悪は悪を討つ
俺はあの時の決断をしてから魔王軍幹部になるまで半年はかかってしまった。
しかしその間にソフィアさんに色々なことを教わった。
まず魔王軍とは何故人を殺すのかと言う問題にこう答えてくれた。
「何故魔王軍は人間を殺す?」
「そうだな。私達は悪い人間を探しだし天罰を与えるそれが本当の仕事だ。しかし人間はそれを良いとは思わなかった。それで今も敵対状態が続いている」
俺はそれを聞いて改めて決断は間違っていなかったと言うことを確認出来た。
それからソフィアさんに連れて行かれいきなり殴られる。
めちゃくちゃ痛かった。
「遅い!!」
「な、何をすんだ!?」
「お前はアリスを救うのだろう?ならやつより強くなくては話にならないんだよ」
「しかし説明もなしにいきなり殴るのは....」
「敵は待ってくれないぞ!」
わかってたことだけど説明もなしに殴るかよ。
しかしソフィアさんの連撃は止まらない。それどころか初めて戦った時とは威力も速さも雲泥の差だ。
「本気で来い!!」
「そうですか.......なら本気で行くぞ!!!」
俺はいつものように能力を発動すると両腕に王冠が現れた。
片腕には傲慢の力が、もう片方には強欲の力が宿っていた。
そして殴り返そうと近寄るが回避され逆にカウンターをくらってしまう。
「がはっ.........」
「お前は罪王に目覚めても力が使いきれていない」
「ゲホゲホッ!!どういう.....ことですか?」
ソフィアさんによると罪王とはどの種族よりも強くそして神の名を持つと言うことらしいがどうも俺は力が使いきれていないいないそうだ。
本当の罪王は己の持っている力と合わせて初めて威力が発揮されるそうだ。
まずは俺のステータスを確認する。
名前 暁 誠 HP40000(4000 )MP4500/4500(450/450)
種族 罪王
職業 王
Lv60
スキル 召喚銃 、迷彩身体、呼吸マスター 、足音無音化、強欲、傲慢
補正 銃撃王 (この補正により飛び道具の威力が1000%アップ)
暗殺者(致命傷の攻撃で即死が入ることがある)
傲慢(光と闇を司り、全ステータスを1000%アップ)
強欲(火と風を司り、武器のステータスを1000%アップ)
紅の王冠(強欲のスキル解放)
蒼の王冠(傲慢のスキル解放)
次に能力の確認だ。
召喚銃で使える技もおさらいしておこう。
銃撃戦闘術第1式「突撃」
大量に召喚した銃には大振りのナイフがついておりそれを銃弾と同じくらいの速さで飛ばす、まさに突撃する兵のような技だ。
銃撃護身術第2式「銃剣の構え」
1式より数は二本と少ないがリーチの長さが通常よりも長く敵の攻撃を防ぎダメージを軽減することができる。
これをソフィアさんに見せるといい事を教えてくれた。
それは構えからのカウンターだ。
半年前の俺じゃあ習得は難しかったが今じゃ当たり前のような技となってる。俺は2式の応用として銃撃護身術第3式「銃剣の切り返し」と名ずけた
さあどんどんいこう。
銃撃接近戦闘術第24式「二双の刃」
この技はただ銃を召喚したように見えるがそうではない。実はこの銃は特殊な構造でリロードができない分、召喚速度が異様に早いのだ。そのため後から攻撃されても反撃や返り討ちにできるのだ。
銃撃戦闘術第54式「奇襲」
この技は仕掛けやトラップと言ったもので召喚時の魔法陣が透明となり、作動の主となるレーザーが放たれる。そして敵と認識しているものがレーザーに触れると主に銃弾が多い銃がランダムにで出てきて、乱射するという技だ。
次のはストレスも発散できる良いようで良くない技だ。
銃撃戦闘術第74式「破壊の制圧」
説明は簡単だ。ロケットランチャーがたくさん出てきて破壊する。以上!
最後に銃撃戦闘術第100式「一斉射撃」だ。
この技はどの技(74式を除く)よりも威力があり、初見のやつには一番効く技だ。
大量の銃が召喚されて回避不可能と言う位の弾幕が放たれる。
流石のソフィアさんでもこの技は無傷ではすまなかった。まあ、アンデットなので再生能力が桁外れている。そのおかげで今も生きているのだろう。
以上これがこれまで使った技の紹介だ。
新技もまだまだあるが話さなければいけないことがたくさんだ。
なんせ半年もの間ずっと修行をしていたのだから。
そうして俺の技を全てソフィアさんに見てもらい無駄な動きを直し、それと同時に受け身や格闘術、そして王としての力を血肉に染み込ませた。
初めの10日間は山や海での戦闘。1ヶ月後にはダンジョンや魔王軍のモンスターとの取っ組み合いとなかなかハードであった。しかし王としての力を身につけたのはつい最近なのだ。
それは決断をしてちょうど5ヶ月が経った。俺とソフィアさんとの模擬戦の時だった。
バン!!!
「痛くも痒くもないぞ!!」
「ならこれでどうですかね!?」
俺の強欲の能力で上がった銃弾が効かなくとも傲慢のお陰でステータスアップしたパンチがソフィアさんの脇腹を砕きわる。
ボキボキ!!
「甘い!!」
ソフィアさんはくらった反動を使い体を捩曲げかかと落としを俺にくらわせる。そのせいで召喚銃が消え俺は地面にめり込む。
「まだまだ!そんなんではアリスを守れないぞ!!」
俺は気絶してしまいそうになったがギリギリで意識を保つ。
しかしそんな場合でもソフィアさんは攻撃を仕掛けてくる。
ああ、こりゃ避けれんわ.......。
俺の脳天にソフィアさんのパンチが入り地面に押し潰される。
そして完全に脳が停止した。が真っ暗な世界にあいつが立っていた。
こちらに振り向くと悲しそうな表情をした。そして次の瞬間、あいつの体が血だらけになり体がぐしゃぐしゃと降り曲がった映像が流れる。
ああ、ああああああああぁぁぁ。
そして俺は元の世界に戻ると信じられない光景が広がっていた。
「あ、が。ゲボ......」
俺はソフィアさんを殴り飛ばし顔以外の部分を吹き飛ばしていたのだ。
相手がソフィアさんであったから殺していなかったものの、少しほっとしたところもあった。
「ゲホッ!そうだ....その力がお前の本当の力だ」
「じゃあ俺はこれで....」
「いや未だ。それはお前の力の1%にもなっていない」
嘘だろ!?これで1%にも満たないって、ソフィアさんがガードの上からくらって体が弾け飛んだ位の威力だぞ。じゃあもし100%の力なんてこの星ごと粉砕するんじゃ.......。
俺は少しゾッとしたが確実に強くなっていることは間違いなかった。
そして体がもう完全に復活したソフィアさんだったが少し息が荒い。
多分、体の九割を復活させるのに流石に魔力を使ったのだろう。
それだけ強い威力で俺は殴ったと言うことだ。
「実は魔王様は怠惰の名を持っていてな。その魔王様が言っていたのだが、普通は選ばれし者に一つの名が与えられる。それは神との契約であり自分では逆らうことはできない。しかしお前は二つも持っている」
「神様の手違いとかでしょうか?」
「いや問題はそこではない。お前が強欲と傲慢の名の持ち主だと言うことだ」
ソフィアさんの話を詳しく説明するとこの世界は7つの神様が作ったのだがそのせいで他にも神が生まれてしまい世界の輪が崩れたそうだ。
その副産物が亜人や魔族と言ったものだと言われている。
そしてそれを抑制するためにどの種族にも頂点に立つ者を神様が直々に選んでいるそうだ。
そう俺のように。
しかし神様にも能力の差があり強さの順番があるそうだ。
上から傲慢、憤怒、嫉妬、強欲、怠惰、色欲、暴食、と言う順番らしい。
その内俺は最強の傲慢と真ん中の強欲を持っている。
そんなことになればもし俺が無差別に人等を殺し始めたらどうするのだろうか。まあ、それだけ神様達の信頼が大きいのか。
「魔王様への報告は1ヶ月後だ。もしお前がその力を100%使えなければアリスのことも話す」
「そんな!?5ヶ月でやっと習得したよ言うのに!」
「残り時間は少ないからなこちらへ来い」
そして俺は連れていかれたのは山の中層くらいにある広場だった。
そこには黒いとても大きな塊が一つあった。
「これは魔鉱石でも特大硬いものだ。魔王様でも割ることは出来なかった」
「そんな確かに俺のレベルは120まで上がった。だけどこんなもの破壊できるわけが」
なんたって俺よりも遥かに強いであろう魔王様ですら割れなかったのだから。
「まあ、せいぜい頑張るのだな少年。いや、王よ」
そう言ってソフィアさんは消えた。
「まじかよ.......」
俺は魔鉱石に手を触れる。その時感じられたのは強大な魔力だ。
魔鉱石はその名の通り大量の魔力を保有している。
「破壊するしかない、あいつの為にも!!」
俺は魔鉱石に向けて力いっぱい殴ったが傷一つかなった。
何度も何度も殴るが無意味だった。そして俺は銃撃戦闘術を駆使して破壊を試みるがそれも無意味。
そして一週間後............。
「くそ!!なんで傷一つつかないんだ!!」
俺は血だらけになった手をぐっと握りしめる。
地面には無数の残骸が散らばっているだけだ。
「このままじゃ絶対に間に合わない」
俺はこれまで自分に尽くせる技と言う技をこの魔鉱石にぶつけたが全てが無意味に過ぎない。
どうすればいいのかわからなかった。
「あと三週間ちょいしかないんだよ!!」
どうしりゃいいんだ!普通の銃弾は効かない。かと言って爆発物も効果なし。
俺はまた最悪の状況に陥る。しかしあの時のように上手くいってはくれない。
「まだ残ってる技はないのか!!」
俺は弱い。どんなに努力しようが神様の力を借りようが全てが無意味だ。
「ある.............」
俺がまだ試してない技が!
それは千切りとの戦いに終止符をもたらしたあの銃なら。
しかしあの銃だけは召喚もできないましてや発動の仕方もわからない。
「頼む俺に力を貸してくれ!じゃないとあいつが死んじまう!」
俺はあの時のイメージを鮮明にまた細かく頭に映す。
その後も俺はずっと続けた。
そしてラスト一日........。
「銃撃戦闘術第現代式....攻の型、太陽光砲!!!」
しかし何も起きなやしない。
もうダメなのだろうか。
俺の心が完全に折れそうになった時だった。
「ソフィアさん..........」
「なかなか面白いがお前の限界のようだな」
「.......」
「今アリスが魔王城にいる。期限は期限だ、最後までよく頑張ったな」
「いや、まだだ」
俺は右手を突き出し左手で右腕を掴む。
そして目を閉じ心を静かにさせた。
「どうしたのだ?何も動かなければ意味はないぞ!」
そうだ。この魔鉱石をわらなければあいつは死ぬ。そして俺も生きてはいけない。
これが最後のチャンス、全身を研ぎ澄ましイメージを一点に集中。そして俺に足りないものを探す!
体の血流がわかるようになり血の流れが早くなる。
(何が足りない?)
自分で自分に問う。
(あの時に感じていて今の俺にないもの)
それは?
「そうか、簡単だったな。楽しさそれだけだ................」
俺は全身の血流を一気に早くさせ右手に意識を集中させる。
そして.......
「銃撃戦闘術第現代式、攻の型 太陽光砲!!!!!」
俺の手にはあの真っ赤に燃えた銃が握られていた。
そして魔鉱石に向けて引き金を引く。
「これで終わりだあああああああああああああああ」
銃からはオレンジ色のレーザーのようなものが魔鉱石を直撃し粉々に粉砕する。
「フフ、よくやった少年」
ああ、やっと.........あいつに会える!
魔鉱石は割れ膨大な量の魔力が漏れ出す。
そして俺の中に吸い込まれて行く。
「体が軽い」
俺の体が軽くそして痛みもなくなっていた。
しかしこれだけでは強くなったのだろうか。全然実感が湧いてこない。
「ソフィアさん、これで俺は強くなったのでしょうか?」
「そうかお前には感じられないか。では、ステータスを見るといい」
名前 暁 誠 HP140000(14000 )MP5000/5000(500/500)
種族 罪王
職業 王
Lv120
スキル 召喚銃 、迷彩身体、呼吸マスター 、足音無音化、強欲、傲慢、太陽、宝石
補正 銃撃王 (この補正により飛び道具の威力が1000%アップ)
暗殺者(致命傷の攻撃で即死が入ることがある)
傲慢(光と闇を司り、全ステータスを1000%アップ)
強欲(火と風を司り、武器のステータスを1000%アップ)
紅の王冠(強欲のスキル解放)
蒼の王冠(傲慢のスキル解放)
何も変わって..........あれ?なんか増えてる?
それは太陽と宝石と言うスキルが増えていた。
「これって?」
「それが王としての固有スキルだ。そしてそれが魔王軍幹部としての合格の証だ」
そして現在、俺はソフィアさんに貰った鎧を着て魔王軍幹部達の前に立っていた。
「強欲と傲慢の王、アカツキです。魔王様......」
「そなたはあの魔鉱石を粉砕したと聞いたが本当か?」
するとその答えはソフィアさんが答えてくれた。
「魔王様、これがその証拠です」
運ばれてきた魔鉱石を見て幹部達が驚いていた。
「嘘だろ」
「まあ!なんて強いお方なのでしょう!」
「すごいすごい」
「黙れ!!」
魔王様の一言で室内は静まり返る。
しかし俺はそんなことも気にせず魔王様に願いを伝える。
「魔王様、一つ願いがあります」
「よいぞ、そなたの祝いだ。なんでもよい」
「アリス様の配下に入りたいのでございます」
その一言に一人の少女は驚いていた。
こんにちはこんばんはどうも永久光です。今回は遅れてしまい本当にすみませんですた。ってなんかいつも言っている気がしますね。それはさておき、今回はどうだったでしょうか?面白かったのならとても嬉しいです。




