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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第9章~日常の変化~

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見守る聖奈~寝込んだ澄人~

草凪聖奈視点での物語になります。

澄人がはざまの世界を脱出しました。

《聖奈、もうお兄さんから目を離しちゃだめよ? 必ず話をするのよ》


「わかっているよ。だからこうして見守っているでしょう?」


 私は頭の中に響く声に返事をしながら、布団で眠っているお兄ちゃんの寝顔をじっと見つめている。


 異界のさらに奥の世界に行けるゲートを見つけられたのは、この声が私を導いてくれたおかげだ。


 この声の主は聖さんというらしく、おじいちゃんから貰った矛の力を解放してから語りかけてくるようになった。


 お兄ちゃんを救えたのもこの声のおかげで、異界とは違う【はざまの世界】という所へ行けるゲートの探し方を教えてくれた。


(夏さんの鏡でゲートを探して、香さんの勾玉で瘴気から身を守るなんて考えもつかないよ)


 そうしてゲートを見つけた後、私はすぐにそのゲートに飛び込んだ。


(入った瞬間にお兄ちゃんが黒い根っこにぐるぐる巻きにされていたのは驚いたけど)


 お兄ちゃんを助け出した後は香さんや夏さんに援護してもらいながら、何とか無事に帰ってこれた。


 草根高校に着くと、お兄ちゃんはその場で倒れて意識を失ってしまった。


(限界を超えてまで、はざまの世界で何をしていたんだろう……すごいなお兄ちゃん)


 はざまの世界の空気は数分しか滞在していない私でも、相当応えた。


 眩暈や脱力感に襲われ、この矛がなかったらとてもじゃないけれど耐えられなかったと思う。


 それなのに半日以上あそこで戦っていたお兄ちゃんは凄すぎる。


(堪えるコツがあるって言っていたけど、教えてくれるかな?)


 規則正しく聞こえるお兄ちゃんの寝息に耳を傾けつつそんなことを考えていたら、唇が気になった。


 周りには誰もおらず、見ている人もいない。


(ちょっと触れるだけだから……ご褒美をもらってもいいよね……)


 お兄ちゃんの顔を覗き込むように身を乗り出して、あと数センチで触れそうになったその時——


「せーなー、なにしてんの」


 突然背後から聞こえてきた声に驚き、伸ばしかけていた手を慌てて引っ込めた。


 驚いて振り向くとそこには目を細めて睨んでいる香さんの姿があった。


 どうしようかと考えているうちに近づいてきた香さんは私の横に座る。


「えっと……」


 何を言えばいいのか分からず口籠ってしまう私を見て香さんが小さくため息をつく。


「まったく、寝込みを襲おうとするなんて卑怯よ。キスしようとしていたでしょう?」


 図星だった私は何も言い返せず俯いたまま黙り込んでしまう。


 すると香さんは再び小さくため息をついてお兄ちゃんの髪をなでる。


「いつまで寝ているのかしらね、この子は……本当に困った子なんだから」


 まるで母親のような口調で言う香さんの横顔を見つめていると視線を感じたのかこちらを見る。


 そして呆れたような表情を浮かべると再びお兄ちゃんの方へと向き直ってしまった。


 しばらく沈黙が続き居心地の悪さを感じ始めた頃、不意に香さんが口を開く。


「聖奈、日本ハンター協会の会長から招集がかかっているわ」


「え? 招集? 私にですか?」


「草根市にいる全ハンター対象よ……澄人がこんな調子だから、あなたは残っていて」


 香さんは名残惜しそうにお兄ちゃんを見てから立ち上がり、部屋を出ていく。


 最後に扉から顔を覗かせて、まだ布団の上で横になっているお兄ちゃんを見ながら告げてきた。


「聖奈、抜け駆けは禁止よ」


「わかりました」


「信じているから、澄人を頼むわね。何かあったら連絡するわ」


 真剣な眼差しでそう言った香さんは部屋の外へ出ていき、足音が遠ざかっていく。


 完全に足音が聞こえなくなると、私は自分の心臓が高鳴っていたことにようやく気が付いた。


(キスしようとしているところを香さんに見られちゃった!)


 さっきのことを思い返してみると恥ずかしくなり、手で顔を覆って足をばたつかせる。


 それはそうとして、全ハンターが招集される話も気になる。


(何があったんだろう?)


 お兄ちゃんのそばを離れるわけにもいかず、スマホではなんの情報も得られない。


 お兄ちゃんの頭を撫でながら考えていると、お兄ちゃんのスマホが目に入った。


 震えては止まりを繰り返すお兄ちゃんのスマホを手に取り、メッセージが何十件も来ている。


「わっ!? 電話だ……けびんって読むのかな? どうしよう……」


 画面を見ると英語の名前が表示されており、少しだけ悩んだ後に通話ボタンを押した。


「Sumito!! I'm glad I got the call!!」


 耳にスマホを当てた瞬間、男性の声が英語が響き、思わず落としてしまうところだった。


 お兄ちゃんの知り合いなのかと困惑していると、さらに英語で会話が始まった。


(あぁ、これはダメだ)


 聞こえてくる内容が全く理解できず、何も言うことができない。


 自分のスマホで伝えたい言葉を翻訳し、相手の言葉が止まった時に口を開く。


「アイムセナ。ノットスミト。アイドントスピークイングリッシュ」


「oh……」


 私が拙いながらも日本語で伝えると、相手も諦めたようで言葉が止まる。


 これで終わりかと思っていたら、コホンと咳払いが聞こえてきた。


「聖奈さん? こえなら大丈夫かな?」


「は、はい! 聞き取れます!」


 日本語が聞けてこんなに嬉しいと思っていると、男性がほっとしたようにため息をついた。


「よかった。初めまして聖奈さん、私はケビン・マクニール。世界ハンター協会の役員をしている」


 自己紹介をしてくれたケビンさんは、渋くてダンディーな声をした人だった。


 おそらく私よりもだいぶ年上だと思うので、敬語で返事をする。


「はじめまして、草凪聖奈です」


「ああ、きみが聖奈さんだね。澄人から話は聞いているよ」


 お兄ちゃんとは親しい人なのか、ケビンさんは穏やかな声で語り掛けてくれた。


「澄人は電話に出られないのか?」


「はい、今は過労で眠っています」


 ケビンさんは急に声のトーンを落とし、重苦しい雰囲気を出し始める。


 電話越しにでもわかるほどに空気が張り詰めた。


「世界中で黒い植物が都市を侵食している……彼から何か聞いていないか?」


「黒い……植物……」


「そうだ。私の部下たちとハンターがその植物を排除しているのだが、一向に減らない。むしろ増えている気さえする」


 私は黒い植物をはざまの世界で見たことを思い出す。


 あれが世界中に広がっていて、今もなお成長を続けているのだとしたら大変なことになる。


「ケビンさん、私でもなんとかできるかもしれません」


「本当か!? 何か知っているのか!?」


「はい、はざまの世界というところで見ました。その植物を消す方法を知っています」


 私がそう話すと、ケビンさんはしばらく無言になってしまった。


「聖奈さん、すまないが詳しい話を聞かせてくれないか? できれば、対応を頼みたいんだ!」


「えっと……今はおに……兄が目を覚まさないので……家を出るのはちょっと……」


「世界中が混乱しているんだ! 頼む! 澄人が寝ている今、きみだけが頼りなんだ!」


 お兄ちゃんが眠っていることを伝え、家を出ることはできないと説明した。


 しかし、それでも食い下がられてしまい、ずっと眠っているお兄ちゃんを見て、少しなら空けても大丈夫だと判断する。


「行きます。私が黒い植物を対応する場所を教えてください」


「助かるよ……ありがとう」


 ケビンさんから聞いた場所は、草根市から車で一時間ほどの所にある【空港】だった。

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