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村人だった俺が神スキル『チェンジ』に覚醒して世界を救う英雄に~命懸けで戦っていたら仲間には愛されるし婚約者は増えてゆくし、幸せすぎて困ります~  作者: ひだまりのねこ
第五章 王都への旅路 ~リゾート都市コルキスタ

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セバスの町でお買い物


「良い人だったな〜レムスさん」


「そうだな。これでリナリーとも上手く行くだろう。まったく世話の焼ける奴だ……」


 っ!? もしかして、ティターニアさんはわざと……? 


「あの……ティターニアさんは、本当はレムスさんのことを……」



「ん? なんだイソネ、嫉妬しているのか? 安心しろ、悪い奴ではないが、出来の良い弟みたいで鬱陶しいのは本当だ。少なくとも男として見たことは一度もない」


 嬉しそうに腕を組んでくるティターニアさん。俺が嫉妬したことが嬉しかったらしい。いつも以上に距離が近い気がする。



「よし、着いたぞ!」


 へ? 着いたって何処に? まだギルドを出てからほとんど歩いていないんですけど……?


「どうした? 早く入るぞ、モーテルに」


 忘れてたああああああ!!? そう言えばモーテルに行ってイチャつこうとか言ってたっけええええ!!?


 いや、別に嫌じゃない……むしろ大歓迎ではあるんだけど、さすがに昼間から、しかもレムスさんのいるギルドの真裏でというのはちょっと……。


「まったく、そんな細かいことは気にするな。私だけを見ていれば良いんだ」


 いや、本当に男らしい。腕をガッシリとホールドされてモーテルに連れ込まれそうになる。



「イソネ~!!」



――――ぼふんっ―――― 

 


 通りの向こうから、クルミが飛ぶように走ってきて、すっぽりと胸の中に納まる。はああ……このもふもふ感……癒される。


「お仕事終わったの? だったら一緒に遊びに行こう!!」


 少し遅れてみんなも姿を現す。あらら、これはモーテルタイム終了だね。


 ティターニアさんをみれば、すっかり切り替えて町遊びモードになっている。女性はこういうところ、切り替えが早いよな……。


 これはどちらなんだろう。ホッとしたのか、それとも残念に思っているのか、きっとどちらも正解なんだろうね。ははは……。


「クルミ、何か美味そうなものあったか?」

「うん、こっちだよイソネ!」


 クルミを肩車して屋台が並ぶ大通りへと向かうと、海風が海鮮の焼ける香ばしい匂いを運んできてくれる。

 

「イソネ、こっちががら空きだぜ?」

「ふふっ、こちらは私がいただきますね、イソネさん」


 両サイドからレオナさんとミラさんが腕を組んでくる。待って、両手に花は良いんだけど、両肩にはクルミもいるんだよ? ほら、めっちゃ注目されてるから!? 何この絵面……。


「……くっ、出遅れましたね。イソネさん、抱っこしてください」


 両手を広げて抱っこアピールのミザリーさん。え……? この状態を見て、なおかつ抱っこ? いや、別に良いんですけどね、恥ずかしくないですか? 大丈夫? ああ、なら仕方ないですね。



 それにしても、ミザリーさんも変わったよな……以前ならロクに目も合わせてくれなかったのに。今なら照れ隠しだってわかるけど、心を開くとここまで甘えん坊になるとは……。



「…………」


 どうしよう……ベアトリスさんがめっちゃ見ている。めっちゃジト目で見ている。そうだよね、俺が心配だからって、わざわざ護衛についてもらったんだもんな……。



「……ベアトリスさん、背中空いてますけど、おんぶします?」


 いやまて、あのベアトリスさんがおんぶなんてするイメージが無い。失礼なこと聞いちゃったな……。


「スマンな、では遠慮なく」


 ええっ!? なんかノリノリでおぶさってきたんだけど……。


 肩にはクルミ、右手にはレオナさん、左手にはミラさん、ミザリーさんは、前から抱きついて、俺は両手が使えないので、レオナさんとミラさんがミザリーさんを支えている。すごい執念だ。そうまでして街中でこんなことをする意味がわからないよ。ちなみに背中のベアトリスさんは自力でしがみ付いている。さすが、鍛え方が違いますね! 


「ははは、これは参った。さすがの私も入る隙間がない」


 まあ、ティターニアさんとは、いままでいちゃついていたからね。


 屋台を巡り、好きなだけ買い物をしていると、さほど大きくない町だ、別行動中のみんなとも自然に合流する。


 それにしても、いっぱい買ったなあ……。


 アスカさんたちのグループは買いすぎだと思うんだ。今は船があるから良いけれど、そんなに大量のドレスや服を持って旅を続けるつもりなのかな?


「ふふっ、大丈夫よイソネ。アスカとコルキスタで別荘を手に入れようって相談していたの」


 へえ……それなら安心だね!! って別荘!? え? マジで? まあでも、世界有数のリゾート地だし、せっかく寄るんだから、それも悪くないか。お金なら死ぬほどあるんだし。


「そうか、楽しみだねリズ」


 でも意外だったな。お金大好きなリズがこんなに大きな買い物をするつもりだなんて。もしかして、アスカさんが安い物件紹介してくれるとか?


「……勘違いしているみたいだけど、別荘買ったりしないわよ?」


 へ? 買わないでどうやって……?



 リズの黒い笑みを見て、これは悪い奴らからいただこうとしている顔だと気付く。いや、別荘だけじゃない。資産根こそぎ奪うつもりだ。


 悪者のみんな、早く逃げてええええ!! とは言わないけれど、何となく末路が見えたような気がして少しだけ同情してしまう。まあなるようにしかならないよね。



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i566029
(作/秋の桜子さま)
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