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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第5章~ライコ大陸の謎~

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入部試験①~1学期成績表配布~

1学期が終了し、成績表が配布されております。

お楽しみいただければ幸いです。

「あー……澄人、二学期に成績を落とさないようにな」

「わかりました」


 教室で先生と向かい合い、1学期の成績表を手渡された。

 教科の横に【10】という数字が並んでおり、総合評価が【A】と書かれている。


(聖奈は成績表を渡されてからが長いって言っていたな)


 一学期の終業式が終わり、その日の放課後に2者面談という形で先生から成績表を受け取っていた。

 俺の前には聖奈が成績表をもらっていたが、前期のテストが響いてしまい、【5】以下の数字しかなかった。


(全部10を取れてよかった。これで清々と異界や境界へ行けるぞ)


 備考欄など成績以外の項目に目を通している時、先生がため息をつく。

 何か俺に問題でもあるのかと思って視線を上げると、平義先生が腕を組んで眉間にしわを寄せていた。


(学校で先生を困らせることをしたかな?)


 学校外では色々思い当たる節はあるので、一番先生を悩ませていそうなことを考える。


「天草が部活を辞めたがっている……何か知らないか?」


 先生の頭の中で、俺の成績の話は最初の一言で終わっており、なぜか部活の話を切り出された。

 前に悲痛な叫びを聞いて以降、ほとんど天草先輩と口をきいていないため、それが原因だと思われる。


 あの時の内容を思い出し、できるだけまとめて先生へ伝えようと思った。


「力不足で部長としてやっていけないと悩んでいましたけど……」

「そうか……俺からすれば、お前たちへ指示できるのはあいつ以外に考えられないんだがな……」

「確かに……」


 正直、天草先輩以外の2年生はほとんど印象が無く、異界でも俺たちに付いてきているだけなので頼りない。

 天草先輩だけが辛うじて連携ができる能力を持っており、2年生の中では抜群だと思っている。


 それなのに本人の評価は低く、本当に先生へ部活を辞めると伝えていたようだった。


「ここで天草が辞めたら……他の2年も同じように部活を辞めてしまうか、意識が下がると思うんだ」

「僕もそう思います」

「そうだよな……」


 なぜかこちらが逆に相談を受けているような感じになっているため、ここから俺の成績の話に戻ることはない。

 ただ、俺が無関係のことではなく、先生はこの状況に危機感を抱いている。


 二者面談は俺が最後なので後のことを気にする必要はないため、十分に悩むことができる。

 しいて問題をあげるのなら、これから部室でミーティングがあるのに俺や先生が不在ということくらいだ。


(ミーティングはまだ部長が仕切ってくれているけど、必ず俺と天草先輩の意見を聞くから困る)


 部長の対応が、1年の代表が俺で、2年の代表が天草先輩というのを暗に示しているような気がしてならない。

 それにあの夜からどうにも天草先輩から距離を置かれており、聖奈にまで心配をされている。


「……おっ!? 遅くなったな、面談は終わりだ。成績表を必ず保護者へ……お前に忠告しなくてもいいな」


 教室の壁に備え付けられている時計を見て、先生が面談を終わりにした。


「はい。師匠や家族へ見せます」


 返事をしてから、成績表をリュックへ入れるのを先生がじっと見ており、何か迷っている顔になった。

 頭を下げて教室を後にしようとしたら、先生が立ち上がって床と椅子の足が擦れる音が鳴る。


「澄人……天草と仲直りをしてくれ」

「どういうことですか?」


 向こうが避けているだけなので、俺にできることはないと説明しようとした時、先生が困惑しながらゆっくり首を振った。


「どういうことも……他の4人全員がなんとかしてほしいと俺へ頼んできたんだから、わからないはずないだろう?」


 他の4人というのは、俺より前に先生と面談を行なっていたクラスメイトのことを指しているのだろう。

 このまま天草先輩が部活を止めてしまうのは困るので、俺もなんとかしたい。


 ただ、根本的に天草先輩の自己評価が低いことに原因があり、その認識をただす必要がある。

 俺だけではできないことなので、丁度良いところに顧問がいるので相談することにした。


「先生、部室へ向かいながら詳しくお話をしましょう」

「お、おう……鍵を閉めるのを手伝ってくれ……」


 先生は成績表を保管していたケースを手に取り、机を元の位置へ戻す。

 その間に俺は戸締りを確認し、先生が教室を出てから出入り口の鍵を閉めた。


「そもそも、天草先輩がいないと部活が回らないことを教えてあげないといけないんですよ」

「お前以外には務まらないと、何度も言っているんだがな……」


 廊下を歩く先生が苦い顔をしながらボリボリと頭をかく。

 夜に部室で聞いた話とは違う内容なので、天草先輩はそのままの意味でとらえているのだろう。


「それは部長の話ですよね? 今の状態でも天草先輩が抜けると崩壊する事実を突き付けましょう」

「具体的にどうするんだ?」

「俺と天草先輩を抜いて、それ以外の1・2年の部員でPTを組むだけで済みますよ」

「PTには聖奈も含めるのか?」

「そうすれば余計に分かると思います」


 先生は納得がいかない様子で、本当に大丈夫かと呟いて俺から目を離した。

 俺は部室へ向かいながら、今の部活について考えを巡らせる。

ご覧いただきありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。


次の投稿は3月10日に行う予定です。

もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[一言] 地の文なら兎も角、会話でパーティーをPTと略すのはどうなのか… つーかそもそもパーティーをPTと略すこと自体が…ね…
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