表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

149/203

21.モルモーン

 咄嗟の事に俺にできたことといえばとっさに剣で急所である心臓を庇う事だけだった。気づいた時には影の触手は俺の横をすり抜けていた。え、すり抜けてた……?

 


「たかが、入り口をふさいだだけで油断はしない方がいいよ、少年。呪いの武具はしつこいからねぇ。ちゃんと仕留めないとだめだぜ」



 そういうと彼女は伸ばした影の触手を自分の手元に戻す。そしてその影の触手の先にはカースドウェポン達が捕えられており、そのまま、パキンっという乾いた音と共にカースドウェポンが真っ二つに折れてそのまま砂の様に塵となった。



「俺を……助けてくれたのか?」

「もちろんだとも。意識を取り戻して初めてのお客様だからね。丁重に扱わせてもらうさ。私に敵意は無い事はわかってくれただろ。よかったら話でもしないかい? 見たところ君は冒険者のようだ。今の外は……世界はどんな感じなのかな?」



 俺の言葉に彼女は笑顔でうなづくと、再び指を鳴らす。すると影が今度はテーブルとイスと形を変える。漆黒の家具はどこか神秘的な感じがする。彼女は椅子を指さして、俺に座るように指示をする。俺は彼女の声に心地よいものを感じて、彼女の指示に従うように座ろうと椅子を引く。

 その時だった、武器屋のおっさんから十字架がいきなり光った。


 それと同時に頭の中がクリアーになる。俺は何をしようとしていたんだ。上ではカサンドラ達が必死に戦っているんだ。吸血鬼と話している場合ではないのだ。それに……この状態明らかにおかしい。こいつはなんでこんなところに一人でいるんだ? 魔王の墓の周囲にいるアンデット達……そして、吸血鬼はアンデット系モンスターの上位種だ。呪いの武具はわからないが、無関係とは考えにくい。

 そして、十字架が光った時の反応が決定打だった。



「なっ、私の力が無効化された?」

「そういう事かよ」



 モルモーンの言葉で疑惑が確信に変わる。吸血鬼の中には人を魅了する能力を持つものもいると聞く。いつの間にかその力を使われたのだろう。

 幸い、追ってきた呪いの武具はモルモーンが倒した。だったら……俺は即座にカサンドラ達への援軍に向かうべく踵を返してダッシュする。



俺式炎脚フランベルジュ

「ちょっと待った、違うんだよぉぉぉぉ、私は本当に君と話したいだけなんだ。何百年一人だったと思うんだい? さびしかったんだよぉぉぉ」

「うおおおおおお」



 俺がカースウェポン達があけた穴のところから脱出しようと魔術を使った時だった。不気味な霧がいきなり俺の進路に現れたかと思うと、その霧がモルモーンとなる。魔術を使ってたためいきなりとまることはできないわけで……

 俺と彼女はもみ合ってそのまま転がる羽目になった。知ってるか? 人はいきなりは止まれないんだよ……



「うう……ってなんだこれ……」



 俺達が転がってとまったので立ち上がろうとすると手にあるのはなにやら柔らかい感触である。おそるおそる顔をあげると俺はモルモーンの胸をもんでいた。なにこれやばい……しかも多分だけどアンジェリーナさんよりでかい。ちょっと童貞の俺には刺激が強すぎるよ!?



「おっぱいだぁぁぁーー」

「え?」



 彼女はいきなり叫んだ俺に一瞬驚いた顔をしたが、いたずらを思いついたかのように意地の悪い笑みを浮かべて言った。



「私と話をしてくれるなら、いくらでも揉んでもいいんだよ」



 そう言って突き出される大きな胸を見て俺は生唾を飲み込んだ。これが吸血鬼の魅了の力なのだろうか……俺は彼女の胸から目を離すことができなかった……


なろうの書報に登録できました。自分の作品が書報にあるとなんか嬉しいですね。



第一巻発売日7月10日に発売しますので興味があったら手に取っていただけると嬉しいです。


続刊などはやはり発売最初の1週間が肝となるらしいのでぜひとも宣伝させて頂きたく思います。




作品名で検索するとアマゾンなどのページが出てきますのでよろしくお願いいたします。


また、一巻にはカサンドラがシオンと会う前の話が5万字ほど書き下ろされているので興味があったら手に取ってくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ