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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第8章~未来のために~

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臨時世界ハンター会議⑥~夏澄への依頼~

澄人か夏澄へ頼みごとをしようとしております。

「どうかしました?」


「いえ、澄人さまが私に聞きたいことがあると、香さんから——」


 とても嬉しそうにしている夏さんの言葉を聞き、俺は先に用件を伝えることにした。


 靴を履いたまま夏さんと向き合い、目を見つめながら頼みごとをする。


「実は夏さんに調べてもらいたいことがありまして……」


「はい! お任せください!! なんでも調べます!!」


 目を輝かせながら胸を張る夏さんは、両手を握りしめながら鼻息を荒くしている。


(こんなに喜んでくれるとは思わなかった……)


「えっとですね……探し物なんですけど……」


 俺は異界ミッション6を達成することで獲得した、【神気創造】のスキルで【勾玉】を作りたい。


 そのために【岩石の巨兵核】が必要だと、スキルが教えてくれた。


 確保するためにチュートリアルへ境界に入ったものの、守護者の件があって探すことができず、再度入ったときにはチュートリアル境界という表示さえされなくなったため、巨兵核を入手する方法がわからない状態だ。


「——というわけなので、岩石の巨兵核を手に入れたいのですが……」


 俺はそこまで説明して、夏さんの反応をうかがう。


 すると、夏さんは俺の話を聞いている途中から、眉間にシワを寄せていた。


「澄人さま、お探しの物は【岩石の巨兵核】で間違いないんですね?」


「そうですけど……」


 念押しをするように俺が探しているものを聞いてくる夏さんの表情が険しい。


 あまり俺へ向けないような表情のため、入手が困難なものなのかと不安になる。


(夏さんが知らない素材だとしたらどうしようかな……)


 俺は他に心当たりがないかどうか記憶を探るが、特に思いつかない。


 そもそも、岩石の巨兵の情報があまりないためだ。


「夏、難しいの?」


 俺と夏さんが難しい顔をして黙っていたら、お姉ちゃんが後ろから話しかけてきた。


 その質問に対して、夏さんは俺へ視線を移して何かを考えている。


「そういうわけでは……澄人さま、本気で探されているんですよね?」


「えっ!?」


 俺は夏さんから予想もしていなかった質問をされたため、素っ頓狂な声を上げてしまう。


「本気です。全然見つからないので、夏さんに探してほしいんです」


「…………」


 真顔になった夏さんが俺の目を見てじっと見つめてくる。


 その視線は思わず身を引いてしまうほど迫力があった。


 お姉ちゃんもその様子を見て、何も言わずにじっと様子をうかがっていた。


「澄人さま、靴を履いたまま中庭へ向かっていただけますか?」


「中庭へ? ……わかりました」(なんだろう??)


 なぜそんなところへ行くのか理由が分からないまま、俺は脱ぎ掛けた靴を履いて外へ向かう。


 すると、夏さんが俺の横に並び、腕を組んできた。


「え? あの……」


「足元が悪いので掴まらせていただけますか?」


「そういうことなら」


 夏さんは俺の返事を聞くと、満足そうに微笑み、俺の腕をしっかりとホールドする。


(あれ? なんで腕を組む必要が?? まぁいいか)


 軽く手を添えるだけでもいいと疑問に思ったが、今は急いでいるため、気にしないことにする。


 そのまま2人で進もうとしたとき、突然目の前へ【警告】と書かれた画面が表示された。


【警告】

【水上 夏澄】に思考・心理を分析されております

 抵抗するには魔力が【3,000】必要です


(夏さんが俺へ? なんでこんなことを……)


 ハッとして夏さんへ視線を向けると目が合い、気まずそうに視線を落とす。


 夏さんに敵意がないことはわかっているので、俺は何事もなかったかのように前を向いて歩き出すことにした。


「どうしました? 中庭へ向かいましょう」


「はい!」


 夏さんはとても元気よく返事をして、足取り軽やかに歩いていく。


 そして、なぜか嬉しそうな表情をしているように見えた。


 中庭に到着するなり、夏さんが真剣なまなざしで周囲を見渡している。


「夏さん、中庭にきてどうするんですか?」


「えーっと……どれだったかな……」


 夏さんは目を凝らして何かを探しているようだったが、目的の物が見つからなかったようで首を傾げながら考え込んでいる。


「夏、もしかしてだけど【あの大きな岩】を探しているの?」


「そうです。確か【あれ】が澄人さまの探しているものだと思うんですが……」


「あれは……どこに置いたのかしら?」


 いつの間にか近くに来ていたお姉ちゃんが夏さんと同じように庭を見回していた。


「それってどんな物ですか?」


 俺はお姉ちゃんの言う【あれ】が何なのかわからなかったので、詳細を聞く。


 すると、夏さんが俺の方を見て答えてくれた。


「一年ほど前に澄人さまが聖奈ちゃんと入った境界から持ち帰ってきた岩が探しているものだと思うのですが……どこへ置いたのか覚えていないんですよね……」


「…………あの無駄に大きくて硬い岩が? 確かに!!」


 夏さんに言われて、初めてチュートリアル境界から帰ってきたときのことを思い出した。


 あの時、草薙の剣ばかりに気を取られていたが、岩石の巨兵を倒した功績として【核】も入手していたはずだ。


 アイテムボックスから出した後、使い方に困って庭に放置したことも一緒に思い出す。


「それなら俺は庭に放置したはずの物を夏さんに探してもらおうとしてしまったんですね……」


 非常に深刻な顔をして夏さんへ頼んでしまったのが申し訳なく思えてきた。


「いえ! 澄人さまの頼みです!! 全力で探します!! ……澄人さまが本気で探しているのを疑ってしまったので」


 俺が謝ると、夏さんが両手を振り上げてやる気に満ちた声を上げる。


 最後は後ろを向いてつぶやくように言っていたが、聞こえないふりをして俺も庭の岩をくまなく見た。


(俺が本気かどうかわからなかったから思考分析を夏さんが使ったのか)


 夏さんの行動に納得しながら、中庭に置いたはずの巨兵核を探したが見つけられない。


「う〜ん……」


「…………」


 お姉ちゃんと夏さんが無言で探している中、俺は少し離れた所にある池の近くまで移動して周囲を見渡す。

ご覧いただきありがとうございました。

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