224話 再会。
お待たせしました。
本日もよろしくお願いいたします。
「ああ、あんたが〈輝く月〉のリーダー、ノエル・レイスか。うわさはいろいろと聞かせてもらってるぜ。フーディー・セルンだ。おもに魔物を中心にした食材をあつかっている。あんたらみたいな実質貴族階級並の口に入る高級なやつもな。いま飲んでるその茶葉もお近づきのしるしとして、俺が進呈させてもらった。まあ、以後よろしく頼む」
ようやく気をとりなおして階下に降りた僕をリビングで待っていたのは、小ぎれいに整えつつもやや粗野な風貌をした商人の男だった。
「……こちらこそ、よろしくお願いします」
とりあえず流されるままに軽く握手をかわすも、けげんに思う気持ちは止められない。
(めずらしくも好ましい来客があってな。きっと君もおどろくだろう)
このひとがニーベリージュがいっていた、めずらしくも好ましい来客……? いや、それともこのひとのうしろに立ってる立ち姿に隙のない女のひとか……?
そう思い、男のうしろに控え、ぴしりと立つ長身の女性に目を向けるも、ただ無表情でたたずむだけ。
おまけに僕といっしょに座っているニーベリージュとネヤも、すました顔でただだまって紅茶を飲んでいるだけだった。
……あ、美味しい。
ひと口ふくみ、芳醇な香りとともにほうっと息をつくとようやく気がつく。
……あれ? そういえば、ほかのふたりは?
――僕がそう思うのと、同時だった。
「あー、だめだ……! これ以上は間がもたねえ……! おい、嬢ちゃんたち……! もういいだろ……!」
腰かけたままソファーに前のめりになり、顔をおさえたフーディーがため息をつきながら、そうつぶやくのは。
「え~! まだはやいよ~! フーディーおじさん~! もう、しっかたないなぁ~!」
部屋の隅から、そんなからかうような、少し不満そうな声のディシーに背中をおされるようにして、あらわれたのは――
「ひさしぶりだね! ノエルくん!」
――三つ編みにした茶色のおさげ髪をゆらして、屈託のない笑顔を向けた、旅装姿の年上のお姉さん。
その姿を見た僕は、思わず立ち上がり叫んでいた。
「フェ、フェアさん!?」
「ふっふ~ん! ノエル! さらにスペシャルゲストはまだ終わりじゃないよ~?」
「はい。おひさしぶりですね。ノエルさま」
「さぷらいず」
――さらに、ぼそりとつぶやくロココに手をひかれてやってきたのは、黒髪をポニーテールに結い上げた、眼鏡の奥に鋭い眼光を光らせた同じく旅装姿の長身の女性。その口もとには、薄く笑みが浮かんでいる。
「サ、サーシィさん!?」
ふたたび僕は、反射的に思わず叫んでいた。
「「サプライズだいせ~こ~!」」
――などと無邪気にはしゃいで手をたたきあうロココたちのやりとりを耳にしながら。
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ということで、再会しました。フェアの初登場は33話(今回の展開にあわせて微修正を加えました)、サーシィは39話。ふたりとも最終登場は154話になります。あとフーディーは146話のみ登場。そして初対面ですが、ディシーが騎士団等ゴルドーにつづいて天然おじさんキラーぶりを発揮しています。
さて、リライゼンの街にいたはずのふたりがなぜ王都に来たのでしょう?
次回「父娘」
では、また書き上げ次第。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。





