250話 巨大(ギガント)級と、踊る〝光〟。※
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あと、亜人型魔物の表記を過去を含め修正しました。大小が邪魔になったので。
『ガギギャアアァァッ!』
舞い終えたわたしの前。骸とそのなりかけが積み重なる惨憺たる光景の中、叫びとともに一体の剛鬼がとびだしてきました。
その左腕はあらぬ方向へとへし曲げられ、両の目は怒りと痛みに血走っています。
……ああ。やはり、まだまだ未熟ですね。わたしのお師匠さまたるサーシィさまや至上の使い手たるレーヤさまなら、このような仕損じなど、けっしてなさらないでしょう。
はあ、とため息をつきながら、わたしはゆっくりと前に手と、糸をつきだし――
「あっぶねえ!? 【光破斬】!」
「ギギャアォォッ!?」
――その前に、横合いから放たれた輝く光の刃が血しぶきをあげて剛鬼を斬り裂きます。
わたしは、その刃と声の主へとゆっくりと視線を向けました。
「だ、大丈夫か!? ネヤちゃん! 俺も……俺も最前線で戦わせてくれ!」
……よほど、急いで走ってきたのでしょうか。そこにいたのは、息を切らせた若い剣士。
非常に不快なため、あえて名前はもうしませんが、最初に冒険者のみなさまがたが集われたときに「ノエルにいさまより自分のほうが実力は上」だなどと、とてもとてもおもしろいことをのたまわられた不埒もの。
「俺は、俺は、光なんだ……! 光の勇者ブレンさんがいないいま、この王国の希望になる新たな……! こんな、俺の実力は、こんなところで埋もれるもんじゃ……!」
……揺れて、いました。その、まるで自分にいい聞かせるような言葉とともに、その自尊心が、信念が。ぐらぐらと、ゆらゆらと、その焦点の定まらない瞳の中で。
それと同時に、虚空に伝わせた糸の振動がわたしに次なる来訪者の存在を告げます。
――これは。ああ。とてもとてもちょうどいいですね。
「もちろんです。ユースさま。ともに戦いましょう。貴方のような光に来ていただけて、ネヤはとても心強いです……!」
「え!? お、俺の名前……!? へ、へへ……! そうか……! やっぱりそうだよな……! 光の俺が、そこいらの雑魚冒険者どもと同じなわけ……!」
その不快な名前をなぜおぼえていたのか。なぜいま、あえてその名を口にだしたのか。
ぐつぐつと臓腑の煮えたぎるような内心などおくびにもださず、だらしなく鼻の下をのばす不埒ものに向かって、わたしはつとめて優美に微笑みます。
「では、さっそくですが、ユースさま。次なる第二陣、あちらの大物のお相手をお願いいたします。見てのとおり、わたしの糸では非力で、少々荷が勝ちますので」
『ゴブオオオォッ……! ガアアアアァァッ!』
出現と同時に場のすべてへと、その絶叫が響き渡ります。
「え……!? あ、ああ……!? う、うそだろ……!? ギ、巨大級のゴ、醜鬼……!? ほ、本当に、そ、存在したのかよ……!?」
天を衝くような巨躯を誇る亜人型魔物、巨大級。……といっても、そのような種族がいるわけではありません。
それは、いままでわたしが糸で絡めてきた亜人型のうちの異常個体。
本来ならばその身がはじけ飛びかねないほどの膨大な魔力をその身を際限なく肥大し膨張させることで過剰適応した、もはや本来の種族からはその外見的特徴以外からは逸脱した存在。
亜人型においては、それを総じて巨大級と指すのです。その証拠に。
『『ゴボブギャッ!?』』
……またひとつ、無造作に踏みつぶされました。本来自分と同族であったはずの醜鬼も、剛鬼も豚鬼も関係なく、等しく地虫であるかのように。
『ゴブガガアァァァッ……!』
その巨大な両の眼がわたしを射抜き、口もとをゆがめ、まるで粘つく滝のような量のよだれを垂らします。
「う、ああ、あ…………!?」
「ゆ、ユース……さま……!」
「っネヤちゃ……!? よ、よし……! あ、安心していいぜ……! や、やってやるよ……! こ、この図体ばかりのデカブツが! ね、ネヤちゃんには指一本触れさせねー! この〈熱き血潮〉のリーダー! 光剣士のユース・ノービスが相手だ!」
わたしが目ざとくとらえた不埒ものの、気圧され、後ずさりかけたその足。
それを恐怖に震えたように聞こえる声と、潤んで見える瞳でおしとどめると、不埒ものは目に少々危険な光を宿しながらもしっかと立ち、ちゃきっと刃をかまえられました。
なんとか予定どおりに事が運んだことに、思わずわたしは、ふう……と安堵の息を吐きます。
――さて。それでは、踊っていただくとしましょう。
図体ばかりがご自慢と見える木偶の坊に、ただ生まれ持たれただけの光の魔力がさぞやご自慢と見える傲慢な不埒もの。
『ゴブオオオォォッ……!』
「うおおっ! 来いっ! デカブツぅっ!」
――どうぞ存分に。わたしの手のひらの上で。……その心が折れるまで。
ということで、なにも知らないユースから見たら、守ってあげたい系オーラ全開の可憐な……本当はとってもこわーいネヤ視点でした! まだつづきます!
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