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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】2章 集う希望、蠢く絶望。

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274 〝赤キ月ノ夜〟13ー全力全開。水の姫勇者の力。

お待たせしました! 本日もよろしくお願いいたします!



 ゴゴゥゴオオオォォォォ………………!


『ビィィィィィィィィィガァァァァァッ!?』


 大地が隆起し、災厄――赤き(レッド)終末の捕食粘体(リヴァイアスライム)のまわりを、正面を除いて、囲う。


「え……!? す、すごい……! あんなに広い範囲の大地が隆起して(おっ)きな壁みたいに……!? と、とんでもない大魔法だよ……!? あ、あれ……? でも、なんか……?」


 地の勇者アーズスがもたらしたその圧巻たる光景に僕たちの中で真っ先に反応したのはディシー。だが、驚いていたのもつかの間、すぐに怪訝そうにその整った眉をひそめる。


 遅れて僕もハッとその違和感に気がついた。


「違う……!? そうか! 一から魔力で生み出すんじゃなくて、あの地の聖盾の力ですでに現実に存在する大地に干渉することで、大幅に魔力消費を少なく……!」


 僕の言葉に、近くで戦いの趨勢(すうせい)をじっと見守っていたニーベリージュもこくりとうなずく。


「ああ。ノエル。おそらくはそのとおりだ。そして、それは一つの事実を指す。つまり、そうやって魔力消費を抑えた以上、あの壁の強度は高くない……!」


『ビィィィィィィィィィグガァァァァァッ!』


 そのニーベリージュの言葉が正しいとしめすかのように、災厄が手あたり次第にその巨大な触手を全方位に伸ばしはじめると、ボロボロとせり上がった大地の壁が次々とくずれ、喰われていく。


「あ、あれではすぐに破られてしまいます……! あの闖入者(ちんにゅうしゃ)の方々は、いったいどういうおつもりで――」


「ん……!? なにか、くる……!」


 そのロココの言葉と同時、少し離れた地点で強大な魔力が膨れ上がった。バッとしめし合わせたように僕たちはいっせいにその一点を見る。


「待たせたわね……! さあ! 存分にぶっぱなしなさい! 水の姫勇者ウォルテラ!」


「は〜い! フラレムちゃ〜ん! でっは〜、水の聖槍〜! わたしは水です〜! 全力全開〜いっきまっすよ〜! 水聖(アックア〜)超怒涛大津波(タイダル〜ウェ〜イブ)〜!」


 青を基調にした法衣に似た服を着た、ティアラを頭につけた水色のウェーブがかった長い髪の少女。


 細められた目がすうっと開かれ、独特の間延びした口調で叫ぶのと同時。カァッと手にした槍の穂先がまばゆく輝き、直後。


『ガァッビィィィィィィィィィガァァァァァッ!?』


 赤い月の夜の下。


 超大量の水、すべてを押し流すかという大津波が襲いかかり、囲う壁へとぶつかり、災厄を呑みこみ――あろうことか、逆巻く波とともにその巨体を中空へと打ち上げた。

切りが悪くてすみません。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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