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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第8章~未来のために~

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戦いの結果⑨~二つ名ハンター【救世主】草凪澄人~

澄人が二つ名ハンターになりました。

 境界適応症の治療法を無料で公開したことや、モンスターが占拠していたオーストラリアの解放。


 さらに、レッドラインに入ったまま行方不明になっていたハンターを連れ帰ってきたことなど。


 俺のやってきたことを口にするじいちゃんの言葉に周りにいる人たちが感心するようにうなずいており、気恥ずかしくなってしまう。


 話を聞いている最中、じいちゃんの周りにいる人たちが世界ハンター会議に出席していた役員であることがわかった。


「二つ名になった澄人にはハンター協会に加盟している国から直接依頼が来ることになる」


 俺が黙って話を聞いていたら、最後にじいちゃんがとんでもないことを言い出した。


「じいちゃんなら知っていると思うけど、俺はやりたいことがたくさんあるんだ」


「わかっておる。だが、澄人の力が必要なことも数えきれないほどあるんじゃ……」


 俺が困っているのをわかっているのか、じいちゃんは少し申し訳なさそうに眉を下げる。


 その反応を見て、ようやく俺の中で合点がいく。


(そういうことか……だから、みんなこんなに緊張しているのか)


 俺が依頼について否定的な態度を取ると、周りの人たちの表情が固くなった。


 おそらく、俺が依頼について了承したら話を持ち掛けてくるつもりなのだろう。


「俺が断ったらどうするつもりなの?」


「……澄人、頼む」


 じいちゃんが深く頭を下げて懇願してくる。


 周りの人たちも同じように頭を下げており、俺の返事を待っていた。


「……わかりました。依頼を受けましょう」


「本当か!! 澄人!!」


 俺は世界ハンター協会からの依頼を引き受けることにした。


 顔を上げたじいちゃんが満面の笑みを浮かべ、目に涙まで溜めている。


 そこまで喜ぶとは思っていなかったので、俺は苦笑いをするしかない。


「ただ、無制限には引き受けないよ」


「それは当然だ。無理強いはしない。澄人にしかできない依頼を優先的に回させてもらう」


「一か月に一つ。それ以上は俺の日程と相談で」


「……二つにならんか?」


「なると思う?」


 じいちゃんは残念そうな顔をして、俺から視線を外す。


 俺はじいちゃんとの話に一区切りついたため、周りに座る人たちへ視線を向けた。


「それで、あなた達はどういったご用件でしょうか?」


「我々は世界ハンター協会の役員で、国からの依頼を託されている」


 俺の問いかけに、じいちゃんの横に座っている男性が口を開き始めた。


 その男性は金髪で目が青く、身長が高く痩せ型に見えるが筋肉質な体つきをしている。


 他の人たちの紹介を始め、全員が役員であることがわかった。


「私はケビン・マクニールです。まずは、二つ名の授与おめでとうございます。また、依頼を引き受けていただき感謝いたします」


 ケビンさんの言葉で室内の空気が変わり、先程までの緩んでいた雰囲気が消えていく。


 それを確認したケビンさんが真剣な眼差しになり、俺を見つめた。


「澄人さんにはこれから、我々が託されている依頼について聞いていただきたいと——」


「あ、そういうの結構です。文章にまとめてメールか書面でお願いします」


 長々と各国の依頼について長々と説明されそうだったので、俺は途中で話を遮った。


 じいちゃんを含め、この場にいる全員が大きく目を開いて驚いており、話をしていたケビンさんに至っては額に汗を流し始めている。


「し、しかし、それでは依頼の説明や今の現況を詳しくお伝えできません」


「え? 要点をまとめることもできないんですか?」


「そ、そんなことはありませんが……」


 俺はケビンさんがなぜここまで直接伝えることに対して必死になっているのか理解できず、首を傾げてしまう。


 じいちゃんの方を見ると、腕を組んで目を閉じており、関与しないように振舞っていた。


(いつもこんな感じなのか?)


 俺はそう判断すると、これ以上時間を使うのも無駄だと思い始める。


「じゃあ、俺への依頼は清澄ギルドまでお願いします。それでは」


 これ以上話がないと判断し、俺は立ち上がって居間を出ようとした。


「待ってください! ジェイソン・ホワイトの治療をお願いします!!」


 そう訴えるように言ってきた女性が俺を呼び止め、ジェイソンさんの治療を要求してくる。


「彼が活動できなければ我が国はモンスターで溢れかえってしまいます!!」


 女性は声を荒らげると、目に涙を浮かべながら訴えてきた。


 その姿を見て、面倒だなと思い始め、大きなため息が出そうになる。


「具体的にどこを治療しなければならないのか説明をお願いします」


「そ、それは……」


 俺が具体的な箇所を聞くと、女性の歯切れが悪くなり、言葉を詰まらせる。


(まあ、答えられないよな。無能力になりましたなんてこの人たちの前で言えるわけがない)


 予想通り、女性は何も言わずにうつむき黙ってしまった。


 覇王ジェイソン・ホワイトが無能力者になったことが露見してしまうのを恐れているのだろう。


「依頼の詳細は文章で提出を。失礼します」


「あっ……」


 ジェイソンさんのハンターとしての能力は既に使ってしまったため、俺にはどうすることもできない。


 依頼を受けることはないだろうと思いつつ、居間を後にした。


「さて、どこへ行こうかな……」


 このまま家にいると面倒なことになりそうなので、どこかへ行くことにする。


 そんなタイミングでスマホが震えたため、取り出して画面を確認すると、聖奈からメッセージが届いていた。


【もう家に帰ってもよさそう?】


 話が終わったことを伝えるために返信をしようと思ったが、俺は文字を打つ指を止める。


 よく考えたらあの役員の人たちがまだ帰っていなかったら、聖奈へ余計なことを吹き込まれそうだ。


【まだ役員が中にいるから、帰らない方がいいと思う】


 俺は聖奈にそう送ると、すぐに返信が送られてくる。


【香さんたちは今日アジトで寝るらしいから、私もそうするよ。お兄ちゃんはどうする?】


「なるほど」


 お姉ちゃんたちはすでに今日家に帰れないと判断しており、アジトで宿泊をするようだ。


 俺は聖奈に返事をする前に電話をかけるために連絡帳のアプリを開いた。

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