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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】2章 集う希望、蠢く絶望。

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254/277

252話 枯れ落ちる花のように。※

応援いただき、ありがとうございます! 



※別視点。

では、感謝の意をこめて。ぎりぎりですがもう一話!

本日もよろしくお願いいたします!




『ゴブオオォォッ!』


「う、うあぁぁぁっ!?」


 ――ああ。これは。


『ゴブオオォォッ!』


「う、う、うあああぁぁっ!?」


 ――()()()ですね。


 あてる隙をつくるわけでもなく工夫もなく無造作に放たれた、ただの大ぶりの一撃、ご自慢の最強必殺剣【光烈閃(ライト・キャリバー)】とやらをあっさりとかわされたあとの不埒ものと巨大(ギガント)級の醜鬼(ゴブリン)との戦い。


 それをわたしは巻きこまれないように、あるいは後方で戦うディシーやほかの冒険者のかたたちへと飛び火しないようにと、コツコツと糸を垂らし足運びで巧みに誘引しながら、あますことなくずっと見ていました。


 ――その結果わかったことは、お話になりません。


 技も、魔力も。身のこなしも。


 覚悟も、信念も。気概も、勇気も。……守ろうとする意思も。


 どれひとつとして、わたしの愛するノエルにいさまの足もとにもおよばない分際で、いったいなぜあのとき「自分のほうが上」だなどとのたまえたのでしょうか。

 

「う、うぁ……! く、くるな……!」


『ゴブオオォォッ!』


「く、くるんじゃねえぇ! 化け物ぉっ!」


 ずいぶんと前から、溜めのない自分の一撃では浅い切り傷しかつけられない事実に気がつき、巨大級の振るうこぶしや踏みつけから、策もなくただ逃げまわるだけとなっていた不埒もの。


 ついには、完全に戦意をなくしたのか、震えながらそんなことすら口にだしてしまいました。


 ――そろそろ、いいでしょうか。十分に心は折れたようですし、それに正直……もう、見るにたえません。


 しゅる。


 気づかれないように巡らせていた先。ピン、と繋いだ何重にも巻きつけた魔糸を張ります。


『ゴブォォォッ……!』


 「わたしの糸では非力で、少々荷が勝ちますので」――あのとき、そう告げた言葉に、嘘はありません。巨大級のその強靭な首も腕も足も、わたしの糸では手折ることなどできないでしょう。


 だから――()()()()のです。


『ゴブギャアアァァァァッ!?』


 巨大級が悲鳴をあげます。指一本。気づかれないように強度を最大限に高めた糸を巻きつけられたのは右足の親指、それを渾身の魔力をこめて手折りました。


『ゴォブガァァァッ……!』


 その血走った巨大な(まなこ)がわたしを射抜きます。


 ――当然ですね。いまわたしが巨大級に与えられたのは、ただの傷。命を(おびや)かすわけでも、四肢を失ったわけでもない――これで終わるのでしたら、ですが。


 ――わたしは、つとめて優美に微笑みました。


「レイス流花護術、【花摘ミ手折リ】――【(かさね)】」


『ブギャガブアァァッ!?』


 ふたたび、巨大級が悲鳴をあげます。指一本。そう。いま折られたばかりの右足の親指をさらにぐちゃぐちゃに手折られて。

 

『ゴギャブッ!? ゴガアァァッ!?』


 そして、さらに。さらにさらにさらにさらにさらに。


『ゴブガッ!? ギガグゲッ!? ガゴォォッ!?』


 執拗に、固執して、延々と手折りつづけます。もう折れているかどうかなど関係なく、(くび)り、(ねじ)り、壊し、その怒りとない混ぜの恐怖が――痛み一色に塗りつぶされるまで。


『ゴブ……ガァ……ァァ…………』


「う、あ、あぁ………ぁ………!?」


 そして、ついに。ぐらり、とその巨体が傾ぎました。痛みにガクガクと震え、その両の眼から滂沱(ぼうだ)の涙を流し、ズゥンと地響きをあげて、呆然と立ちつくしたままの不埒ものの目の前に。


 ――ああ。これは。本当に……本当に()()()ですね。


 しゅる。


 トン、トン、と。見るも無惨になり果てた右足の親指だったものから糸をほどき、新たに別の場所に巻きつけながら、前へと足を運びます。


「あ、あ…………!?」


 震え、驚がくの声を上げる不埒ものの前でくるりと背を向けると、わたしは倒れた巨大級に向かって、心からの憐憫をこめて微笑みました。


「かわいそう。いま、楽にしてさしあげますね。レイス流花護術、【花摘ミ手折リ】――【(つい)


『ゴブ、ガッ……………!?』


 その瞬間。ビクリ、と倒れていた巨大級の上半身が跳ね上がり、そこにゆっくりと、ゆっくりと、魔糸が食いこんでいきます。痛み一色に塗りつぶされ魔力防御さえも忘れ、そのやわらかくなった首もとへと。


『ガッ……ブッ……!? ゴッ……!?』


 ――だめですよ? いまさらもがいてどれだけガリガリと必死に掻きむしろうとも、その追いつめられて定まらない状態では、この最高硬度の魔糸はちぎれません。


『ゴ…………………………………………』


 そして、やがてがくりとその(こうべ)が垂れ、わたしが糸を離すと、そのまま前のめりにくずれ落ちました。


 ――枯れ落ち、その命を終える花のように。



ということで、決着です!


今回バンバン出てきた【花摘ミ手折リ】の派生は、すべてネヤが師匠のサーシィと相談しながら考案しました。すでに護身術のレベルはとうに超えていますが、ネヤはかわらず花護術と呼んでいます。

すでに愛するにいさまとの間に娘が産まれたら、継承することを考えているかもしれません。……どうなるかはわかりませんが。




さて。ブクマ、評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。まだの方、ぜひお願いいたします! 感想もご自由にどうぞ!


さらに、マンガBANGアプリとwebでコミカライズ連載中!

また、webから全面加筆修正した電子ノベルが各種サイトで発売中です!


さらにさらに、先日より別作品「クビからはじまるぶっぱ無双」「ダンジョンで暮らして〜」を公開中ですので、よろしければそちらもよろしくお願いいたします!


クオリティは、この「闇属性」に劣らないと自負しています!


以下のリンクからそれぞれ読めますので!


次回「逃亡」別視点。


では、また書き上げ次第! そろそろ大規模魔物討伐編、最終盤に入ります。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします!

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