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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第6章~キング級ハンター草凪澄人侵略開始~

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国際ハンター会議へ⑪~国際ハンター会議~

国際ハンター会議が始まりました。

お楽しみいただければ幸いです。

『これより国際ハンター会議を始める』


 イヤホンから流れる音声は勝手に翻訳されて認識できる。


 声を出したのは、はるか前方にある壇上の中央に座る白髪の男性で、その両サイドに国際ハンター協会の役員と思われる人物たちが座っていた。


 招待されたとはいえ、二つ名が付いていない俺の席は末端に用意されており、完全に会議からは蚊帳の外だ。


 同じギルドなのでソニアさんたちと一緒に座れるかもという淡い期待は裏切られた。


 何も説明がないまま座った席には他の人と同じように資料や機材が置いてある。


 議題の一覧と思われる資料が机に並べられ、パソコンには壇上の様子が映し出されていた。


 長机に1人で座っているため非常に広く感じる。


 俺の出番は……最後? 最初から居る意味がないな。


 二つ名ハンターの席を見渡すと、ちらほら空席がある。


 各机上に置いてある名前の札と資料を照らし合わせていたら、自分に関係の無い話題の時にはいないのかと勘繰ってしまう。


 ただ、二つ名ハンター以外の人たちに空席はないため、会議を抜けるのは難しそうだ。


 30程ある議題の後に俺の出番があり、いつになるのかわからない。


 そう思うと緊張感が消え失せてしまい、会議をいかに楽しもうか考えるようになった。


「まず、各国の境界発生状況についての報告を」


 議長団の紹介が終わるとすぐに議題に入り、担当の人が壇上に上がって報告を行なっている。


 パソコンには詳細な資料が表示され、各国で発生した境界の数が一覧として並んでいた。


 その中でも日本がずば抜けて多く、次点のオーストラリアを大きく突き放していた。


 レッドゲートであるB級以上の発生数も最多で、すべて俺が突入した境界だ。


 主に俺が境界を探していることが原因であると考えられるが、この議題で話をする名簿の中に草凪澄人という名前はない。


 この日本における《境界異常発生》の説明をしているのは、テレビでたまに目にする頬の皮が垂れ下がった後期高齢者と思われる男性だった。


 しかも、その老人は声高らかに日本におけるハンター教育の賜物だと豪語している。


 さらに、日本はこんなことをしているという自慢話を始めたが、実際にハンターの訓練を見たことがないんだろうなと思う内容のため、聞いていて痛々しい。


『何も言わなくてもいいのか? 私から紹介するぞ?』


 そんな中、ヘレンさんが俺に発言する機会を与えてくれるというメッセージがスマホへ送られてきた。


 あの老人のあとに話をするのが恥ずかしいので、俺の意見をそのまま伝えると『確かにな』と返信された。


「なあ、今はそんな話をする議題じゃない。わかるだろう?」


 聞くに堪えない自慢話が続く中、大柄の男性がかったるそうに壇上に立つ男性へ黙れという風に声を出す。


 最前列の中央に座っていることから、二つ名が付いているハンターだ。


 こんな場なのにタンクトップを着ており、両肩から腕にかけてのタトゥーがかなり目立ち、周りの人よりも二回り以上体格が大きいため威圧感がある。


 そんな男性に自慢話を途中で打ち切られ、気が動転した老人は口を開けたまま次の言葉を出さない。


「日本で発見された境界の大多数を報告した本人が来ているのに、なんであんたが話をしているんだ?」


「それは……私に要請があり……その……」


「なあ、議長さんよ。こんな聞きたくもない日本の現状について話すように要請したのか!?」


 机をドンと殴った大柄の男性は大きめの声で議長へ話の内容を確認していた。


 問われた議長は一言、「No」と答え、壇上に立つ老人を睨みつけた。


 それと同時に大柄の男性が数回老人に向かって手を振り払う。


「あんたの話すことはもう終わっている。そこを降りろ」


 そう言われた老人は会場を見回して、自分の話が求められていないと認識したのか、ファイルのような物を片付けて、肩を落として力なく壇上を降りた。


 老人が壇上を降りた途端、大柄の男性がサングラスをかけたまま俺の方を向き、にやりと口角を上げる。


「スミト・クサナギ。この発見数、日本で何があったのか報告をしてくれ」


 会場中の目が俺に集中してしまい、発言を避けられる状況ではなくなった。


 壇上に上がるのかと悩んでいたら、俺へスッとマイクが差し出される。


 それを手にした俺は座ったまま大柄の男性へ軽く手を上げて頷く。


「私はスキルで境界を発見できます」


 今の一言だけで会場内をざわめきが埋め尽くす。


 それもそうだ。


 境界を発見できるなんてスキルは今まで1度も報告されたことがなく、どの国も喉から手が出るほど欲しい能力だ。


 何があったのか必要なことだけを口にした俺がマイクを返そうとしても、持ってきてくれた人が受け取ってくれない。


——バキャン!!


 マイクを持ったままどうしようかと悩んでいたら、机の割れる大きな音がざわめきをかき消した。


「全員黙れ!! スミト・クサナギ、その発言を証明できるか?」


 音に驚いたものの、境界を探すくらい造作もない。


 地図を開き、ポイントで購入した境界探索機能をONにしてしばらく待ってから口を開いた。


「ここから北北東に11.26km、西南西9.72kmに境界が発生します。シンガポールの探索機能で察知できそうですか?」


「議長! 境界を探してくれ! 場所は聞いていたな!?」


 男性の声に反応した議長が、横に座る人の肩を叩いてどこかへ電話をかけさせる。


 5分程度で電話が終わり、報告を受けた議長は静かに首を振り、「信じられない」と呟いてから咳ばらいをした。


「北北東にD級境界、西南西にはF級境界が発見されました」


「日本で確認された境界の数から私の発見数を引けば、日本が特別なことをしているのかがわかるはずです。以上」


 議長の発言にかぶせるように言いたいことを口にした俺は、押し付けるようにマイクを返す。


 会場中が沈黙し、静寂が包む中、パァンパァンと何かを打ち鳴らした音が響く。


 音の発信源には俺へ発言を許した男性がパフォーマンスのように大きな拍手をしていた。


「素晴らしい! スミト・クサナギ、自由に発言できる機会を4代目覇王である俺が与えよう。異論はないな!!」


 誇らしげに会場へ言い放った覇王と名乗った男性は、サングラスを上げ、青い瞳で俺を捉えている。


 返したマイクを再び差し出された俺は、これ以上ここに居たら危険だという勘が働いていた。


 自然にこの場を出るために、俺は不機嫌を装いながら口を開く。


「ほとんどの議題に私は関係ないので、言うことだけを発言して帰りたいと思います」

ご覧いただきありがとうございました。

もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。

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次の投稿は11月15日に行います。

次回も引き続き読んでいただけたら嬉しいです。

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