表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

183/203

55.違和感


「なっ、このゴブリン……本当にスキルを……やられ……」



 冒険者の驚愕のうめき声と共に、刀を振る音がしたかと思うと同時に血しぶきをあげながら首が舞う。もちろん、首が飛んだのは冒険者ではない、ゴブリンの方だ。



「大丈夫かしら」

「あ、ああ……その髪、あんたはカサンドラか!! ありがとう、助かったよ。さすが魔族の血を引いているだけはあるな」

「え、ええ……ありがとう」



 冒険者にお礼を言われるとカサンドラは照れくさそうに頬をかいた。昔から魔族の血を引いているから迫害されていたからか、褒められるとすぐに照れるのだ。本当に可愛いと思う。



「それにしても、予定よりも包囲網を狭めるのが早くないか?」

「ん? ああ、ゴブリンどもなんだが、事前に聞いていたのと違って大したことなくてさ、だから、ついつっこみすぎちまったんだよ……」

「それで不意を突かれるなんて情けないわね」

「うう……返す言葉もない、だけど他のやつらも仲間も先にいっちまったし敵のリーダーを倒せば褒賞金をもらえるだろ。だからつい……」



 容赦のないカサンドラの言葉に冒険者は申し訳なさそうに、頭をかいた。だけど、彼の言う通り想像以上にうまくいっているんだよね。他にも、俺達がサポートするはずの所も、いくつか回ったが、助ける必要もなくゴブリンを追い払ったようだ。

 だからだろう、全体的に楽勝ムードが漂っていた。オークの時とは違いどこかみんな楽観視をしている気がする。

 これを持ってきたのが無駄になるならそれでいいんだけとね……俺は今回のために持ってきたペルセウスの透明になる兜に触れながら考える。



「なあ、本当に今回のゴブリン達は緊急ミッションを出すほどの相手だったのか?」

「私たちが相手を過大評価しすぎたっているのかしら?」

「いや、そうじゃないんだよ、だけどさ、ほら……」



 カサンドラに睨まれて、ビビった冒険者が空を指さすと、制圧完了を証明するのろしが各地で上がる。八方向からゴブリンの巣を囲うようにして制圧するのだが、もう、半分以上が上がっているようだ。

 俺が警戒しすぎたのか? だけど、モルモーンはいっていたあの魔剣は強力だと……俺は嫌な予感がよぎったので、近くで果物をかじっていた鳥に偵察を頼むことにした。


この作品『追放された俺が外れギフト『翻訳』で最強パーティー無双!~魔物や魔族と話せる能力を駆使して成り上がる~』の二巻が発売中です。


ゴルゴーンの里でのお話になっております。書き下ろしでシオンとアスの過去編もありますのでよんでくださると嬉しいです。


二巻の表紙は活動報告にアップしているので見ていただけると嬉しいです。


最初の一週間で、続刊が決まるので、もし、購入を考えている方がいらしたら早めに購入していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 油断大敵だね~危機を如何に切り抜けるか楽しみですww
[一言] 楽勝モードを演出し、猪突させ、罠に嵌める。ゴブリンにやられると思えないため良くはまる。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ