悪は悪を討つ②
室内は静まり幹部達はまた驚いていた。
魔王は何も言わずにただこちらを見ているだけだった。
俺はそんなに変なこと言ったか?と、疑ってしまうくらいだ。
その時、幹部の一人が口を開いた。
「な、なぜよりにもよってアリスなのだ」
「ソフィアさんから聞いたのだがアリス様は誰よりも優しく情のある方だと」
「そんなわけなかろう!あの小娘は先日も一人の少年を殺したそうじゃないか。あれは魔王軍の恥だ」
そう言って嘲笑いながらハクを指さす。
その幹部は魔王様の側近らしく他の幹部達は何も言えず黙って目をそらしていた。
しかしハクの方を見ると俯きになりとても悲しそうな表情をしていた。
「そんな冷酷無為の亜人に従うくらいならこの私に......」
「やめないかバール!!」
止めに入ったのはソフィアさんだった。なんだかんだ言ってもこの人は誰よりもハクを知っている。
「あの者の意志でアリスに従うと言っているのだ。お前にとやかく言われる筋合いはない!」
「なんだと!?魔王様の側近である私に歯向かうか、この死に損ないが」
バールと言う幹部がソフィアさんの首根っこを掴んだ瞬間、俺はバールの腕を握りつぶす。
「な、何を!?」
「黙れ、アリス様を悪く言うならお前を殺す」
ギシギシ、メキっ!!
腕がめっきりと折れ涙目になるバール。その姿はまるで怯えた子どものようだった。
そして俺がバールに殴りかかろうとした時だった。
「待ってくださいです!!」
「.....」
俺の腕を必死になって引っ張っていたのはハクだった。
「やめてくださいです。私が悪いのですよ!」
「なぜだ。こいつに言われてむかつきはしないのか」
また俯いて黙ってしまう。
俺は今のハクを見ていると無償にイライラした。
なんでハクはうじうじしてんだ。
「この怪物め!!私の腕を潰しおって!!」
「少し黙っていろバール」
「ま、魔王様何を!?」
「獄炎」
魔王様から放たれた魔法によりバールの体が灰と化す。
「魔王様!?殺してよかったのでしょか!?」
「よいよい、あんなやつなどいらぬのでな」
なんか死なないからってやり過ぎの気もするがもういいか。
後で復活するだろうし謝るのもその時にしておこう。
俺は元の位置に戻ると魔王様はくるりと周りマントを自分にかける。
すると大きかった体はどんどん小さくなっていき一定の場所で止まっていた。
「ぷはぁ!!やっぱりあの姿だと魔力がどんどん奪われるのう」
「ま、魔王様!?」
どう見たって幼稚園児くらいの姿だった。
それもさっきはどう見たって美青年だったのに急に女の子に変わるか!?
「どうした新人よ。驚いているようだな。まあ、無理もないか」
「えっと魔王様、それで俺はアリス様の下についてもよろしいのでしょうか」
「それは我の決めることではない。好きにせい」
「は!ありがとうございます」
そうして俺はどうにかしてアリスに接触する機会を得た。
その後歓迎パーティも無事に終わった。
色々な幹部達がいたがどの人も個性が強くとてもじゃないが協力できるような人はソフィアさんだけだった。
━━━━━━━━━━━━━━━
そして翌日、俺は貰った小部屋で寝ていた。
トントン...........。
こんな時間に誰だろうか。多分だけどソフィアさんだろうな。
俺は一応鎧を着てドアを開ける。
するとそこにはソフィアさんではなくハクが立っていた。
「あ、あの!昨日は庇っていただきありがとうございます」
「別に構わない。俺が勝手にやったことだ」
「でも何で私なんかに従いたいなんて言ったのですか?」
「それはあの場で話した通りなんだが........」
「そんなことでバールさんに喧嘩を売ったんですか!?」
そんなに驚かれてもこちらが困ってしまう。
確かにあの場でハクの下につきたいと言うのは前代未聞かもしれないけども、俺はハクのために幹部になったのだ。それにルナやフランはあの村に置いて来てしまったし、今更引き返せと言われても無理な話だ。
「それで今日から俺は何をすればいいんんだ?」
「アカツキさんは新人ですし私の仕事を手伝わせる訳にも行きませんし」
「仕事って何をするんだ?」
「私の仕事は主に悪への天罰です。言わば闇営業や殺し屋達を抹殺することです」
「そうか、なら今日は誰を殺せばいい」
「え?」
「いや硬直されても困る」
「いやいやいや、だって人を殺すんですよ?そこんとこわかって行ってます?」
「ああ、もちろんの話だが」
するとハクの目がやばい人を見る目に変わっていた。
そして俺はハクに手を引っ張られ魔王城の裏に連れていかれた。
そこは木々が生い茂りサバゲーには最適だ。って俺は何を言っているのだろうか。
「今からこの森で私と一体一の模擬戦を開始します」
投稿が遅くてすみませんm(_ _)m
今回レビューや感想を送ってくださいました皆様誠にありがとうございます!!
次回もお楽しみに。




