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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】2章 集う希望、蠢く絶望。

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256話 土まみれの戦い。※

お待たせしました。応援いただき、ありがとうございます! 



※別視点。

本日もよろしくお願いいたします!


 頼むから、すっとばないでくれよ……!


『ゴウオオォォァァァァッ……!』


 渾身の光の魔力をこめながら、威嚇する竜に向けて左手の剣を固く固く握りしめる。


「片手――【光烈閃(ライト・キャリバー)】!」


 羽ばたきながら、憎々しげににらみつける風の竜(ウインド・ドラゴン)に向けて、大上段から一気に刃を振り下ろした。


『ゴウァァァァッ……!』


「ぐ、う、ううぅっ……!」


 ぎりぎりで手からすっぽ抜けずに、どうにか放ちきった光の剣閃を風の竜が俺をあざ笑うように余裕をもってかわす。


「へっ! いいんだよっ! 最初っからあたるなんて思ってねーからなっ!」


『ゴウオァァァァッ!』


 真下に振りきった勢いのまま、剣を手放し地面に突き刺すと、体をひねり、今度は逆の右腕をおもいきり振りかぶった。


「うおおおお! プリスっ! ――はああああっ!」


 そして、投げきった勢いのままに右手で突き刺さった剣をすばやくつかみ、水平に薙ぐ。


 ガシャシャシャァン!


 【光破斬(ライト・エッジ)】。俺が飛ばした光の魔力の刃がさっき投げた中級下級ごちゃ混ぜの五本の回復薬にあたり、その下の地面に横たわるプリスに降りそそぐ。


 それを見とどけ、俺はほっと安堵の息を吐いた。

 

「へへっ……! わりぃな……! プリス……! お前のお気に入りの一張羅汚しちまって……! まあ文句なら、あとで死ぬほど聞いてやっからよ……!」


『ゴアッ! ゴウァッ! ゴウァァァァッ!』


「つっても……聞けたら、だけどなぁ!」


 体勢をくずした俺を狙って、空中からたて続けに放たれた風の弾。そのうちのひとつが、ゴロゴロと土まみれになりながら転がる俺の腰の鞘を吹き飛ばした。



「はあっ、はあっ……! 【(ライト)……烈閃(キャリバー)……】!」


 もう数えるのが馬鹿らしくなるくらいにくり広げた攻防。


 飲みほしたばかりの虎の子の魔力回復薬のビンを投げ捨て、馬鹿のひとつ覚えみたいに、大上段から光の魔力の剣閃を振りかぶる。


『ゴアァァァァッ……!』


 またしてもあっさりと風の竜はそれを避け、そっちも馬鹿のひとつ覚えみたいに連続で風の弾を撃ちだした。


「くっ……! はあっ……! はあっ……! はあっ……!」


 ガクガクと震えはじめた足に鞭打って、俺はそれをすんでのところでなんとかかわしきる。


「へ、へへ……! どうした、クソトカゲ……! 俺は、まだまだ元気いっぱいだぜ……!」


『ゴウオオォォッ…………!』


 ――なんて、虚勢を張りでもしねーと、いまにも糸が切れて倒れちまいそうなんだけどな……!


 無様な、戦いだった。


 風の竜の弾を避け、あたりもしないその大ぶりの一撃を馬鹿のひとつ覚えみたいにただただくりかえす。土まみれになりながら地べたを転がるそれは、俺が夢見た王国の希望、英雄像とは程遠いもの。


 ――けど、これでいい……!


(威力だけは申し分のないあの技を放っていれば、それで終わっていたと思いませんか?)


 それはあの、俺を見ていない黒髪の少女(ネヤ・レイス)の言葉――けど、裏を返せば。


「あたればただじゃすまねーってことだ……! 巨大(ギガント)級も倒せるって、あの闇の勇者パーティーも太鼓判の必殺剣……! へ、へへっ……! そんなもんぶんぶん振りまわすヤツ、無視できるわけねーよなぁ! クソトカゲ……!」


『ゴウオオォォァァァァッ!』


 ――たぶん、そろそろだな。つーか、俺がクソトカゲなら、とっくに焦れて動きだしてるころだぜ。そう考えりゃ……まあ、よく保ったほうか。


『ゴウオオォォッ………!』


 なにかを見定めるように羽ばたきながら空中で静止する風の竜。一触即発の空気の中、ちらりと横たわるプリスへと俺は目を向ける。


 プリスは……まだ起きねーか。


(ねえ、ユース)


「へへっ……! 安心しろよ……! プリス……! このクソトカゲは、俺がきっちり倒すからよ……! だから……!」


 その背中ごしに、さっき俺をまっすぐに見つめてくれたあの潤んだまなざしと表情(かお)を思いだし、己を最大限に奮い立たせる。


『ゴアァァァァッ……!』


「幸せにっ……! 生きてくれよっ……!」


 竜が動いた。いままでと同じ風の弾の連続二発。だが、今度はその着弾を待たずに、高空から一気に突進してくる。


 俺は、避けない。かわりに腰の袋からとりだした、一本だけ残しておいた下級回復薬を一気にあおる。


「ぐうううっ……!」


 着弾と同時に激しく痛む体と軋む骨。そのすべてを無視し急速に傷と体を再生させながら、大上段に剣を振りかぶる。


『ゴウァァァァッ!』


 いまの俺の腕じゃ、普通なら百発撃ったって、【光烈閃(ライト・キャリバー)】はあたらない。なら、どうするか?


「うおおおお! くらええぇっ! 【光烈閃(ライト・キャリバ)】ァァァッ!」


 ぎりぎりまで、ひきつける。その強靭な爪が俺の体と命をひき裂く、その寸前まで――――相討ち、覚悟で。


『ゴオオォォァァァァッ!』


 な、にっ……!?


 その瞬間。竜が俺の目の前でその翼をバサリと、はためかせた。



「く、そっ…………!」


『ゴオオオァァァァッ!?』


 目の前で血しぶきが、舞う。竜が、苦悶の声を上げる。()として使った右の翼を断ち切られ、その先の腕を深々と斬り裂かれて。


『ゴグァァァァァァァッ!』


 怒りと、歓喜に満ちた咆哮。その左の大爪が、剣を振りきった俺に迫――


 まだだ……! まだ……! なんでもいい……! 魔力をこめろ……! 剣を振れ……! 守るんだ……! 俺は、あいつを――



「【虚影零(ゼロハイド・)突破(ストライク)】!」


『ゴグゥガガォォォォアァァァァッッ!?』



「…………え?」


 欠片だけ魔力を宿した、めちゃくちゃな体勢から放った俺の刃が空を切る。


 振りきった体勢のまま、呆然と見上げる俺の目に映ったのは、黒い〝闇〟をまとった影がうしろから竜のその残る左の翼と腕を吹き飛ばした、その瞬間だった。



ということで、ほとんど勝ち目がない絶望的な戦いのその果てに……主人公登場です! けど、ここまで粘ったユースの命をかけた泥くさい奮闘がなければ、この結果はありませんでした。誇っていいと思います。




さて。ブクマ、高評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。まだの方、ぜひお願いいたします! 感想もご自由にどうぞ!


さらに、マンガBANGアプリとwebでコミカライズ連載中!

また、webから全面加筆修正した電子ノベルが各種サイトで発売中です!


さらにさらに、先日より別作品「ダンジョン暮らし〜」「クビからはじまるぶっぱ無双」を公開中ですので、よろしければそちらもよろしくお願いいたします!


クオリティは、この「闇属性」に劣らないと自負しています!


以下のリンクからそれぞれ読めますので!



では、次回「あっさりと」にて。

いまのノエルの実力とは……!? 風の竜戦決着!

9月27日公開予定!


大規模討伐作戦編次回含め、あと2か3話!


それでは、今後ともよろしくお願いいたします!

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