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エピローグ

「というわけで……再びこの街に平和がおとずれたのでした」

「今のは新しい英雄譚かい?」



 俺はたまたま通った街の酒場で聞きなれない英雄譚を耳にして足を止めた。

 


「はい、近くの街でおきた危機を救った英雄の物語です。魔剣を持つゴブリンと、盾を体内に埋め込んだスライム、そして、それらをしたがえた魔物を倒した。『群団』というパーティーの物語です。私も隣の街の酒場で聞いたばかりなんですよ。珍しい物語だったので、さっそく弾かせていただきました」

「へぇー、興味深いねぇ。いい物語を聞かせてもらった。これはお礼だよ」



 俺は吟遊詩人に銅貨を渡して笑顔で手を振る。どうやら彼らは無事魔王の墓に眠る巨人を再び封印したようだ。

 それにしても彼らの英雄譚か……



「ふふふ、ちゃんとヘカテーを説得したみたいだね。しかも英雄譚を聞く限りかなり仲良しになったみたいだねぇ。それにこれで彼らも巨人の存在を知った。英雄になった君たちがどう動くか楽しみだよ」



 ヘカテーとどこか魔王に似た彼が出会いどうなるか楽しみだったが予想以上の成果だったようだ。魔族の数が減った今対抗できる存在が必要だった。

 そして、それは魔族ではだめなのだ。人間が巨人という未知の化け物に抗ってもらわないと困る。だって、魔族と巨人の力はそこまで差はない。数少ない魔族が巨人倒したところで、そんなのは当たり前だからねぇ……



「さて、次は君がどんな物語を紡いでくれるか楽しみにしているよ」



 そうして俺は数少ない魔族たちと、連絡をとる準備をする事にした。巨人が封印されたとなると彼らも少しは動く気になるだろう。

 これが彼の人生を大きく変わるかもしれないけど……まあ、シオン君もそっちの方が楽しいでしょ。笑いながら俺は次の目的地を目指す。


むっちゃ短くて申し訳ありません。


また、本作品とは関係ありませんが、私が書いている「追放された俺が外れギフト『翻訳』で最強パーティー無双!~魔物や魔族と話せる能力を駆使して成り上がる~」の三巻が本日発売です。


興味があったら是非お願いします。

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― 新着の感想 ―
コミック版からきました。 魅力的なキャラクター達のお話に惹かれ、気付いたらここまで読み終えていました。 またいつの日か、続きが読めたら嬉しいです。
続きみたいです、今度は、魔王の別の仲間との出会いの冒険とか
[良い点] まだまだ伏線も謎も残ってるし、次の展開に期待。 一年と半年ほど空いちゃってるけど。
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