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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】2章 集う希望、蠢く絶望。

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213話 力の差。※

お待たせしてもうしわけありません。

ふたたびの“作業“、さらに実生活でもいろいろとありまして。


別視点。それでは、本日もよろしくお願いいたします。

「これなら、どうです!」


 陽の光がさしこむブラッドスライン家の中庭。


 天と地。バッ、と広げたわたしの両腕の指先から、無数の魔力の糸を放ちます。振り下ろすように、同時にすくい上げるように――全方位からの攻撃。


「【大火(スピリット)焔霊(バースト)】」


 対峙するニーベリージュが告げると同時、身にまとう青の霊火がその火勢を増しました。


 あれは、あの“右刀”のバーリオを倒したという……!?


 膨大な魔力を一気に練り上げることで、ごく短い時間ですが大火を生みだすという、ニーベリージュの新たな力。その技の前に、わたしの魔力の糸の先端は、とどく前にすべて燃やしつくされてしまいました。


 ガシャ。


「あと8歩」


 さらに、その大火をまとったまま悠然と前に歩を進めます。


 その独特な金属質の足音は、いまはひどく耳ざわりに聞こえました。


「なら……!」


 迷っている(いとま)はありません。


 着衣が汚れるのもいとわず、べたりとひざをつきます。ひとつ深く息を吸い、両手を地面へ。


「ここです……!」


 燃えちぎれて落ちた糸。けれど、いまだ貴女の周囲にまとわりつくそれに一気に魔力をそそいでつなぎあわせ、比して青の炎の少ない、その死角から……!


「【焔霊力場(スピリットフィールド)】」


 いままさに、つなぎあわせたばかりの魔力の糸。死角となるはずの足もとからのばしたそれをニーベリージュが展開した青の霊火の壁が阻み、今度は跡形もなく焼きつくしました。


「地を這う、か。狙いはともかく、見え見えだな。所詮は真似ごと。無動作でそれを可能とするロココには遠くおよばない」


 その姿を覆いつくす青い炎の壁が薄れていく向こうで、ニーベリージュが淡々とつぶやきます。


 ガシャ。


「無論それを知る私にも、な。さて、これで残り7歩だ」


 強い……!


 けっして甘くみていたわけではありません。ですが、その力はわたしの想像のはるか上でした。


 そして、もう実感せざるをえません。10歩を動き、ニーベリージュが手に持つ槍斧(ハルバード)をあてる前に止めれば勝ちというこの決闘(ルール)


 これが、わたしの覚悟をただ貶め、辱めたのではなく、目の前のニーベリージュとのあいだに横たわる純然たる力の差なのだと。


「だとしても……!」


 ぐるぐる、と。ふたたび立ち上がったわたしは、絶えず魔力を奔らせながら、次々とその指先からのびる糸同士を ()りあわせていきます。


 一本では力が足りないのなら、束ねた強靭な“撚糸”で……!


「ニーベ! わたしは、ここで止まるわけにはいきません!」


 叫ぶと同時に両腕をうしろへ。そして、大きく体をひねり、回転の勢いとともに右手の“撚糸”をニーベリージュの胸もとへとたたきつけます。


 ですが、その身にまとう青の霊火は、わずかにゆらぎ、散ったのみでした。


「残り6」


「まだ終わりではありませんっ!」


 その言葉をさえぎるように、左の“撚糸”を。


「まだ! まだ! まだ、まだですっ!」


 右、左、そしてまた右。先端を燃やされぼろぼろになった“撚糸”を魔力で再強化。髪をふりみだし体をひねりながら、連続で休むことなく振るいつづけます。


「やああああああっ!」


 そしてついに、青の炎が散り、むきだしになったその黒の鎧の胸もとへと、両手の“撚糸”を――


「甘い」


 ――ぶちぶち、と。ニーベリージュが狙いすましたようにのばしたその青の霊火をまとった左手でまとめてひきちぎられました。……右手の槍斧(ハルバード)を使うことすらなく。 


「くっ……!? はあっ! はあっ! はあっ!」


「そのまま聞け。私は〈輝く月(ルミナス)〉の盾だ。正面に立ち、みなを守るのが私の役目」


 ガシャ。


 大量の魔力と極度の集中。糸が切れたように脱力し、地面にぺたりと座りこみながら荒く息をつくわたしに、耳ざわりな金属質の足音とともにニーベリージュの声が響きます。


「ノエルは攻撃手(アタッカー)。ディシーは魔法特化の後衛火力職。ロココは遠近、攻防を問わない万能手」 


 ガシャ。


「ネヤ……!」


「ネヤちゃん……!」


「ネヤ」


 ちらり、と離れたところで固唾を飲みながらこの決闘を見守るノエルにいさまたちに視線を送りながら、ニーベリージュが歩を進めます。


 ガシャ。


 そして、間近でわたしを見下ろせる位置に来たニーベリージュが槍斧(ハルバード)を大きく振りかぶりました。


「残り0歩。すでに私の間合いだ。いままでとはちがい、ここからはもう無事の保証はできない。無論善処はするが。さあ、どうする? ネヤ・レイス。君にその覚悟が本当にあるか? 私を止められない君に、このパーティーでなにができる?」


「わかりません……! ですが……!」


 乱れた息と魔力を整え終え、ふたたび立ち上がったわたしは、ニーベリージュのその紫と赤の色違いの瞳をキッとにらみつけました。


「止めて、みせます……!」


「いいだろう。ならば――いくぞ!」


 ごうっ、と。吹きつける強烈な“威圧”とともに、ニーベリージュが大きく前に踏みきりました。


 ……まだ、策はあります。


 あとは、わたしの――覚悟だけ。






ブクマ、評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。

最近更新できてなかったのに、じわじわとブクマや評価が増えていてうれしいです。


ということで、ニーベリージュとの力の差でした。さて、ネヤの策とは。覚悟とは。


次回「この瞬間を待っていました」

決着です。別視点。


なんかめっちゃ筆がのってできたので、明日投稿します。


それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

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