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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】2章 集う希望、蠢く絶望。

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216話 下地。※

久々の投稿です。

すみません。メンタル的に死んでました。

「作業」はがんばってましたが。


別視点。

本日もよろしくお願いいたします。

「くっ……! ネヤ……! 今日はここまでとしよう……!」


 高く陽の光がさしこむブラッドスライン家の中庭。


「はあっ……! はあっ……! は、はい……! ニ、ニーベ……! あ、ありがとうございました……!」


 相対するニーベリージュが荒く息をつきながら、槍斧(ハルバード)を地面に刺し、身にまとう青の炎を消すと同時、わたしはいつものようにべたりと地面に座りこみました。


 もう全身が汗びっしょりで手も足もただぷるぷると震えるばかりで、みっともなく倒れこまないようにするのがやっとです。


 いつものように乱れた呼吸と魔力がととのうのをいまはこうして、ただ待つしかありません。


「はあっ……! はあっ……! はあっ……!」


 ――あれから、ノエルにいさまたちに認められ、わたしが〈輝く月(ルミナス)〉に入ってから、七日が経っていました。


「はあっ! はあっ! はあっ! あ、あたし、もうムリ〜! 限界〜!」


「はあっ! はあっ! はあっ! ロ、ロココも……!」


 少し離れたところで、対峙しあうディシーとロココが力尽きたように同時に座りこみます。


 それだけならば、わたしと同じ。ですが、その地面に空いたおびただしい数の小さな穴と、大気に還りつつある濃密な魔力の残滓を見れば、わたしとは比べものにならないほどの過酷な訓練だったことがわかるでしょう。


(我は刻み、我は(あらわ)す! その幾千なる(かいな)を以て、我が敵を、捉え、掴み、打て! 【幾千なる(サウザンデッド・)亡者の腕(オーバーラン)】改ニ!)


(纏わせ、鎧え。鋼の如く。そして、延ばせ。我が意に応えし手足となりて)


 目や手足といった体の一部への魔力集中を覚え、さらに磨きを上げつづけるディシーの魔法と、このまま鍛えあげればいままでになかった発想のクラスとなるとニーベリージュが評したロココの新しい戦闘方法の衝突。


 自分の訓練の合間にちらりと横目で見ただけですが、ふたりのそれは訓練であってもまさしく死闘と呼ぶにふさわしい苛烈さを持っていました。


 ……少なくとも、いまのわたしでは、どちらもまったく抗することができないほどの。


 ――そして、ニーベリージュ。


「【聖闇破斬(ダークライト・エッジ)】! うおお! 【聖闇逆十字(ダークライト・クロス)】! はあっ……! はあっ……!」


「ノエル……。少々、根をつめすぎではないか? 私と全力で打ち合ったあとだというのに。今日はもう休息を……」


「ニーべ……! いや、僕はもう少しやっていくよ……! みんなは先にあがってて……! うおおお……! 【聖闇破斬(ダークライト・エッジ)】!」


 離れたところで一心不乱に、ひとり黒と青の光をまとう闇の聖剣を振るっていたノエルにいさまに、息をととのえ終えたニーベリージュが声をかけます。


 ――そうです。ニーベリージュはわたしと戦う前に、すでににいさまと一戦交えていました。ですが、いまのわたしはその疲弊したニーベリージュと打ち合うのがやっとなのです。


 わたしが〈輝く月(ルミナス)〉に加入してから、七日。ディシーと同じように体の一点への魔力集中を覚え、模擬とはいえ戦闘経験を積み、わたしは確実に強くなったはず。


 けれど、まちがいなく縮まっているはずのその差が、わたしにはどんどんと広がっていくようにしか思えませんでした。


 このままでは……。けれど、どうすれば……?


 座りこんだまま答えのでない問いを自らに投げかけながら、せめてもとわたしは“糸”を紡ぎます。




 ――転機はその日の夜に訪れました。


「夕食後にとどめてすまない。明日は、みなで王城にいこうと思うが、いいだろうか?」


 テーブルを囲み、ソファに座るわたしたちにニーベリージュがあらたまったように問いかけます。


「うん」


「もっちろん!」


「……かまいません」


「……ごめん。ニーべ。いつものお茶会なら、僕は」


 快諾した面々の中、ただひとり固辞しかけたにいさまに、しかしニーベリージュはゆっくりと首を振りました。


「いや、ノエル。君も来い。いてもたってもいられず夜中にもその聖剣を振らざるをえないほどに、いまの自らに焦りを感じているのならば」


 思いもよらないその言葉にハッと見つめると、にいさまは図星をつかれたようにグッと唇を結び押し黙っています。


「明日は久方ぶりの顔もある。答えが得られるとまではいわないが、君にとっても必ずや一助となるはずだ。そして、ネヤ」


 うつむくにいさまをじっと見つめていた紫と赤の色ちがいの瞳が微笑みながら、すっととなりのわたしへとすべります。


「今日までよく私についてきてくれた。下地は十分だ。いまの君ならば、まちがいなく得られるものがあるだろう。ゆえに、明日会わせよう。私の知るかぎりこの王国において、最も優れた“無手”の使い手と」


 ――そして、思いもよらないその出会いは、わたしにとって革新的な変化をもたらすことになるのです。






ブクマ、評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。


ということで、ネヤが少し強く。ディシーもちょっと強く。ロココはかなり強く。ニーベリージュは順調に地力を伸ばし、ノエルはなにやら悩んでいるようです。


次回「白銀騎士」


またよろしくお願いいたします。

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