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ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。  作者: 隣の斎藤さん。
第一章 ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。 

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第48話/下着+女の子×無防備=かわゆすぎる。

前回のあらすじ?


とりあえずリリベルちゃんの家にお泊り決定で宿無回避。



 リリベルちゃんが家に泊めてくれることになって夕食を楽しんだその後、マルメル姉妹とギルド前で別れてオレ様はリリベルちゃんと共に帰路についていた。


 外はすっかり暗くなっていたが、ぽつりぽつりとある薄暗い街灯が夜道を照らし、月明りで浮かび上がる古風な建物や石畳の印影と相まって元の世界では滅多に見られない幻想的な風景を作り出している。 


 まあもっとも、オレ様は吸血鬼という種族特性である”夜目”のおかげで不便なくはっきり見えるわけだが。


 しかし隣を歩くリリベルちゃんはそうもいかないようで、街灯の光が届かない暗い場所では割れた石畳の角に何度か足を取られ転びかけていた。


 見かねて夜目が利くことを教えて手を繋ごうかと提案すると、「わ、悪いわね。助かるわ」と素直に手を繋いでくれた。


 その温かみのある小さくほっそりとした手に包まれる感触を堪能しつつ、案内されるがまましばらく歩くとリリベルちゃんの家に到着。


「ちょっと鍵開けてくるわ」


 そう言って離された手にちょっと名残惜しさを感じていると、リリベルちゃんから入っていいわよと声をかけられたのでお邪魔します。


 中に入ると、外から見て暗かった室内が蝋燭のような柔らかい光に照らされていた。


 光源は壁にかけられたカンテラの中にある、淡く発光している大きめのガラス片。


 なんだこれ? 不思議だ。


「どうしたのよアビゲイル?そんなに発光石が珍しいわけ?」


「発光石?」  


 気になったのでリリベルちゃんに聞いてみると、どうやら錬金術で作る初歩的な照明道具らしい。


 なんか便利そうだし、あとで作り方を聞いておこう。


「それよか寝室は二階だから行くわよ」


「ほいほい」


 リリベルちゃんに促され後ろをついて歩くと、二階への階段を登り短い廊下を渡って一つの部屋のまえに行き着いた。


 ドアノブには小さな看板がぶら下がっていて、〈あたしの部屋〉と書かれている。


「今日はここで寝泊まりしていくといーのよ」


 いや、ここって寝室というよりリリベルちゃんの私室じゃあ?

 

 そんなオレ様の思いに気づく様子もなく、リリベルちゃんにつれられるがまま部屋の中へ入ってしまった。


「いま明かりつけるから。<明かりよ>(ライト)


 リリベルちゃんが言葉を発し壁際に手を向けると、備え付けられていたランタンがゆっくりと光を放ち部屋を十分に照らしていく。


「おお、すごいな」


「……なんか変なとこで感動してるわね。

 まあいいわ。いま体拭く道具持ってくるから、ソファーにでも座ってて待ってるといーわよ」


 そう言い残し、リリベルちゃんは尖り帽子を壁際にあるポールハンガーにかけて部屋を出ていってしまう。


 しかし体を拭くという事は、あまり水洗系の技術は発展してないのだろうか。


 まあ不便も異世界情緒ということで悪くはない。


 それに綺麗にするだけなら<洗浄>(ウォッシュ)の魔法もあるし、なんとでもなるからな。 


 さて、リリベルちゃんが戻ってくるまでどうしたもんか。


 とりあえずこのままでは手持ち無沙汰なので、リリベルちゃんの言葉に甘えて二人がけのソファーへと座ることにする。


 このソファー、木製の枠組みに明るい茶色の布地で見た目がめっちゃアンティークなんだけど、座ってみると低反発みたいな感触で心地がいい。


 ソファーの座り心地を楽しみながら部屋を見渡してみるが、うむ。なかなかいい趣味をしている。


 八畳くらいの広さの部屋に置かれているベッドやタンス、テーブルや本棚といった調度品は木製で質素ながらも凝った彫刻がされており、使い古された感じが味を出していて個人的に好みだ。


 それにしても女の子の部屋というのはなんでこう、ちょっと甘いようないい匂いがするのか。


 ほらこのソファーにあったクッションなんか、リリベルちゃんの香りがついてていい匂いですクンクン。


「お待たせ――――って、あにやってんのよあんたは……」 


 いかん。匂いに夢中になってたらいつの間にか戻って来たリリベルちゃんに目撃されてもーた。


 ここは一つ、なにか弁明をしなければ。


「リリベルちゃん、いい匂いがするぞ!」


「真顔で恥ずかしいこと言ってんじゃねーわよ!!」


 しまった。正直が口をついて出てしまい、リリベルちゃんにクッションを没収されてしまう。


「ほら! そんなことより夜も遅いんだから、体拭いてとっとと寝るわよ!」


 そう言って頬がほんのり赤いリリベルちゃんは、一人用くらいの大きさのテーブルに陶器っぽい材質で出来た白い桶を一つ置いた。


 桶の中をのぞき込むと、そこには白いフェイスタオルが二つと水色のピンポン玉サイズの石のようなものが入っているだけ。

 

 お湯もないのにどうするのだろうか?


 てなわけで素直に聞いてみる。


「リリベルちゃん、お湯がないしこの水色の石はどうする……ん、だ……」


 聞いてみようと桶からリリベルちゃんへと視線を移したその時、オレ様は目に飛び込んできた衝撃的な光景に思わず言葉を失ってしまう。


「ん? ああ、その石は浄化石って言って汚れた水を綺麗にするのよ。

 お湯は今出してあげるからちょっと待ってて欲しいーのよ」


 そう言いながらリリベルちゃんは、お腹までたくし上げていた白いワンピースをゆっくりと脱いでいく。


 そしてあらわになったあられもない下着姿に、オレ様の脳内に衝撃と高速の思考がほとばしる。


 ホワイ? なぜいきなり脱いだ? あ、体拭くためかいやでもオレ様の前だぞ男の前だぞ? あ、そうかオレ様絶賛ゲームキャラ(女の子)だったんだよなそれにしても肌が色白できれいで可愛いそういえば白と言えばリリベルちゃん下着は白でワンポイントに赤いリボンがついてるのか可愛いそれにしても胸は少々こぶりだけど腰のくびれから足のラインが綺麗だそして全体的にスタイルもいいしというかリリベルちゃん可愛い――――   

  

「あ、あによ? じーっとこっちみたりして。

 あんまり見られるとちょっと恥ずかしーのよ……」

    

 はっ! 思わず 目の前で起こった下着姿(奇跡)の光景に見とれてしまった。


 そして恥ずかしげな表情のリリベルちゃんもまたかわゆし。


 しかしあまり不信感を与えるのはよくないので、ここはちょっと誤魔化しておこう。


「リリベルちゃん」


「あによ?」 


 オレ様はできる限りの爽やかな笑顔を作り、右手をぐっとサムズアップさせ、


「内股のほくろがチャーミングー!」


「変なとこみてんじゃねーわよ!!」


 誤魔化すつもりが思わず出た本音に、リリベルちゃんの叫びと枕が飛んできたのだった。




お泊りシーンは一話で終わらせるはずだったのになぁ……。


可愛いから仕方ないよね?Σd




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