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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第1部 輝く月】3章 あたしの救世主さま。

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57話 暗殺者。

※前回のあとがきに書いたとおり、今回から通常視点に戻ります。


 応援してくださった感謝の意をこめて本日2話目をアップしました!

「きひっ! きひひっ! な、なんだぁ、お前ぇ? オ、オレの【隠形】を見破ったっていうのかぁ? お、お前も暗殺者だなぁ? な、生意気なガキめぇ!」


「ああ。あなたからは最初から一度も目を離していないけど? だって、僕の奇襲を見破ってゲスリーをかばったのはあなたでしょ?」


「きひっ! きひひひっ! ほ、本当に生意気なガキだなぁ! き、斬り刻みがいがありそうだぁ!」


 大量の魔力照明がまぶしいくらいに照らすガランとした倉庫の中。


 中央の巨大ベッドの上で後ろにディシーをかばいながら、やせぎすの暗殺者の男と斬り結ぶ。


 この男が【はき違えた自由(ノーアウトフリー)】のリーダー、ゲスリーを守る最後のひとり。そして、この中で最強の使い手だ。


 なぜなら僕は、本当はあれで全部終わらせるつもりだったんだから。




 ガルデラ山をあとにして急いで【リライゼン】に帰った僕は、ロココを宿に寝かしつけ、自身はすぐに行動を開始した。


 断片的に聞いた情報から今夜のイベント会場がこの倉庫街にあるとあたりをつけ、まずはあらかじめ下見。もちろん中には入れなかったけど。


 それから遅れて戻ってきた【最高に自由(マックスフリー)】を【隠形】で気づかれないように尾行して、ディシーたちの泊まっている宿を確認、監視。


 頃合いを見て合流して、会場に移動するディシーたちをふたたび今度はロココを含めた【広域隠形】を使用して尾行。気づかれないように潜入し、あとはいまに至るというわけだ。



「ん? きひっ! きひひひひっ! な、なんだぁお前ぇ? あ、暗殺者のくせにひとの血のにおいがちっともしねえ! ま、魔物の血のにおいだけだぁ! きひっ! きひひっ! も、もしかしてお前! ま、まだひとを殺したことがねえなぁ? き、きひひっ! こ、こいつはとんだお笑い草だぜぇ!」


 気味の悪い笑い方をする暗殺者の男の振るう緑色の刀と、愛用の黒刀で斬り結ぶ。


「お、女子供のやわらかい肌に! 屈強な男の硬い筋肉の隙間に! 刃を突き立てるあの最っ高の感触! お、思わず体がぶるぶると震えるようなあの恍惚感を知らないなんてよぉ!」  


 目の前の頬をこけさせた血色の悪い男がいびつにその口元をつり上げる。


 ……ああ。よかった。いまならまちがいなくいえるよ。僕は【闇】属性の暗殺者だけど、こんなクズとはけっして同じじゃない。


 それに。


「ねえ、ディシー。いまって、動ける?」


「えっ!? う、うん……! な、なんとか……!」


「きひひひひっ!」


 間断なく斬り結びながら、後ろを見ずにディシーとの会話を続ける。


「なら、入口にいるロココのところまでいけるかな? ほら、冒険者ギルドでも僕といっしょにいた褐色肌の女の子。本当はロココが動ければ一番いいんだけど、いまあの場所は念のため確保しておきたいんだ」


 そう。この暗殺者の男以外にも、僕にはまだ不安要素があった。それは、リーダーであるゲスリーのクラスがいまだ不明なこと。 


 蛙魔物のような顔をした男、ゲスリーは僕とロココの奇襲が始まった最初こそうろたえていたが、いまは壁際にじっと立ち、奇妙な落ち着きっぷりを見せている。……まるでなにかを待っているかのように。


 それに、そうでなくても外の見張りはいまだ健在だ。


 いまわしい用途から考えてこの倉庫の防音性能は相当高そうだから、すぐには中の異変に気づかないだろうけど、念のため入口を確保しておいてまちがいはない。


「う、うん……! わかった……! あたし、行くね……! あの……ノエル! 気をつけて!」


「うん。ありがとう、ディシー」


 その返事の直後、ベッドの軋む音がして、ディシーが動きだすのがわかった。よし、これで。


「きひひひひっ! お、お前! せ、せっかくの獲物、逃がしやがって! お前を殺したあと、あのやわらかな胸の真ん中に刃をはさんで突き立てるのを愉しみにしてたってのによぉ! きひひひひっ!」


 怒っているのか笑っているのか、判然としない暗殺者の男が僕に猛攻をかけてくる。威力を捨てた速さ重視の連続突き。


 ってことは、やっぱり。


「ディシーを巻きこみたくなかったからね。その変わった緑色、短めの刃渡り……それって毒でしょ? たぶんかすっただけでも致命的なタイプの」


「きひひっ! きひっ! や、やっぱり馬鹿だなぁ! お前ぇ! そ、即死だなんてもったいねえことはしねえさぁ! こ、こいつは動けなくしてからでも、たっぷり半日はなぶれる時間のある最高のクスリさぁ! お、お前みたいな三流にはこの愉しみ、わかんねえだろうがなぁ!」


 奇妙な笑い方の暗殺者の男はそういって目の前でいびつに口の端をつり上げた。


 それに応えて僕もにっこりと笑う。


「そうだね。あなたのいうとおり、僕にはわからないよ。あなたみたいな三流以下の木っ端暗殺者の愉しみなんてさ」


「きひっ!? こここ、このオレが木っ端だとぉ!?」


 キィィンッ!


「きひっ!?」


 さて。そろそろディシーも僕からだいぶ離れたことだし。


「じゃあ、そろそろ教えてあげるね? 僕とあなたの暗殺者としての格の違いってやつをさ」


 戦いが始まってから初めて、自分から男に向けて斬りかかりながら、僕はそう言い放った。

お読みいただきありがとうございます。すでにブクマ、評価などいただきました方、深く深く感謝申し上げます。おかげさまでふたたび日刊ランキングにのることができました!


新しくお読みの方、ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします!

このままだとたぶん明日の11時にあっさりと落ちますので!


作者はそこから落ちないように精いっぱい更新をがんばっていきます!

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