律が重要な組織だ。アルベルドが頂点。その組織としての規律が固定化されれば国家の権力を握ったも同然。
「奴を捕らえよ!」
そのアルベルドの命令に軍隊が従うならば、もはや、誰もアルベルドに逆らえない。世の下克上というもののすべては、下の者が上の者よりも武力を持つゆえになりえるのだ。
「予の命が聞けぬのか!」
その王様の命令を無視し、臣下の命令で兵士が王様の首を刎ねる。それが下克上なのである。
他の臣下達もそれを敏感に察する。亡国の時に最後まで王に忠誠を誓う臣下など極僅か。大半の者は武力を持つ者に従うのだ。故に、自分が軍隊を掌握するのが当然と皆に慣れさせる為にアルベルドには戦争の長期化が望ましかった。
そしてランリエル皇帝サルヴァ・アルディナも時間を欲していた。ただ、今はだ。ランリエルに皇国ほどの長期戦を支える国力は無い。戦いが長引けば、皇国と雌雄を決するまでも無く財政が破綻し軍勢は崩壊する。
金を払わずに武力で脅して働かせる。というのは一時的には可能だが、皇国軍と対峙している時を狙い済まし反抗されてはそれこそ致命傷。今でさえ、戦時増税を行っており、これ以上の負担は難しい。
「足りなければ商人から借りろ。担保はタランラグラの塩の専売権だ」
サルヴァ王子は、本国からの金が無いという報告に、皇国の資産を切り売りして何とかしのいでいる。
その金が無く戦争の長期化を望まぬサルヴァ王子だが、勿論、戦争が速く終わるのならば負けても良いという訳ではない。戦力では皇国に勝ち目が薄いランリエルだが、少しでも、その勝ち目を厚くしなければならない。それには時間が必要なのだ。
当初の計画では、ランリエルが皇国に宣戦布告し皇国がこちらに軍勢を向けたところで、ゴルシュタットとドゥムヤータが動いて手薄な皇国本国を突く。という短期決戦を目論んでいた。それがベルトラムの裏切りによりゴルシュタットは動かず、それによってドゥムヤータも参戦しなかった。ランリエルは単独で皇国に挑むという無謀な戦いを強いられたのだ。
それがディアスの活躍によりドゥムヤータは動き、北ロタを降して皇国の衛星国家アルデシア王都を落としたのである。その結果、皇国はドゥムヤータにバンブーナ王国の軍勢を丸々張り付け、アルデシア王都には十数万の軍勢を向かわせ囲ませた。サルヴァ王子がランリエル皇帝と兼任するセルミア王のセルミア王都にも十数万の皇国軍。後はゴルシュタットをこちらに付ければ、皇国はそちらにも軍勢を割り振る。
その一方でランリエルは各戦線の軍勢を整理する。ゴルシュタットがケルディラ方面に攻めて来たと報告があれば増援し、ケルディラの独立派に動きがあれば防衛の軍勢を置いた。応急処置的に軍勢を派遣している為、無駄も多く乱雑となっている。ゴルシュタットの問題が解決すれば不要となる軍勢もある。ゴルシュタット王国軍と対峙しているコスティラとベルヴァースの兵も大半は引き返させられるだろう。
「10万近くはこちらに合流できる」
サルヴァ王子は、そう計算していた。その10万の増援を待って攻勢に転じる。それがサルヴァ王子の計画である。
勿論、ランリエルの狙いを見抜けぬアルベルドではない。散々、サルヴァ王子に時間を与えた挙句にランリエルの攻勢に対し、まったく予想外だった! などと言えば、ただの阿呆である。
アルベルドは、サルヴァ王子の策が決して必勝の策などではなく、他に策が無い故の策。と見抜いていた。結局、サルヴァ王子の策は、少しでも戦力差を埋めようと言うだけの事。大差の兵力差が多少縮まっても大差は大差だ。
「涙ぐましい努力だ」
アルベルドはサルヴァ王子の策をそう評した。金が無いが今すぐ戦えば確実に負けるので時間を掛けて少しでも戦力差を縮ませ、それでも大差なのには変わりなく、しかし、金が無いのでこれ以上の長期戦は出来ないので決戦するしかない。確かに涙ぐましいといえる。
確かに太古の戦いでは2倍、3倍の戦力差どころか10倍の戦力差が覆された決戦もある。しかし、その太古の戦いの詳細を調べた者は、本当なのか? と頭を抱えるだろう。信じられないほど軍勢の動きが鈍い。確かに太古の資料である。誇張もあるだろう。本当に10倍の戦力差はなかったのかも知れないが、それはさておき、信じられないほど融通が利かなさ過ぎる。
大軍と遥かに少数の軍勢が対峙した。大軍の正面の騎兵は少数の側の騎兵に当たる担当だった。開戦した途端に少数の側の騎兵が右に転進し駆けた。大軍の騎兵がそれを追う。小数の騎兵が左に転進し、大軍の騎兵がそれを追おうとしたが、小数の側の投石部隊の投石により阻まれ遅れる。大騎兵が元に居た場所は空いており、小騎兵はそこから突撃して敵本陣を突いて大軍は壊走。少数の側が勝ったというものだ。
敵の騎兵が右に転進し、担当だからとそれを馬鹿正直に追うというのもどうかと思うが、それは何とか納得するとしても、空いた騎兵の穴を周囲の部隊が埋めずに放置して、本陣まで敵の突撃を許すというのはアルベルドから見ても、現在の軍隊ではあり得ない。
そんな訳の分からない失敗は現在の軍隊ではしないし、職業軍人ばかりのこの大陸の戦いでは奇襲もさほどの効果はない。少数の奇襲では崩れないし、大軍での奇襲は察知されてしまう。つまり、現在の戦いでは10倍どころか2倍、3倍の兵力差を覆すのはほぼ不可能。
サルヴァ王子やフィン・ディアスの凄みは、戦力で負けている時に少数で多数を倒すなどという夢物語を目指すのではなく、総兵力では負けていても、策を駆使して、決戦場での戦力は自分の方が多くするにはどうするか? それを考えぬき実行する事だ。
前回の皇国とランリエルの戦いでは確かに総兵力では半分ほどのランリエルが勝ったが、それはサルヴァ王子の奇策により局地的に戦力を覆したからであり、結局は、数が多い方が勝った。というだけなのである。
ディアスもランリエルとの戦いでは、バルバール王国軍にとって他国の民より自国の民が大事。という常識を非常識なまでに徹底し、ランリエルどころかカルデイの民すら襲撃した。その結果、決戦の場での戦力をバルバールはランリエル側の2倍にして見せたのである。最終的にランリエルに降伏したが、それは戦えば勝つには勝つが、将来を考えればサルヴァ王子を殺さなければならない絶対条件が不可能と悟ったから故である。
アルベルドにしてみれば戦時という状況は長ければ長いほど良いのだが、そろそろゴルシュタットも片付きそうだと報告があった。正規の諜報員ではなくアルベルドが秘密裏に組織した信奉者達だ。
アルベルドを聖王と慕う多くの支持者がいた。その後の副帝就任などにより、やはり権力が目的だったのかと離脱した者も少なくなかったが、残った者はそれだけ純度が高い。アルベルドを神とも崇めた。その信奉者はランリエル陣営にも及んでいる。
「その者が私に協力するというのは間違いないのだな?」
「は。アルベルド陛下のご威徳がランリエルにまで届くのを心待ちにしておりますと。繰り返し申しております」
コルネートの報告にアルベルドがやや重々しく頷いた。勿体ぶっているのではなく、頷きつつも慎重に思考を重ねている結果である。アルベルドがデル・レイ王時代から仕えるコルネートはその空気を読み気にした様子もない。彼はアルベルドの信任厚く、今では信奉者の纏め役も任されている。
人が人を神のように崇めるのは現状への深い不満からが多い。その意味では飛ぶ鳥を落とす勢いで勢力を伸ばすランリエルに、しかも、その恩恵を多く受けた者達はアルベルドの信奉者にはなりにくいものだ。しかし、今、報告を受けた者は恩恵の上級者というべき者である。
ロベルコ・サデーロ子爵。ランリエルとバルバールとの国境近くに領地を持つ貴族。ランリエルの拡張の恩恵を最も受けた1人と言われている。名門ではない。彼自身も有能ではない。領地がランリエルとバルバールとの国境近く。ただ、それだけの理由でだ。
「子爵の領地はランリエルから前線に送られる物資の通り道。輸送隊のほとんどは子爵の領地で休息し物資の補充を行います。子爵はその益で莫大な富を得ています」
荷駄を引く牛や馬。それを操る人も物を食う。それらをランリエル本国から前線まで持つ量を運ぶとなれば、肝心の戦場で必要な物資を運べない。という笑い話のような状況になってしまう。食料や牛馬に必要な物資はこまめに補充しながら進めば、その分だけ戦略物資を多く運べるのだ。
しかし、その恩恵を得ているサデーロ子爵が何の不満を持ってアルベルドに縋るのか。
「その子爵なのですが、物資に質の悪い物を混ぜているという噂があるのです。既にランリエル軍が調査を始めているとか」
人の欲とは限りないものだ。第三者の目から見れば、使い切れないほど金を稼いでいるのに、どうして犯罪を犯してまで更に金を得ようとするのか不思議なのだが、実際にそういう者は多い。子爵は穀物に古いものを混ぜる。葡萄酒を水で薄める。そのようにして差額を懐に入れているのだ。
更に報告が続き、それらを総合すると、不正がばれそうになった挙句、どうすれば罪を逃れられるかと足掻いたが、どうしようもないと悟った。しかし、どうにかして助かりたい。その思いが己の罪自体を否定したという。
そもそも自分の領地が物資の通り道となったのはランリエルが他国を侵略したからである。他国を侵略するサルヴァ皇帝は悪逆非道な暗君。それを打倒し世を正さんとする聖王アルベルドは正義の使者である。彼の思考から己の罪は消え、自分がアルベルドに協力するのは全て正義の為なのだと盲信するに至ったのだ。
「それも現状への不満と言えば不満か……」
「は? 何か仰いましたか?」
思わず呟いたアルベルドにコルネートが反応したが、いや、なんでもない。と誤魔化し報告の続きを促した。
「子爵が言うには、どの物資がどこに送られるかが手に取るようにわかる。という事で御座います」
「なるほどな」
大規模、広域となった現在の戦争では軍隊は物資の補給なしには戦えない。物資がどこに届くかを知るという事は軍勢がどう動くかを知るという事だ。
とはいえ、そもそもこれほどの大規模な戦い事態が今回が初めて。このような方法で敵軍の動向を知れると気付いたのは子爵がこちらに転んだ結果であり、偶然といえる。奇策の天才サルヴァ・アルディナとて気付いてはいないだろう。
それから更に情報網を広げた。輸送隊がこまめに物資を補充するのはランリエル以西の支配地域でも同じこと。しかも、ランリエルから皇国に近づくほど信奉者は多く、補給隊の補給地となる領地での協力者を得るのは難しくなかった。
サデーロ子爵のように当主自らでなくとも、実務の責任者を引き込めば良く、彼らは労働の割りに報酬は低くて現状に不満があるという意味では適格者だ。全ての補給地が把握できなくても補給隊というものは無駄な経路をとらないものだ。途切れ途切れでも味方に引き入れれば、経路を推測するのは難しくは無いのだ。
これにより、アルベルドはランリエル軍の動向が手に取るように把握できた。この世界に敵軍の動向を完全に掴んでいならがら敗れた軍があるだろうか? しかも、圧倒的な戦力を持った上でだ。ない。と断言できる。
アルベルドの副帝としての権力が強まりランリエルとの戦いも不安な要素はない。しかも、彼に媚びる皇国貴族達に更に喜ばせる事があった。フィデリアの懐妊が発表されたのだ。
アルベルドとフィデリアが実質的に夫婦であるとう話は、あくまで自分を助ける為。そう信じるユーリは我が耳を疑い母に問いただしたが、母は微笑み懐妊が事実と述べるのみ。傷つき婚約者であるエミリアナ王女に泣き付き、それも貴方を助ける為なのではないですか? と、慰められた挙句王女と一線を越えたのは、また別の話である。
しかし、これによりアルベルドの皇国掌握が確実になったと見る者は多い。アルベルド自身が皇帝になるという線もあるが、それには障害が多いのも事実。実子とみなされているユーリを皇族の姫と結婚させて皇帝に出来るかと言えば、既にユーリには婚約者が居り、しかも現在デル・レイ王だ。衛星国家の王となった者を皇帝には出来ない。その意味ではアルベルド自身が元デル・レイ王なのだが、現在、副帝であるというのが微妙なところだ。
そこにこの懐妊の発表である。生まれるのが男児ならば、、その子供が皇族の妃と結婚し皇帝になるのではないか。そうなればアルベルドの権力は磐石だ。生まれたのが女児でも現皇帝の妃として、その父として権力を握るのに変わりない。
「フィデリア様を正式に妃となされるのが宜しいかと」
最近では、アルベルドに、そう進言する者が増えた。確かに、皇帝の妃の夫になるにも、息子の妃とするにも、庶子では都合が悪い。ましてや皇帝に就けようというなら尚更だ。当然、アルベルドはフィデリアを正妻とする。誰もがそう思った。
「どうも皆、物忘れが酷いようだな。既に私には妻が居るのだぞ?」
進言した者は、アルベルドの予想外の言葉に慌てて言葉を濁した。勿論、アルベルドの正妻フレンシスの存在を忘れていたのはない。フィデリアを正妻とするならばフレンシスは離縁。それは言うまでもない事であり、そこは察して欲しいところでもある。それを正面から指摘されては戸惑うしかない。
しかし、次のような事も噂になっていた。ユーリ様のことは仕方が無いとしても、次の御子まで庶子として扱われるのかとフィデリア様が嘆いているというのだ。ユーリと同じようにフレンシスの養子とするにしても、そうなれば産まれたばかりの我が子を奪われる事になる。
フレンシスとの結婚は政略結婚であり、フィデリアとの関係こそ真実の愛。そう信じられている皇国において、アルベルドの対応は確かに不自然に感じる。そして意外にも、これがアルベルドの枷となった。
アルベルドが皇国の権力を握る。それは確実と思われていた。そして、その方法も強引な手を使ってでもアルベルド自身が皇帝となる。息子のような年齢の現皇帝の養子になるという強引な手段もあり得る。そうとすら予測されていた。しかし、アルベルドに子が出来た。
「お子を皇帝に就かせて、自身はその後見人として権力を握るに違いない」
話がそうなって来た。それが自然であり、それに比べれば、息子ほどの年齢の者の養子になるなど笑い話。アルベルド自身が皇帝になる。その強引が当然と思われていたのは他に手段がなかったからだ。もっと自然な手段が存在するならば、そちらに流れるのは当然だ。
「面倒な……」
全て計画通り。そう考えていたアルベルドには予想外の状況だ。アルベルドも即座には対応を決めかねた。まあ、緊急性のある問題でもない。極端な話、産まれてからどころか数年後でも問題ない。自分ではなく子を皇帝にするとしても現皇帝を退位させるまでに嫡子とすれば良いのだ。周りの声は煩わしいが、ほおって置けばそのうち収まるだろう。
ある夜、アルベルドの腹心であるクアドラドがフィデリアの屋敷に招かれた。彼は元々財務大臣として辣腕を振るっていたが、公金横領の疑いを受け辞任した男だ。そして、それは疑いではなく事実であったが、それくらい誰でもやっている! と反省の心は毛頭なかった。
事実、歴代の財務大臣は彼と同等かそれ以上の横領をしていても問題にならなかった。彼の罪が追及されたのは政敵による追い落としの結果だ。だが公然の秘密も公になれば罪は罪。せめてもの情けと、自ら辞任すれば罪には問わないとの取引で地位を失ったのである。
その不遇の彼を救ったのがアルベルドだ。皇国において並ぶ者の居らぬアルベルドが彼を抜擢すれば、誰も口を挟めない。罪を公表されず自ら辞任していた事も有利に働いた。
こうしてアルベルドによって救われた彼は皇国にではなくアルベルド個人に忠誠を誓っていた。組織に所属し順調に昇進した者は組織に忠誠を誓い、個人に抜擢された者は、その個人に忠誠を誓う。彼はそのようにして皇国の中枢を支配していた。
クアドラドが侍女に案内されて居間に通された。用件はおおよその予測はついている。自分だけではなく、アルベルドの部下、皇国の中枢を担う官僚。有力貴族が頻繁にフィデリアに招かれているのを彼は知っている。彼らと同じ用件だろう。
しばらくの雑談の後、フィデリアが折り入って2人でと侍女すら下がらせる。2人きりとなった後のフィデリアの言葉も予想通りだった。
「貴方からもアルベルド陛下に、私を正式な妃とするようお口添えをして頂きたいのです」
やはりそうか。予想通りだ。ただ、予想と違う事もあった。その言葉を紡ぎ出す美しい唇が、自分の耳たぶに触れるほど近い事である。男を惑わす甘い匂いが鼻腔をくすぐる。思わず下腹部のある一箇所に血が集まる。自身でもそれを自覚したが彼女の眼がある。あからさまに手で隠すわけにも行かない。
だが、そう意識すると、ますますフィデリアの甘い匂いに下腹部に血が集まった。彼女にばれないかと女神に眼を向けると、まさに美しい青い瞳の視線がそれを捕らえていた。
「あ、いえ、これは……」
思わず言い訳が口からこぼれ、言い訳の言葉が終わる前に、白く細い美しい指がそれを包んだ。




