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ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。  作者: 隣の斎藤さん。
第一章 ネカマの吸血鬼が異世界転生しました。 

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第32話/一人カラオケでサビ熱唱してる時に、飲み物持った店員さんが来ると恥ずかしくなる心境。

作者は通勤が自転車なので、音楽聞きながら歌っている時があります。


限界突破×サバイバ○のサビ部分で、後ろから自転車に追い抜かれた行った時はちょっと気まずかったデス。




「ちょ、これ、なんでぇ!?二つともただの壊れた武器だったのに、なんでこんな良質な魔力剣ができるのぉ!?」


 店の奥から早足に出てきたココレアさんが、抱えている姉妹の武器とオレ様を交互に見ながらすごい剣幕で聞いてきた。


 なんだかとっても興奮していらっしゃるようで、教えてくれるまで逃がさないと目が訴えている。


「いや掛け合わせた武器の素材に魔鉄が含まれてたから、それが錬成した時にうまく作用したんだと思うけど」


 まあゲームの知識ではあるが、一応答えにはなってるとは思う。


「私ぃ、苦労してやっと魔力剣が打てるのに、錬成とはいえ、あんな簡単に出来るなんてぇ……」


 今度は急にしぼむように落ち込んでしまうココレアさん。


 これはもしかしなくても、Cグレードの武器まで錬成できます、なんてことは言わない方がいい気がする。


 姉妹に武器を渡し「これ、うちにある最高の武器と同じくらいのものだから、大事にした方がいいわよぉ」と言い残し、ふらふらした足取りで店の奥へと引っ込んでいってしまった。


 なぜだろう。気軽に錬成したはいいけど、なんか悪い事をしてしまった気がするのは。 


 店主が姿を見せなくなったので、とりあえずお邪魔しましたと挨拶だけ残して姉妹と一緒に外へ出ることに。


 そして外へ出た途端、後ろからマルガリーゼがオレ様の服の裾をちょんと引っ張ってきた。


「あ、あのアビゲイル。これ、ほんとに貰っていいの?」


振り向くと、長杖を胸に抱きながらなんか申し訳なさそう顔をしていた。


ほんと気にしなくていいんだけど。


でもそんな律儀なところもマルガリーゼもまた可愛いさである。


「大丈夫大丈夫。んー、でもそんなに気にするなら、体で返してもらえればいいかな?」


「え゛……」


冗談めかして言ってみたら、マルガリーゼの表情と身体がビキッと硬直する。


 あれ?本気にした?


 そんなマルガリーゼの肩に、後ろからメルナリーゼがそっと手を置き、


「姉さま、安心してください。私がいいお店を探してあげますから」


 まったく安心できない言葉でとどめをさしにきた。


「うええぇぇぇ……」


 ほんとに? ほんとに? みたいな表情で妹とオレ様を交互に見るマルガリーゼの顔に、段々と泣きが入っていく。


 あんまりやり過ぎるとマジ泣きしそうなので、ここでネタばらししておく。


「うそうそ。町の案内とか冒険者の仕事なんかを教えてもらえればそれでいいって」


「ほ、ほんと!?ほんとに!?変な店で猫耳つけて水着きたりしなくても大丈夫!?」


 いやなにそのマニアック。


「どこでそんなこと覚えたんだよ……」


「だ、だって、借金して払えないとそういうお店に連れてかれるってメルが言ってたもん!」


 必死なマルガリーゼの後ろで、メルナリーゼが口元に手で隠し、あらやだ、みたいな顔をしている。


 あとでちょっと話をする必要がありそうだ。


 ぜひその店を教えていただきたい。


「そんなことないから。ともかく武器は揃ったから、次はどこに行く?」


 よかったねぇ、とマルガリーゼの頭を撫でながら聞くとメルナリーゼが答えてくれた。


「そうですね。次は道具屋でしょうか。そこでアビゲイルさんの買い物もできるかと思いますよ」


「そうだな。それじゃあそこに行こうか」


「わ、私が案内するわ!」


 大人しく撫でられていたマルガリーゼがオレ様の手を引き、こっちよと先導してくれる。


 んー、ぷにぷにしてる小さな手が可愛らしい。


 そんなことを思いながら姉妹と一緒に道具屋へと向かうのだった。


=====


 住民区の雑貨通りにあるという道具屋での買い物は、案外早めに済ませることができた。


 姉妹に生活必需品や冒険に必要な物を教えてもらった後、特に見た目は気にせずに丈夫で長持ちしそうな物を中心に選んで買い揃えていった。


 まあオレ様の買った物を見た姉妹から、「もうちょっと可愛いのを選んでも……」なんて言われてしまったが。


 しかしファンタジーの道具屋というと、色々な物が雑多に置かれてるイメージがあったのだが。


 道具屋は"アシャンテの店"といい、その内装はコンビニにあるような棚が縦長に配置されていて、道具も種類ごとに分けて置かれていて見やすかった。


 そんな道具屋を後にして、いま向かっている先は回復アイテムや魔物避けの香水等がある"雑貨屋ベリー"という店。


 どっかで聞いたことあるなと思ったら、昨日広場で知り合ったリリベルちゃんの店なのを思い出した。


 しかしマルガリーゼ曰く、


「最近、錬金釜の調子が悪いとかで開店休業状態だったけど……」


 とのことらしいが、品質はいいし品物があるにはあるので、とりあえず顔見せの意味も込めて行ってみることになった。


 ちなみにリリベルちゃんと知り合いなのは教えていない。


 その方がなんだか面白そうだから。


「あそこが雑貨屋ベリーよ。今日はいればいいんだけど」


 しばらく簡素な木造住宅が続く道を歩いていると、マルガリーゼが指す方向に箒と花瓶のようなものが描かれた看板を下げる二階建ての建物が見えた。


 建物の前に着くと"開いてるわ!"という札がかけられているドアノブを捻り、姉妹と一緒に中へと入った。


 お邪魔しまーす、と声をかけてみるも、部屋の中は静かで人がいるような気配はない。


 姉妹と一緒にカウンターらしき場所を覗いても誰もいなかった。


「留守だったり?」


「んー、留守なら表の札が"閉めてるわ!"になってる筈なんだけど」


 姉妹と出直そうかと話していると、なにやら鼻歌のようなものが小さく聞こえてくる。


 どこだろうと歌が聞こえてくる方を探していたら、部屋の奥に棚で隠れていた二階へと続く階段を見つけた。


 階段の側へ行ってみると、両手に木箱を持ったリリベルがちょうど階段を降りてきているところだった。


「あったしは可っ愛い薬屋さ~ん♪今日もいい出来、わっほいわっほい♪」


 下にいるオレ様達に気づいていないようで、歌を口ずさみがらトントンとリズムよく降りてくる。


「どっんな薬もおっ手のもの~♪そっんなあったしはリッリベルちゃ~ん♪いえ~い♪」


「いえーい♪」


「!!?」


 ちょうどよく階段を降りきったリリベルちゃんへ最後の掛け声を返してみたら、バッとものすごい勢いでこっちを振り向いて固まった。


『…………』


 しばし見つめ合っていると、リリベルちゃんが顔を赤くしたり青くしたりした後、まるで逆再生のように階段を後ろ向きのまま上って行ってしまった。


器用だな。


 姉妹と顔を見合わせて一体どうしたんだろうと思っていると、再びリリベルちゃんが階段を降りて来て、


「あら? 下で物音がしたと思ったら知ってる顔がいるじゃないの」


 やり直した! さっきのをなかったことにしてやり直したよこの子!!


 今気づいたと言わんばかりにしれっと話しかけてくるが、オレ様は見逃さない。


 ちょっと荷物置いてくるから待ってて、と目の前を通り過ぎるリリベルちゃんの目がめちゃくちゃ泳ぎまくっていたのを。 


 姉妹は空気を読んで黙ってたが、オレ様はちょっと悪戯心が沸いたので、


「あったしは可っ愛い薬屋さ~ん♪」


ガチャガッチャン!!


 声真似して歌ってみると、騒がしい物音が奥から響いてきたのだった。 



実はリリベルちゃんのとこに行くまでは、プロットでは鍛冶屋をモブで済ませていたのですが気づいたらキャラをあてていた不思議。


面白そう?と思ったら脊椎反射で書いています。


こうした方が面白そうとか、自分の考えたおもしろキャラがいたら是非作者に教えて頂けたら幸いですよ!!


ブクマや評価等もよろしくお願いします!!



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