第73話/オ、オレ様じゃないもん。
今回は短めです!
近いうちにまた投稿しますよー!
専属冒険者の契約書にサインした後サリシアさんから昼食を一緒にと勧められ、エルモと共に談笑しながらご馳走になり、一休みしたところで領主の館を出た。
エルモとたわいのない話をしながら兵舎の通りを抜けていく。
そのまま中央にある噴水を囲むように露店が並ぶ広場へと入り、住民や冒険者が思い思いに過ごしている様子を横目で見ながら通り過ぎ、遠目にギルドの建物が見えて来た、その時だった。
どんっ。
と、軽くお腹に響くような音と共にギルドの建物から煙が立ち上った。
それを見てお互いに足が止まるも、なぜかエルモが横目でオレ様を見て大きなため息をつく。
「……どうしてこう、次々と問題が起こるんでしょうかね?」
「いや、オレ様が元凶みたいに言われても!? そ、それよか何が起きてるか確認しに行かないと!」
ジト目な視線をエルモから向けられ、それ以上の追及を避けるためにオレ様はギルドの建物へと小走りに駆けていく。
オレ様達がたどり着くと、ギルドの前には人だかりが出きていて、みな一様にざわついていた。
誰かに事情を聞こうと辺りを見回すと、ちょうど受付嬢さんの格好をした長い金髪の女性が目についたので、近くによってちょんちょんと肩をつついて声をかけてみる。
「もしもーし、これってなんの騒ぎ?」
「た、大変なんですよ!ギルドの二階から急に魔物が現れて……って、ギルド長!!」
振り向くと同時にオレ様の後ろにいるエルモに気づいたようで、驚きと喜びが混じった声を上げる受付嬢さん。
「それで、リリナ。どうなっているのですか?」
「は、はい!私もよくわからないのですけど、二階で爆発みたいな音が鳴ったと思ったら、伝声管からファンナさんの声で魔物が出たから外に避難するようにと言われて……!」
リリナちゃんと呼ばれた受付嬢さんは、興奮冷めやらぬ感じに捲し立てる。
ふむ。背がちっこくて金髪スレンダーなリリナちゃんが胸元で手をグッとして話す様は、どこかリス的で可愛らしい。
まぁそれよりも、軽く探知してみたところ、二階の一部屋で数人がまとまっており、そこから離れた場所で魔物とそれと戦うかのように動き回る一つの反応がある。
「とりあえず、オレ様は魔物のとこに行くけど、エルモはどうする?」
「私は二階の反応へ向かいます。多分、ファンナもそこにいるでしょう」
どうやらエルモも探知していたようで、二階の一室を見上げている。
「よーし、じゃあ、早速行ってくるか!」
「あ、ちなみにやり過ぎて施設や備品壊したら怒りますからね?」
「わ、わーかってるよぉ……」
だからその怖い笑顔はやめてくんないかな……。
「お、お二人とも、お気を付けてください!」
リリナちゃんの声援を背に、オレ様とエルモはそれぞれの場所に向かうのだった。
残暑が暑いです。
買い物して家に帰って、油断してスーパーカップバニラのアイスを放置していたら、気づいた時にはただのバニラ飲料になってました。




