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ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。  作者: 隣の斎藤さん。
第一章 ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。 

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第63話/美少女が野獣……。

誤字脱字報告が地味に嬉しいです!

あ、読んでくれてるんだって実感が沸いて……!!


 そして食い気味なサリシアさんとお話することしばらくして。


「ぐふふ~、アビ姉さま素敵ですわ~」


 現在オレ様の膝枕で、女の子があんまりしちゃいけない笑い方をしてるサリシアさんがいた。


 リッチを行動不能状態に封印してその魔力を枯渇するほど吸い上げて魔石作りをした事や、デーモンを結界の中に閉じ込めて聖水の強化版である神聖水の風呂に浸からせて浄化をした話等をしている中で、


「アビ姉さまとお呼びしても?」


「手を繋いでもよろしいでしょうか?」


「腕を組んで欲しいのですが……!」


 なんて最初はなんてことないお願いだったのだが、あれよあれよという間に気づけばサリシアさんの頭がオレ様の膝上に着地していたという。


 まあオレ様も女の子にお願いされてまんざらでもなかったんだけど、肌が露出してる太もも部分にのの字書くとかやめてもらいたい。


 尻と背中がゾクゾクするからぁ……!!


 ちなみにサリシアさんにとの会話中にも、ちょいちょい口を挟んできたエルモ。


 不振に思い念話(テレパス)で聞いてみたところ、最初ははぐらかそうとしていたがあとでGPで手に入るお酒を交換条件にしたところ。


《……すみません。わたしも会うたびに毎回同じ目にあっていて……犠牲者(仲間)が欲しかったんですよぉ……!!》


 若干、言葉のニュアンスに疑問があったけど、まあ気持ちはわからないでもないから許してやろう。


 これが恋人同士のあまったるいものならまだしも、サリシアさんから感じられるのは獲物を狙うそれだからなんか怖いし……。


「さてサリシア様。そろそろダンジョン喰らい(イーター)の対策を詰めたいと思いますので、お話はそれくらいで」


「あ、あらあら、わたくしったらつい夢中になってしまって……お恥ずかしい」


 とりあえずなんとかしろ、と念話(テレパス)するとエルモが助け船を出してくれ、サリシアさんも正気に戻ったらしくその身を起こす。


 オレ様の膝枕から起き上がる際に、ありがとうございますというお礼と共によこした流し目が、まだまだ狙っていることを如実に物語っていてちょっと怖かったけど……。


 そして話し合いは再開されたが、ものの数十分で終わった。


 エルモとオレ様の戦力で撃退は可能と判断され、ギルドと領主の兵団は街の防衛と住民の避難に注力することになったようだ。


「それではエルモ様、アビゲイル様。その折には街を、領民を、なにとぞよろしくお願いいたします」


 立ち上がり気持ちのこもった言葉と共に深々と頭を下げるサリシアさんをみたなら、これはもうやる気しか沸いてこない。


「うん、任して任せて。期待に応えて大地ごと吹き飛ばす勢いでがんばるから!」


「……いやそれ、洒落にならないんで冗談でもやめてくださいね?

 ともあれ、ギルドも尽力いたしますことをお約束いたします」


 二人でそう答えると、頭を上げたサリシアさんに満面の笑みがともる。


 うん、やっぱし女の子の笑顔は最高。


「では夜も更けたことですし、お二人ともよろしければお泊まりになっていってくださいませ。……うふふ」


『ひぃっ! お気持ちだけありがたく受け取らせていただきます……!!』


 満面の笑みからの獲物を見つけた狩人(ハンター)の笑みを浮かべたサリシアさんを見て、オレ様とエルモは揃ってその場を後にしたのだった。


=====


 サリシアさんに捕獲されるのを逃れるべく、足早に領主館をお暇して精神的な疲れを感じつつエルモと並んで帰り道を歩いている時だった。


 ふと遠くの空で上昇していく一筋の光の帯。


――――ドォーン……。


 そして夜空に咲く光の花。


 エルモにもばっちり見えていたようで、二人してその場で足が止まった。


 そして隣ごしにエルモから感じる「なにをしました?」的な視線。


 あー、うん。あれ、見覚えあるわ。


「なぁエルモさんや」


「……昔からその呼び方された時は大概ろくでもない事しかありませんが、なんですかアビちゃん先輩」


「オレ様な?ダンジョンから出てくる時にゴーレム作って入り口を塞いだわけなんだけどな?」


 あの落ち込んだようにダンジョンの出口で体育座りをするシュールなゴーレムの姿が思い浮かぶ。


「……限りなく嫌な予感がしますが、続きをどうぞ」


「オレ様、ゲームでゴーレムが倒された時に花火が上がるように設定していたわけで。

 つまり花火(あれ)が上がってった言う事は、多分そういうわけで……どうしよっか?」


 ゲームだとゴーレムが倒されると爆発とか光となって消えるとか色々とエフェクトが選べたわけで。


 仲間と一緒に花火設定したゴーレム達を敵の大群に向かわせ、倒されて打ち上がるそれを見て「花火大会」とか言っていたのが懐かしい。 


「どうもこうも一大事じゃないですかー!

 あーもう! まだなにも準備できてないのにぃーっ!!」


「なにもそんな慌てなくても」


 頭を抱えて悶えるエルモだけれども、まだ来ると決まった訳じゃないし倒すにしても別段問題ないのでは?


「先輩は異世界(こっち)に来てから日が浅いのでしょうがないですが、魔物に対処するにはゲームとはまったく違って大変なんですよ!」


 エルモが言うには倒すだけなら容易だけども、周りに被害を出さないようにするのだとか、街の防衛等を考えたりするだとか等、色々準備が必要なのだとか。


 ゲームとは違いリアルに人の生活がかかってたりするので、安易に行動できないらしい。


 あと事後の書類とか書類とか書類とかが面倒なのだと、愚痴る様子のエルモはまさに疲れたOLのようだった。


 うん、がんばれ社会人。


「と、いうわけで!」


 え、なにが?


 がっちり掴まれた手が嫌な予感しかしないんだけど……。


「アビちゃん先輩は作戦の中核なんですから、これから一緒に対策を練りましょう!そうしましょう!!」


「え、お断りしま――――」


「今度一緒に添い寝してあげますから!」


 なん……だと……!!


「作戦会議だろうが書類仕事だろうがなんなりとお申し付け下さい」


「なんか潔すぎやしませんか!?」


 ははは、美人でしかもエルフさんと添い寝できるならば仕事の百や二百どうということはない!


 オレ様はエルモの気が変わらないうちに、握られた手を逆にがっちり握り返してギルドへと向かうのだった。


「アビちゃん先輩! そっちじゃなくて逆ですよ、逆ー!!」


 おう?そりゃ失礼しました。



最近、妙に新サク〇大戦のOPにはまっているこの頃。

子供の頃に時代劇風のアニメの居合斬りをまねて傘をぶん回したら、すっぽ抜けて川にどんぶらこした思い出。


※PS〇2でレアドロUP系のもてる全てを投入したのにも関わらず☆14以下(最高☆15)しか出てこなかった深夜。



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[良い点] 添い寝……ええやん
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