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村人だった俺が神スキル『チェンジ』に覚醒して世界を救う英雄に~命懸けで戦っていたら仲間には愛されるし婚約者は増えてゆくし、幸せすぎて困ります~  作者: ひだまりのねこ
第二章 王都への旅路 ~ネスト

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07 悪人どもの後始末

 

 服や日用品を買い揃えた後は冒険者ギルドに向かう。



 夕方ということもあって、ギルドはクエスト帰りの冒険者たちでごった返していた。


 そんなギルド内で、リズは早速冒険者たちの鑑定を始める。


 彼女には王都までの護衛を雇うための人選を頼んでいる。鑑定というスキルは、能力だけでなく、裏の顔まで暴くことが出来るからね。


 カスパーのように裏で悪いことをしていたり、逆に犯罪者が隠れ蓑として冒険者をやっていることもある。リズやクルミのような美少女連れともなれば、そうでなくともトラブルになりそうだ。



 その間に、俺は受付のお姉さんに冒険者登録の手続きを依頼する。



「では登録するのはこちらのお嬢さんたちで良いのかしら?」


「ああ、それで頼む。それから俺の預けている金をリズの冒険者カードに移動してくれ」


 カスパーの冒険者カードには金貨446枚とかなりの大金が入っていた。


 それを伝えた時のリズの笑顔は眩しかった。少しは役に立ったなカスパー。



 冒険者登録時のスキルは自己申告なので、リズは水魔法使いとして、クルミは気配遮断や匂い察知のスキルを活かして斥候役として登録した。


 更に手持ちの金貨のうち一部を残してすべて冒険者ギルドに預ける。


 金貨3000枚だから受付のお姉さんもさすがにびっくりしていたけれど。




「あと、王都までの護衛を雇いたいんだが、指名依頼は可能か?」


「大丈夫ですが、他の依頼が入っていた場合、待つことになりますよ? 料金は相場の5割増しになります」


「それで構わない。手続きを頼むよ」


 護衛はリズの鑑定を使って信用出来そうな女性冒険者パーティを選んだ。


 リズとクルミが美少女過ぎるので、男の冒険者には出来れば頼みたくない。


 報酬は相場よりも高く設定したし、王都への護衛クエストは人気の依頼なので受けてくれるとは思うんだけど。



「ごめんなさい、ご指名のパーティの皆さん宿に帰ってしまったみたいですので、明日の朝来たときに話しておきます。出来れば昼前頃来ていただけますか?」


 受付のお姉さんが申し訳なさそうにしている。


 残念、すれ違いになったか。


「わかった、また明日、昼前に顔を出すよ」



 冒険者ギルドを出て宿に向かう。


「正直疲れたよ。いろんな事があり過ぎた」


「そうだね。もう厄介事はお腹いっぱいだよ」


 さすがのリズも疲れたように苦笑いする。


「私は…………楽しかった」


 可愛いクルミを2人で撫で回す。


 今夜はモフモフのクルミを抱き枕に寝ようかと甘い妄想に浸っていたのも束の間――――




「カスパーだな? お前には人身売買組織との繋がりと殺人の容疑がかかっている。大人しく付いてこい」


 町の衛兵たちに囲まれてしまった。


 不味いな……事実だけに捕まったら確実に有罪になってしまう。


 だけど、罪も無い衛兵たちにチェンジを使う訳にもいかないし。


 素早く周囲を確認すると、ニヤニヤ笑う知り合いの顔が見えた。


(あれは奴隷商人のキム! そうか……奴が仕組んだんだな)


 どうせリズとクルミを見て欲しくなったのだろう。


 幸いヘドが出そうな程のクズだ。スキルを使うのに躊躇いは無い。



『チェンジ!!』



「や、やめろ〜!? 人違いだ! おい、その手を離せ! ぎゃあああ!?」


 俺と入れ替わったキムが、抵抗して衛兵から袋叩きになっている。


「うるさいぞ、これ以上痛い目に遭いたくなければ大人しくしていろ」



 ボロボロになって衛兵に連行されるキムを見送りながら、深いため息を吐く。



「あ〜あ、また身体変わっちゃったよ……」


「イソネ……大丈夫?」


「悪いな、またスキル使ってしまった……」 


「う、ううん。それは仕方が無かったと思うんだけど……ごめんなさい、さすがにちょっと無理」 


 あああああ!? あのリズが近寄ろうとしない。確かに俺が女だったら絶対にコイツには近寄りたくないからな。


 脂ぎった豚、いやまるでオークのような容姿だ。我ながら気持ち悪い。



「今夜は別々に寝ましょう」


「そ、そんな……」


 確かにこの姿で同じ宿に泊まることは出来ないのは分かってはいるが、なんかショックだよ。



(くそっ、全部コイツのせいだ)


 リズたちと別れてキムが経営する奴隷商店に向かう。



「あ、おかえりなさいボス」


 キムの部下たちが出迎える。


「悪事が全部バレた。私は逃げる。お前たちは好きにしろ」


 キムの部下たちは普通に仕事をしていただけなので、少し金を渡してそう告げる。


 部下たちは慌てて町から出て行った。


「さて、あとは奴隷たちだけど……」



「ひぃっ!? お助け下さい」


 顔を見せただけで、みなガタガタ震え始めた。可哀想に……


「今日をもって商売を辞めることにした。全員自由だ」


 奴隷契約スキルですべての契約を破棄する。


 奴隷だった人たちには服や金品を十分渡して全員開放する。



「これでキムの後始末は完了。あとは――――」


 誰も居なくなった奴隷商店を出て、向かうは領主の館。



 キムと共謀して悪事を働く領主クレメンスを懲らしめてやるために。



*************************************

【 7話終了時点での主人公 】


【名 前】 カスパー → キム

【種 族】 人族 → 人族

【年 齢】 28 → 48

【身 分】 用心棒 → 奴隷商店主

【職 業】 奴隷商


【スキル】 チェンジ 総合剣術 夜目 身体強化 御者 統率 強脚 狼語 見切り 奴隷契約




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i566029
(作/秋の桜子さま)
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