264話 〝赤キ月ノ夜〟3ー終末の捕食者。
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「えええええっ!? なにこれ!? 森が……森がなくなっちゃってるよ……!?」
転移とともに現れたその光景に、僕のそばに立つディシーが悲鳴のような叫び声を上げる。
暗夜の森――ドルギガ山岳地帯、古戦場跡と並ぶ王都近郊に位置する魔物の大量発生地。
その最寄りの地を目印に王都から転移したはずの僕たち闇の勇者パーティー〈輝く月〉の目の前に広がるのは、だが黒々と広がる森ではなく、赤い赤い、蠢く波。
かつて僕たちが戦った超大などはるかに超えた馬鹿らしくなるほど巨大な粘体が森を呑みこみ、そこに横たわっていた。
――僕は、そこに幻視する。
「終末の捕食者…………!」
それは、創世の女神の神話にうたわれた、この世の終わりにすべてを呑みこみ世界を喰らうモノ。
それは、きっとこんな光景なのだろう。
いまもなお進行方向にある王都に向けてズルズルと進みながら、あたりの赤く染まる土くれさえも貪欲に食らいつづけるその捕食者がすべてを蹂躙したあとに残る荒涼とした――
ガシャ。
「終末の捕食者、か。なるほど。いいえて妙だな。ならばあれはさしずめ、赤き終末の捕食粘体とでもいったところか。さて、ではどう戦う? ノエル。まさかあれにこのまま我らが王国の民と大地を蹂躙させるわけにはいくまい?」
――かたわらに立つニーベリージュの赤と紫の色ちがいの瞳がまっすぐな意思の光を宿し、僕を見つめていた。
「ノエル」
「ノエルにいさま……!」
「ノエル……!」
それだけじゃない。ロココも。“妹”のネヤも。さっきまで叫んでうろたえていたディシーだって、立ち向かう確かな意思の光をもって、僕を見つめている。
みんな……! みんながいてくれて、本当に、本当によかった……!
――一度目を閉じ、深呼吸すると、僕は決意を固めた。
「みんな……! 超大すらはるかに超える災厄と化したあの赤き終末の捕食粘体を王都に絶対に行かせるわけにはいかない……! 僕たちの全力をもってここでくい止め、可能ならそして倒す……! そのためにも、まずは、ニーベ!」
「ああ。心得た! ノエル! さあ、いくぞ! 災厄! 受けよ! 【追い立てる波――集中線!】
指向性をもった強烈な敵意を宿した青い炎の波が、赤く蠢く巨大な波へとぶつかっていく。
こうして、僕たち闇の勇者パーティー〈輝く月〉の戦いは、はじまった。
――この昏く赤い月の夜を明けさせるための。
ということで、赤キ月ノ夜のクライマックス。ついにノエルたちと錬金魔王アーリケ・リリミエスタがもたらした災厄との戦いのはじまりです。まちがいなく過去最大(大きさとして)の敵に、はたしてどう立ち向かうのか……!
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ネット小説大賞は残念ながら……。まあ一年以上放置した作品が、なんて都合のいい話はありませんよね……。それでも立ち直るのには時間がかかりました……。ということで、次は書き溜めてから挑みたいと思います。闇属性の更新もがんばります!
では、次回「ほんの少しのさびしさと、ともに」にて!
1月3日公開!
それでは、今後ともよろしくお願いいたします!





