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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第8章~未来のために~

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異界の異変解決①~サラン森林の先端へ~

澄人がサラン森林の異変を解明するために異界へ突入しました。

「建設は順調みたいだな……」


 異界での観測所建設を眺めるように座った俺は、順調に進んでいることに少しだけ疑問を持った。


 作業員の人たちが作業を進めているのを見ながら顎を手でなでる。


「地球で発生したレッドラインを潰しても、異界には関係ないのか」


 異界で結界石を使った結果は地球へ反映されるのに、境界が消えても結界は消えないらしい。


(消えていたら面倒なことになっているんだけどね……)


 サラン森林の侵食を止める前に、一年生Gのみんながどうなっているのか心配になる。


(一年生Gが集まるからって、サプライズで面接ってやっていいものなのか?)


 異界へ来る直前に聖奈と電話をした際、集まっているから丁度良いという話になったらしく、急遽面接をすることになったという。


 聖奈の横にいるお姉ちゃんが決めたというので電話を替わってもらい、急だと流石に可哀そうだと言ったところ、俺のせいでギルドの活動もできなくなったと言われて黙るしかなかった。


 そのため、今頃バーガーショップ草地ではお姉ちゃんたちによるギルドの加入試験が行われているだろう。


 みんなが何を求めて清澄ギルドへ入ろうとしているのかは不明だが、俺のやることに影響はない。


(まぁいいや! みんなにはみんなの目的、俺には俺の目的がある!)


 立ち上がってから埃を払い、ワープ画面を表示した。


 異界ミッションや勾玉の前にサラン森林が広がっている謎を解明したい。


(よし! いざマルタ大陸へ!)


 前回、森を守護するガーディアンオーガと戦った地点へ移動するためにワープを行った。


「森が再生しているな……神の一太刀がなかったみたいになってる」


 俺がワープすると森の中へ出てしまい、アーミーアントを踏みつけながら木を昇る。


 これを見ると、どれだけ森を削っても根本的な問題の解決にはならないことがわかる。


(サラン森林が動く理由も主もわからないんじゃ手の施しようがないんだけどね……)


 ただこのまま放っておくこともできないため、できる限りの調査をしなければいけない。


(こんなにでかい森が動いているんだから絶対に何かあるんだ——おっ!?)


 永遠の闇で姿を隠しながら一時間ほど探索を続けていると、視界の端でアーミーアントが行進していた。


 普段は土に隠れたまま動かないアーミーアントの行軍を見つけたため、急いでそちらへ向かう。


(すごい長い列になっている……あの時と一緒だ!!)


 アーミーアントが地上に出て押し寄せる場面に俺は遭遇したことがある。


 それは、グリーンランド近くの海底から陸地を目指していたアーミーアントの集団だ。


 長く続くこの列の先では、グリーンランドの時と同じように新しい土地へ侵略しようとしている可能性が高い。


(侵攻を止めたときの森の変化を見ることができなかったから、今回は観測させてもらうぞ!!)


 森の中を真っすぐに進むアーミーアントを空から追い越し、その先端を目指す。


 森の上を飛んでいると、明らかに海の上へ森が広がっており、戦慄を覚える。


(俺たちの境界があるライコ大陸、開拓者がいるマルタ大陸……この先にも?)


 異常な森の広がり方を直視したが、同時にこの先に俺の知らない大陸があると考える方が自然な気がしてきた。


 地図上では何の表記もなく、本当に大陸があるのかわからない。


 どれだけ知りたくても、今はアーミーアントの集団をなぞるように全力で飛ぶことしか俺にはできなかった。


「見えた!! 大陸だ!!!!」


 俺が全速力で飛んでいると、一〇〇メートルはある岩肌の壁がそびえ立っており、カラフルな木々が海から上を目指すように伸びている。


 森の先端は完全に第三大陸へ侵入していて、アーミーアントもその先を目指していた。


(ここは……クワホー大陸……人がいる!!??)


 地図機能で大陸の名前を確認していると、アーミーアントと戦っている集団を雷が察知した。


 人の反応があるため、慌てて俺もクワホー大陸に上陸するために雷の翼をはためかせる。


「メディック!! メディック!! アタッカーをやられた!! こいつら倒しても倒してもきりがない!!」


 装備を見ると、明らかに地球のハンターらしき集団が続々と表れているアーミーアントと応戦していた。


 しかも戦況は劣勢で、戦っている人の表情には極度の疲労が見られる。


(能力的には圧倒的にハンターさんたちの方が上だけど、物量が違いすぎる)


 戦っている人たちはアーミーアントが無限の如く連なっているのを知らない。


 いつまで続くかわからない戦いに熱中できるほど人の心は強くないため、俺が最初にやることが決まった。


(まずは後続を断ち切る)


 救世主と騒がれるのを防ぐため、いつもの黒いコートに身を包んでから闇を解除する。


 上空で魔力を滾らせ、海から伸びている森を焼却するためにフィノを召喚した。


「フィノ!! 森をモンスターごと燃やし尽くせ!!」


『全力でいくよ!!』


 フィノが気合のこもった声を出した後、炎が龍となっていくつも火球を撃ち出す。


 一瞬にしてアーミーアントの大群を飲み込んだ火球はそのまま海中へ落ちていき、海の上にある森が蒸発していく。


 岩肌に張り付く森を焼き尽くしたフィノは、海の上にある森の上を飛びながら次々と火球を繰り出した。


『ギッ——』


 俺の存在に気づいたアーミーアントたちは即座に戦闘態勢へ入り、空にいるこちらを睨みつける。


「今のうちに避難を!! 俺がこいつらを倒します!!」


 相手がどの言語を使うのかわからないため、翻訳機能で全言語に対応しながら逃げるように指示を出した。


 ハンターたちからの返答はなかったが、全員が撤退を始めてくれた。


 アーミーアントをすべて掃討してからすぐに地図機能を表示し、ほとんどがサラン森林となっているマルタ大陸を映す。


(さて、どこに変化がでるかな?)


 侵略が止まったことと、海の上に張り巡らせた森が消えたことで何かしらの【動き】があるはずだ。


 そう考えながらマップを拡大していくと、サラン森林がモンスターを示す赤色になっていることに驚愕した。


(なんだこれ!? 全部赤く染まっているぞ!? さっきまでは緑だったのに!?)

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