273話 〝赤キ月ノ夜〟12ー風と地。生意気な子どもと、深く優しい目をした青年。
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キュドドドドドドドドドドドッ!
「あっはははは! ははは…………んっんー?」
『ビ……ィィィィィィィィィィガァァァッ!』
赤い月の夜の下、間断なく豪雨のように降りそそぐ魔力の矢。
上空を縦横無尽に旋回し高笑いを上げていた緑髪の少年――風の勇者ウィディオが手にした風の聖弓をかまえるのをやめ、そのまとう大きなマントをなびかせるとピタリと静止した。
その魔力を集中した髪と同じ緑の瞳は、地上の災厄――赤き終末の捕食粘体へとまっすぐに向けられている。
『ビィィィィィィィィィィグガァァガァァァッ!』
痛みか歓喜か、その巨体を端からボロボロと崩壊させながらも、あたりの魔力のこもった土くれを貪欲に食らいつづけることで、同時に瞬間的に再生しつづけるその様を。
「えぇー! そーゆーことー? うっわぁー! 超だるいんだけど! ねえねえ、火の勇者……フラレムおねーさーん? やっぱりさー? みんなで協力しない? ね、ね?」
僕たち〈輝く月〉と同じように災厄の生体とその特徴、弱点を看破したらしい風の勇者ウィディオは、地上でそれぞれに着々と陣形を整えつつあった勇者連合、その中心でリーダーシップをとる赤髪の少女――火の勇者フラレムにおねだりするように甘えるような視線を向ける。
それに対してフラレムは鼻で笑って返した。
「ふふん! ウィディオ、いまごろ自分の力不足がわかったのかしら? なら、あんたもあたしの指揮下に入りなさい! いまは無闇に力を使わずに温存してそのまま上空で待機! 心配しなくても、あとで存分に暴れさせてあげるわ!」
「はーい! ボク、りょーかいでーす! フラレムおねーさーん!」
愛想よく、けれどどこか小馬鹿にしたように返事をすると、ウィディオはふたたび上空を旋回しはじめる。フラレムの言うとおり無闇に矢を撃つことはしなくなったが。
――ただ。
キュド! ド! ド! ド!
『ビィィィィィィィィィィガァァァァァッ!』
「あはははは! どーこ狙ってるのさー? デッカブツさーん! そんなんじゃボクには、あったらないよー? あはははははは!」
散発的に魔力の矢を放ち、さらには災厄の巨体に急接近しては、その触手が振るわれる前に急速離脱をくり返すいやがらせのような挙動を時おり混ぜながら。
「……ふぅん? まあいいわ。あの小生意気な子どもは放っておいて、そろそろあたしたちもはじめるわよ! 水の姫勇者ウォルテラ――と言いたいところだけど、予定変更! 一手挟むわ! 頼んだわよ! 地の勇者アーズス!」
「心得た! 地の聖盾よ……! 我は汝……! すなわち、この悠久なる大地なり……! さあ、ディネライアの大地よ! 我に呼応せよ! 大いなる地聖の隆起!」
その褐色の肌をした民族衣装のようなものを着た大男、けれどとても深く優しい目をした茶色の髪の青年が携えた小盾を掲げ、光らせると同時――
ゴゴゥゴオオオォォォォ………………!
『ビィィィィィィィィィガァァァァァッ!?』
――まるで赤き終末の捕食粘体を逃がさないように囲うせり上がる壁のごとくあたりの大地が隆起しはじめた。
ということで、小生意気な子ど(ナマガ……)な風の勇者と、心優しい大男な地の勇者の活躍でした! いよいよ長かった災厄との戦いも最終盤です!
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