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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】2章 集う希望、蠢く絶望。

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256/277

254話 棒きれと、手のひら。※

お待たせしました。応援いただき、ありがとうございます! 



※別視点。

タイトルのみ変更しました。

本日もよろしくお願いいたします!



「んぐっ、んぐっ、んっ、ぶはぁっ! はあ……! はあ……! い、生きかえったぜ……! ま、マジで死ぬかと思った……! たすかったぜ! プリス!」


「まったく、もう……! カップを用意するのさえ待てないくらいぎりぎりだったなんて、わたしが来なかったら、どうする気だったのよ……!」


 その両手のひらを器にして、魔法で生みだした水を俺にじかに飲ませてくれていたプリスはそう言って、指についた滴をピッとはらった。心なしか顔が赤いのは、やっぱり怒っているせいだろうか。


 いつもなら痛いところをつくようなそのキツい物言いに、つい反発しちまう俺。


 けど、今日は()()()()()ところをつかれてしまって――ここまで来るのに頭が真っ白でなにも考えてなかったから。


「へへっ! ああ、そうだな! いやー、わりぃわりぃ!」


 素直に謝っておくことにする。……俺なりに。


「ユース」


 けど、やっぱり長いつきあいの幼なじみだからだろうか。プリスは、それでなにかを察したような表情になると。


「ふう……。あーあ。あんたを追いかけたせいで、わたしも喉が渇いちゃったわ。どうせあんたも、まだすぐには動けないでしょ? ほら、つきあいなさいよ」


 今度は、肩かけの拡張収納カバンからとりだしたカップをふたつとりだして、そういった。



「はは。ホント、なさけねーよな……。はじまる前は、あんなに意気込んでたのによ……」


 ――全部、話した。勇んで駆けつけた最前線で、俺がなにひとつできなくて。あんなに戦いたいと熱望していた巨大(ギガント)級に、手も足もでなくて。……守られて。


(……わかりました。せめて邪魔にならないように、気をつけてくださいね?)


 そう忠告し、憐憫されるほどに足手まといで、弱かったことを。



「……ねえ、ユース。覚えてる? わたしたち、最初はこれだったよね」


「は? ……ああ。そうだったな」


 話し終えた俺に、となりに座るプリスが手渡したもの。それは、小さな棒きれ。


 それを握ると、差しだしたその手のひらを俺に向けて広げたまま、プリスはつづけた。


「まだずっと幼い子どものころ。『おまえ! 手から魔法で水をだせるんだってな! よーし! えらばれた光のおれのパーティーにいれてやる! ついてこい!』なーんて、半ば無理やりに家にいたわたしをつれだして。いまみたいな棒きれを握って獣を追いかけるあんたをわたしは必死に追いかけて」


 そこで言葉を切ると、今度は飲みかけのカップを俺に差しだす。


「それが木剣になって、家から持ちだしたカップになって。いつのまにか本物の剣になって、わたしも水をだせる以外の魔法を覚えて。冒険者になって、追いかけるのが獣から魔物になって」


 懐かしむように目を閉じ、微笑みながらプリスはつづける。


「故郷の町をとびだして、ロトルさんと出会って、マジクと出会って。〈熱き血潮(ヒートユース)〉を結成して、たっくさんみんなで冒険して。こんな、すごい冒険者ばかり集まるクエストに混じれるくらいにまで強くなって」


 そこで、目を開けたプリスは、その水色の揺れる瞳で、まっすぐに俺を見た。


「ねえ、ユース。次は、どうするの? もっと進んで、英雄になりたい? それとも……故郷にでも、帰ってみる? ……わたしと」


「お、俺は……」


 ――答え、られなかった。頭が真っ白で。だって、そんなこと考えたこともなくて。目の前の、子どものころからずっといっしょに過ごしてきた幼なじみがすごく綺麗だってことにいまさら気づいて。


 ――ゴウッ!


「……………え?」


 固まる俺の目の前で、その幼なじみの体が()()()()()()()()()()()()()


「ぷ……プリス!? おい!? プリス!?」


 遠くへと吹き飛ばされたプリスは、地面に横たわりぴくりとも動かない。


 そして、話に夢中になりすぎて、接近に気づきすらしなかった俺とプリスのもとに、それは羽ばたきとともにやってきた。


『ゴオオォォォォォッ…………!』


「う、風の竜(ウインド・ドラゴン)…………!?」


 それは、緑色の鱗を持つ巨体。全身に色濃く風の魔力をまとう魔物最強種のひとつ。

 

(だから、ドルギガ山岳地帯なんじゃねーか! その名の由来のとおり、ドラゴンも巨大(ギガント)級もいるかもしれないっていう魔境……! くー! ワクワクすんぜ!)


 ――知っていた。ここに竜がいるかもしれないってことは。ここに来る前にほかならぬ俺自身がそう豪語していたから。


『ゴウオオォォァァァァッ!』


「う、あ………!?」


 ――そして、()()()()()


(……わかりました。せめて邪魔にならないように、気をつけてくださいね?)


 ――いまの俺に、この化け物は倒せない。



ということで、幼なじみ同士の甘酸っぱい雰囲気の中、風の竜の来襲です。さて、自分の実力のほどを知ってしまったユースは、この窮地にどう戦うのか……!


それにしても、一話に二度もでてくるなんて、ネヤのセリフはユースにとって完全にトラウマになってますね。




さて。ブクマ、高評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。まだの方、ぜひお願いいたします! 感想もご自由にどうぞ!


さらに、マンガBANGアプリとwebでコミカライズ連載中!

また、webから全面加筆修正した電子ノベルが各種サイトで発売中です!


さらにさらに、先日より別作品「ダンジョン暮らし〜」「クビからはじまるぶっぱ無双」を公開中ですので、よろしければそちらもよろしくお願いいたします!


クオリティは、この「闇属性」に劣らないと自負しています!


以下のリンクからそれぞれ読めますので!



では、次回「てめえの相手は、俺だ!」で。

9月19日投稿予定!


それでは、今後ともよろしくお願いいたします!

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