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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第9章~日常の変化~

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結果確認~突撃草凪聖奈!~

聖奈が澄人の持っていたDNA結果用紙を手に取ります。

「待ってよ、お兄ちゃん! ……もう!!」


 お兄ちゃんは私の引き留める声を聞いたはずなのにいなくなった。


 直前までお兄ちゃんのいた場所を睨んでいると、机からひらひらと紙が落ちた。


 それを拾い上げて目を通すと、私が想像していなかったことが書いてあった。


「血縁なし? これ……なんで……本当なの?」


 紙には私とお兄ちゃんの血縁関係がないことが記されていた。


 どうしてこの紙をお兄ちゃんが持っているのかわからないが、それよりも大きな問題が発生した。


「も、もしもだよ……このことを受け入れたとしたら……」


 目の前にある物が信じられず、それ以上の言葉を口に出すことができない。


 もし書かれている内容が事実ならば、私は——。


「ど、どうしよう……お、おおお……お兄ちゃん……違うんだっけ……でも澄人さんなんて……」


 混乱した思考が纏まらず、手近にあったお兄ちゃんの布団へ倒れ込んだ。


 ぼふっという音とともに体が沈むのだが、頭の中がぐるぐるして何も考えられない。


「お、おにい……ちゃ……ん……」


 小さな時から私が守らなくてはいけないと思っていたお兄ちゃん。


 いつの間にか私よりも強くなってしまっていたけれど、それでもそばに居続けたいと思ってい

た。


「妹の私じゃあ無理だと思っていたけど……これが本当なら……」


 お兄ちゃんが望んでくれるのであれば、妹でなくなったとしても一緒にいることができるかもしれない。


 そんなことを考えていたとき、ポケットに入っているスマホが震えた。


 仰向けになってからスマホを開くと、メッセージアプリの通知を知らせるマークが表示されている。


まゆまゆ【聖奈、澄人くんにこの後どうすればいいのか聞けた?】

SENA【聞けてない。それよりこれ見て】


 真友から送られてきたメッセージへ返信すると同時に、私の持っている紙を撮影して送信したところ、すぐ既読がついた。


 それから返事が来るまでの時間がとても長く感じる。


 スマホを胸に押さえつけるように両手で持ち、まだかまだかと返信を待つ。


(うぅ〜……真友の返信がまだこないかぁ)


 2分ほど経過しても既読の文字が付くだけで返事がない。


 そのことに焦りを覚えてしまいそうになりながら待ち続けている時だった。


まゆまゆ【これ本当なの? あなたたち双子じゃなかったわけ? 誰かに相談した?】


SENA【私も今見てどうすればいいのか悩んでいるところ、誰に相談すればいいと思う?】


まゆまゆ【うーん……】


 私も真友のメッセージと同じように唸ってしまい、文字を打つ指が止まる。


 考えている間にお兄ちゃんの布団の上でうつ伏せになり、足をパタパタとさせた。


 短いメッセージの後でしばらく間があり、また新たに送られてきた。


まゆまゆ【やっぱり、ギルドマスターじゃないかな?】


「香さんかー、なんかライバルっぽいんだよね……」


 送られてきたメッセージを読みながら思わずつぶやいてしまった。


 私はお兄ちゃんにふさわしい人を探していたため、香さんのこともよく観察していた。


 お兄ちゃんと全力で戦った後から、少し距離を縮めようとしているような気がする。


(今の私にとっては一番の敵かも……これを見せて直接確かめてみようかな……)


 納得するように上半身を起こし、真友へ返信をしようとしたら追加のメッセージを受信してしまった。


Arabella【スミトの恋人になるのは私だよ】


 真友とやり取りをしていたはずなのにアラベラからもメッセージが同じ画面に出てきた。


(……え? なんでアラベラから? あっ!? これミス研グループの方だ!!)


 真友からのメッセージは異界についてお兄ちゃんへ聞けたかというものだったので、みんなが見れるようにグループチャットを使っていた。


 既読もミス研の部員全員が付けており、私と真友のやり取りが全員に筒抜けになっている。


「まー……一部が知るよりもいいかな?」


 個別に説明をする手間が省けてこれでよかったと思いつつ、私はそっとスマホの電源を切った。


 アラベラとは明日直接話をすることにして、今は香さんと話をつける必要がある。


 お兄ちゃんの検査結果が書かれている紙を持ち、香さんを探すために立ち上がった。


(香さん帰ってきていたかな?)


 お兄ちゃんの部屋から出て居間へ向かうと、話声が聞こえてきた。


 耳を澄ませて聞いてみると、香さんが電話で誰かと話しているらしい。


 私は足を止め、壁にもたれかかるようにして電話の内容を聞き取ろうとしてみた。


「それ本当なの? 澄人が正純さまと血が繋がっていないって」


 香さんが誰かからお兄ちゃんのことを電話で報告をされているようだ。


「いくらヘレンの言うことだからってにわかに信じられないわ」


 香さんが電話相手であるヘレンさんに疑っているような声を出し始めた。


 行くならこのタイミングしかないと思い、私は居間へ身を滑らすように入っていく。


 私が急に入ってきて目が点になった香さんへ、検査結果を差し出す。


「……今、聖奈が紙を見せてくれたわ、疑ってごめん。一旦切るわね」


 私が持っている用紙を受け取り、目を通した後に顔を上げた。


 香さんは私の顔を見つめ、何か言いたげにしているけれど、口を開いたことで言葉を発することはなかった。


 何かを言おうとして言葉が見つからない香さんを見て、私は笑顔で宣言をする。


「もう香さんにお兄ちゃんを譲ろうとなんて思いませんから」


「ちょっと待っ……」


 それだけ言って部屋を出ていこうとしたのだが、なぜか私の手を握られた。


 驚いて振り返ると、顔を真っ赤にして視線を合わせようとしない香さんの姿が映る。


「なんで私が澄人を好きっていう前提で話してるのよ!!」


「あれ? 違うんですか? だから本気で戦ったと思ったんですけど……」


「えっと……それは……その……あれよ……」


 香さんが私の予想していなかった反応を見せたので、意地悪をしてみる。


「自分よりも強くないと好きになれないんですよね?」


「誰から!? あんまりはっきり言わないでよ……」


 私より身長が高いはずの香さんが子どものように見えてしまい、笑いながら手を振り払った。


「私はお兄ちゃんのことが大好きです。踏み込めなかった香さんには負けませんから」


 それだけを言い放って廊下に出た私は、香さんから見えないようにガッツポーズをした。


(お兄ちゃんと血が繋がっていなければ私にもチャンスがある)


 明日から積極的にお兄ちゃんのそばにいたとしても誰も文句を言う人はいない。


 むしろ、私がずっと望んでいたことだった。


(計画を立てないと! 今度はちゃんと個人メッセージで真友に相談ね!)


 今後の計画を練るために自分の部屋に戻り、ベッドに寝転がってからスマホの電源を入れる。


 すると、【99+】と見たこともないような件数の通知が届いていた。

ご覧いただきありがとうございました。

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これからもよろしくお願いします。

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