244話 待機。※
長らくお待たせしました。
一月かかって、ようやく現実を受け止められました。
これからもがんばります。
では、別視点。
本日もよろしくお願いいたします。
「あぁ〜! なんなんだよ、いったい! 登ってばかりでまだロクに戦ってもねーのに、こんなだだっ広いところで全員待機だなんてよ!」
陽の光がさんさんと射すドルギガ山岳地帯の中腹。険しい岩山の中ほどに現れた、やや水平に近い開けた場所で、いらだちを隠そうともせずに〈熱き血潮〉のリーダー、ユースはそう叫んだ。
じろり、と一瞬他の冒険者パーティーから視線が向くものの、だがすぐにふいと逸らされる。まるで、とるに足らない存在だとでもいうかのように。
「こんなんじゃ、俺の実力が見せられねーじゃねーかよ……! せっかく、あのネヤって娘も俺に注目してくれてるっていうのに……!」
そのすぐに逸らされた他の冒険者の視線にも、ネヤから向けられた視線の本当の意味にも気づくことなく、ひとりユースはあせりをつのらせる。
「はあ……。そのあんたが鼻の下を伸ばしてる闇の勇者パーティー〈輝く月〉からの指示でしょ。『そのときがくれば指示するから、それまで動くな』って。だったら、おとなしく従いなさいよ! バカユース!」
「はあ!? だれがバカだよ、プリス! だいたいそのときっていつだよ!? なにもせずにこんなところで突っ立っててなにが変わるって――」
「ね、ねえ……! な、なに、あれ……!?」
「なんだよ、マジク……はぁっ!?」
「なによ、マジク……え、あっ!?」
いつにも増して尖った態度を見せるプリスと負けじといい返すユース。幼なじみふたりの口喧嘩を止めたのは、パーティー最年少の風魔法使いマジクの仲裁――ではなく。
「なんだ……! あの数は……!?」
『『『ギィ……! ギィ……! ギィィィ……!』』』
パーティー最年長、数々の修羅場をくぐり抜けた熟練の冒険者ロトルすら驚愕せざるをえないほどの彼方から迫りくる空を一部埋めつくすほどの翼の群れだった。
「へ、へへへ……! なんだよ……! 来たじゃねーか……! 俺の力を見せつけられる大舞台が……! や、やってやる……! やってやるぜ……!」
ぶるぶると震えながらも、獰猛な笑みを浮かべ腰の刃に手をかけるユース。
まわりの他の冒険者たちも、強張った表情で慌ただしくいっせいに戦闘準備をしだす。
だが、そのとき。
『ん、んん……! え〜っと、〈輝く月〉のディシーです! みんなー、まだ待機だよー! ぜったい手をだしちゃだめだからねー!』
「「「は、はあぁっ!?」」」
今度ばかりはユースだけでなく、まわりの冒険者たちもいっせいにどよめきの声を上げた。
だが、いったいなにを考えてるんだ!? との冒険者たちの疑念と不審の声を気にもとめることなく、〈輝く月〉の面々は決められた段取りどおりに粛々と動きだす。
「んー。とはいっても、さすがに高すぎて、ちょっとあたしの魔法じゃとどかないかなぁ。ロココちゃん。お願いできる?」
「うん。わかった。ディシー」
――そして、戦場と化した岩山に六枚の白い花弁が開いた。
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さて。ということで、いよいよ開戦です。
次回、「最小の竜」ロココが暴れます。
また次の更新とともに、新作を開始します。
タイトルは
「クビからはじまるぶっぱ無双〜魔力を使えない最底辺のゼロの少年と無能と追放された天才錬金少女。最強欠陥錬金魔道具〈魔砲〉ですべてを見返しすべてを手に入れ、すべての理不尽をぶっ壊す〜」
ぜひ応援をよろしくお願いいたします!
では、また書き上げ次第。
それでは今後ともよろしくお願いいたします。





