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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】2章 集う希望、蠢く絶望。

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232/277

230話 危機一髪の使用人? ※

本編の前ですが、告知します!

3月中にマンガBANG! にてコミカライズ開始です!

詳細はまた追って! 本作ともどもよろしくお願いいたします!


それでは、お待たせしました。

※三人称別視点。


本日もよろしくお願いいたします。




「あ、あの……! こ、こまります……! み、道を……開けてください……!」


 消え入るように小さな、か細い声。


 ディネライア王国王都、数々の商店が立ち並び、冒険者ギルドの建物もある多くの人々でにぎわう中央区。


 主人に命じられた使いをはたし、帰途につこうとした間際のひとりの使用人(メイド)がいままさに危機に瀕していた。


「ええい! さっきからいっているだろう! いいから、我々とともに来い! いままでの娘同様、我らが主人は――ナルシシスさまは、けっして悪いようにはしないはずだ!」


 武装した三人もの男たちに囲まれ、ぷるぷるとその身を震わせる使用人。


 その外見は、可憐のひとことにつきる。やや短めの黒髪は櫛で丁寧にまっすぐにととのえられ、幼さの残る顔立ちには薄く化粧を。


 頭には白のヘッドドレス。長めのそでと丈の長いスカートタイプの黒を基調にしたメイド服には、可愛らしい白のフリルががふんだんにあしらわれていた。


「で、でも……ぼ、僕、帰らないと……。お、お願い……」


 ほとんど肌を露出しない格好は、いまどきめずらしく清楚然としていた。


 そんな使用人がその黒曜石のような瞳を潤ませながら上目づかいに懇願するそのさまは、男たちの庇護欲を自然とかき立てる。……そして、同時に嗜虐心も。


「いいから、来い! お前が来ないと、我々がナルシシスさまにひどい目にあわされるんだよ!」


「え……い、いたっ!」


 ついに、業を煮やした男のひとりがその腕を乱暴につかみあげた。まるでその現実を認識できないかのように、一拍遅れて使用人が悲鳴をあげる。


「え、あ……た、助け……! だれか……!」


 それから、あわててあたりを見まわし、思いだしたように助けを求めるも、行き交う人々のなか、視線を向けてくるものすらもだれもいなかった。


 それは、当然のことといえた。没落したとはいえ、いまも十分な力を持つ元貴族ステーリヤ家の少女狩り。


 一時はなりをひそめ、最近ふたたび活発化してきたそれに好き好んで巻きこまれたいものなどいないだろう。


 そう。事情を知らないよそ者か、もしくは――


「ったく! はるばる海を越えて来たっていうのに! そこのあんたたち! このあたしの目の前で、なにふざけた真似してくれてんのよっ!」


 ――いかなる事情も権力も、ものともしない人間しか。


 そのふたつ結びの赤い髪の少女は、疾風のように駆け、肉薄するとともに、腰の刃を抜き放った――赤い炎をまとう刃を。


「これでもくらって反省しなさい! 【聖火の抱擁(フレア・エンブレス)】!」


「な、なんだっ!? きさ……う、うああぁっ!?」


「ひ、火がぁっ!? 全身にぃっ!? 」


「あ、熱っ……!? し、死ぃ……あ、あれ?」


「ばーか。このあたしをだれだと思ってるの? そんな魔力調整ミス、するわけないじゃない。……っていうか、しっかり隠しなさいよ!?」


「「「うお!? う、うむ……! す、すまん……!」」」


 顔を赤らめた少女がそっと男たちから視線をそらす。


 少女の手に持つ赤く光を放つ刃から、意志を持つかのように男たちの全身にまとわりついた炎。


 それは、きっちりと焼きつくした。その肌には火傷ひとつつけず、男たちが身につけた装備のうち、その服だけを。


 あられもない姿となった男たちが、無事だった胸あてやら剣に巻いた帯やらでなんとかぎりぎり正対できる(てい)をととのえる。


 そして、いまさらながらに問いかけた。


「「「おのれ! 貴様! いったい何ものだ!?」」」


「ふふん! その腐った耳の穴かっぽじって、よーく聞きなさい! あたしこそは!」


 いうなり少女は猛く燃える刃を天高く掲げた。そのまま振り下ろし、逆袈裟に切り上げ、薙ぎ、まとう炎を躍らせる。


 そして、男たちに刃を突きつけ、宣言した。


絢爛(けんらん)! 流麗! 才色兼備! その名も謎の美少女剣士フラレム・バーンアウトよ!」



「………………え? 謎って、なにそれ? あと、美少女とかなんとか、普通自分でいう?」


 渾身のやりきった感を見せる、ふたつ結びの赤髪の少女のうしろ。


 たったいま危機一髪で絶体絶命の窮地を救われたはずの使用人は、ぽつりとそうつぶやいた。あっけにとられたようにぱちくりと目をまたたきながら。


 ――先ほどまでのか細いものとはちがう、その可憐な外見に見合わない、妙に低い声で。






ブクマ、評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。

あたたかい感想もお待ちしています。

(展開予想とかだと、うまく返信できないかもしれませんがご容赦ください)



さて。ということで、絢爛! 流麗! 才色兼備! な謎の美少女剣士()フラレムが、これまた謎の黒髪黒目メイド服の使用人()を助けました。

はい、謎のふたりです。そういうことにしておいてください。


※ちなみにフラレムは、これで身分バレは問題ないと本気で思っています。絶対に名前は名乗りたい娘。


余談ですが、この話の地の文は、かなり試行錯誤しています。



さて、予期せぬふたりの出会いは、なにをもたらすのか……?

次回「どうして、こんなことに?」


では、また書き上げ次第。

それでは今後とも、よろしくお願いいたします……!

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