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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】2章 集う希望、蠢く絶望。

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258話 ぐちゃぐちゃもどろどろも。※

お待たせしました。応援いただき、ありがとうございます! 


別視点。

本日もよろしくお願いいたします!



 ――感謝しか、ない。


 だって、これで俺もプリスも、まちがいなく助かったのだから。


 命の恩人に、敵意(そんなもの)なんかあるわけが、ない。


 けど………!


 肉塊と化した風の竜(ウインド・ドラゴン)の死骸を一べつし、ぎり、と強く強く奥歯を噛みしめる。


 あっさりと……かよ……!


 泥臭く、ぼろぼろになって相討ち覚悟で、命を懸けてそれでもとどかなかった自分。


 突如現れ一蹴し、触れさせることすらなく涼しい顔で、秒殺にしてみせた闇の勇者。


 その差。その目の前のほとんど年も変わらない黒髪の少年に、俺はどうしてもその言葉を口にだせず、ただぐちゃぐちゃな感情のままに見つめつづけるしかなかった。



「……ありがとう」


 倒れたプリスにちらりとその目が向けられた直後だった。なぜかその言葉を()()()()()()()()()()()口にだす。


「な、なんのつもりだよ……! なんであんたが……それを……!」


 うろたえる俺に、目の前の黒髪の少年はなおも語った。


「だって僕じゃ、まにあわなかったから。僕の手がとどいたのは、どうしたって君だけだ。いまの君の姿を見れば、その場にいなくたっていやってほどわかるよ。君があの女の子を守るために、どれだけ必死で命がけだったのか」


 ――そうだ。俺は、必死で。ぼろぼろになって。それでもとどかなくて。結局、あんたが。


「君は、あきらめなかった。最後の最後まで。僕が助けたあの瞬間だって、君は、剣を握りつづけていた。それは、その姿は、生きることを、守ることをあきらめずに未来を切り拓こうとしつづけるその姿は、かつて僕がだれよりもきれいでまぶしいと思った、なによりも大切な仲間――輝く希望の〝ひかり〟たちと同じだから」


 目の前の黒髪の少年が、微笑む。


「だから――ありがとう」



 なんっ……だよ……! それ……!


 俺が、俺が、これでもかってほど、力の差を見せつけられて、苦しんで、ぐちゃぐちゃのどろどろになってたあいだに……!


 あんたは、そんな、笑顔で……! 助けた相手に礼なんかいって、そして……なんで、なのにあんたに希望っていわれて……! 俺は、こんなに、うれしいんだよ……!


「う、うおおおおおおおおおおぁぁぁぁぁっっ!」


 ――叫ぶ。


 ともすれば、ぽろぽろとこぼれそうになる涙と、吐きだしそうになる、ない混ぜになった感情のかわりに、ただ、俺は、吠えた。


 この、ぐちゃぐちゃとどろどろがすべて――空へと昇華されていくように。



「……遅くなって悪い。闇の勇者ノエル・レイス――いや、ノエル()()。ありがとう。俺と、プリスを助けてくれて」


「だからそれは、君が――」


「いや、それでもだ。どうか、受けとってくれ。頼む」


 首を振り、その、ほとんど年も変わらない少年の黒い瞳をまっすぐに見つめかえす。


「……わかった。受けとっておくよ」


「ああ」


「それと、君の名前を教えてほしい」


 ――ドクン、と胸の高鳴りを隠すように、一度だけ息を大きく吸いこんだ。


「ユース。光剣士(ライトソード)のユース・ノービスだ」


「そうか。なら、ユース」


 闇の勇者ノエルが腰の剣をすらりと抜いた。青と黒の〝ひかり〟をまとう刃――伝説の聖剣を。


「ここで君と会えて、うれしかった。〈輝く月(僕たち)〉以外にも、君のような希望の〝ひかり〟がいてくれるって知ることができて」


 闇の聖剣が天高く掲げられ、俺も、ずっと手に握ったままだった剣を天高く掲げる。


「だから、ユース! これからも互いに戦いぬこう! 精いっぱいの力をこめて! この王国と、人々の未来に、平和と希望をもたらすために!」


「ああ! ノエルさん!」


 そして、互いの剣の切先を重ね、キィン……! と打ち鳴らす。


 ぐちゃぐちゃもどろどろも、そんな感情はもうとうに空に消えて。


 ――ただ、その小気味良い音と誓いだけが、すうっと俺の胸の中を通り抜けていった。



ということで、危ういところでユースの憑き物が落ちました。どこまでもまっすぐな主人公気質な少年です。闇属性のノエルには、ホントにちょっとまぶしいかもしれません。




さて。ブクマ、高評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。まだの方、ぜひお願いいたします! 感想もご自由にどうぞ!


さらに、マンガBANGアプリとwebでコミカライズ連載中!

また、webから全面加筆修正した電子ノベルが各種サイトで発売中です!


さらにさらに、先日より別作品「ダンジョン暮らし〜」「クビからはじまるぶっぱ無双」を公開中ですので、よろしければそちらもよろしくお願いいたします!


クオリティは、この「闇属性」に劣らないと自負しています!


以下のリンクからそれぞれ読めますので!



では、次回「ずっと見ていたい」にて。

10月10日公開予定!


大規模討伐作戦編の最終回。ある人物視点でのエピローグ的な話になります。あ、いままだ寝てますね。


それでは、今後ともよろしくお願いいたします!

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