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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】1章 すべて僕のものだ。

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202/277

200話 あたしたちの勝ちだ。※

別視点。

本日もよろしくお願いいたします。

 目を閉じたあたしの耳に、間断なく金属同士が擦れあうような音が響いていた。


『この! しぶといんだよ!』


『いいかげんに! 倒れろ! 【花】ごときがぁ!』


「絶対に、させない……! ディシーは、ロココが守る……!」


 見なくても、わかる。


 ロココちゃんがいま、どれだけ必死であの双子、ジェミとジェニの猛攻からあたしを守ってくれているのか。


 だからあたしは、100%ロココちゃんを信頼して、全力であたしのいまするべきことができる。


 たしかにあたしは、目とか足とかに魔力を集中する訓練は、あまりやってこなかった。


 でも、ずっと訓練してきたことは、あたしにだってある。


 それは、あたしの戦い方の要、魔法の構築と改造。あの魔王との戦いのあとから、一日も欠かさずあたしはそれを磨いてきた。


 創ってはまた分解して、また創って、少しでも速く、少しでも強く、みんなの力になれるように。


 だから……!


「お待たせ! ロココちゃん! いくよ! 巻きこまれないように、呪紋全開でふんばって!」


 あたしは、新たに構築した、とっておきの新魔法を刻んだ【クロちゃん】――黒の精霊を空中に放り投げた。



『!? なんだ……!? なにか、やばい……!? ジェミィィっ!』


『ああ! ジェニィィっ! 足に全魔力を集中してでも、逃げるよっ!』


 いうが早いか、ものすごい勢いでジェミとジェニがあたしたちから遠ざかりはじめた。【隠形】に使う魔力さえも惜しいのか、姿さえ消さずに。


 ――でも、そんなの関係ない。あたしのこの新魔法は、見えてようがいまいが、絶対に逃がさない。


「我は刻み、我は(あらわ)す! 黒き渦よ! 逆巻け! 呑みこめ! (かたち)あるもの、容なきもの! 誘引し、掌握し、総ていま我が手の中に! 【黒き奔(ブラックホール・)流の渦(ヴォルテックス)】!」


『う、う、うわあぁぁぁっ!? ジェ、ジェミィィィっ!?』


『ジェ、ジェニィィィっ!? な、なんだよ、これ!? ひ、引きよせ……うわあぁぁぁっ!?』


 黒き精霊が弾け、渦となった。あたりのものすべて、見境なく巻きこむ荒れ狂う黒の嵐の中心に。


 そして――



『はは……! やってくれるじゃないか……! 【花】ごときが……!』


『こんな方法で、ボクたちふたりを捕らえるなんてね……! でも、次はどうするつもりなのかな……! こんな殺傷力のまるでない魔法で……! いっておくけど多少の攻撃なら、いまの痛みすら感じない僕たちには通じないよ……!』



 ――いまも逆巻き、塵や魔力を吸いこみつづけている空中に浮かぶ黒の渦に、まるで標本のように縫いとめられ、互いに絡みあったジェミとジェニ。その体には、傷ひとつない。……さっき砕いた腕は、別として。


 そう。あたしが創ったこの新魔法には、攻撃力がまったくなかった。そのかわりにあるのは、圧倒的な吸引力と拘束力。でも、それでなにも問題はない。


「ロココちゃん」


「うん。ディシー。あとは、まかせて」


『『なっ……!? なんだよ、それ……!?』』


 ――あたしたちの、勝ちだ。


 ロココちゃんの右足を何十重にも巻きつけられた赤い呪紋が覆っていた。


 それは、ついさっきまであたしの忠告どおり巻きこまれないようにふんばって、地面に突き刺していたたくさんの呪紋。あの黒の嵐の誘引にも耐えきった【力】がいま、その一点に。


「ふっ!」


 そのうちの一本を地面に突き刺し、ロココちゃんが天高く跳び上がる。


「全力で……穿つ!」


 それはまさに、尾を引く赤い稲妻――流星だった。


『ジェ、ジェミっ!?』


『ジェ、ジェニっ! ぐうああああぁぁぁぁっ!?』


 空を斜めに切り裂く赤い【光】と化したロココちゃんが空中に縫いとめられたジェミとジェニと交錯し――



『ぐっがっ、はは……! 本当にやってくれるじゃないか……! でも……!』


『がはっ……! やっぱり、甘いなぁ……! まさか、この期におよんで、急所を狙ってこないなんて……!』



 そう。ロココちゃんが狙ったのは、ふたりの足だけ。空中で重なりあったそれを重ねた赤い呪紋がまとめて刺し貫いていた。


 だが、それで致命傷にいたるわけでも、意識を刈りとれるわけでもなく。そんなロココちゃんを息も絶え絶えになりながらも、ふたりは嘲笑う――見当違いに。



「いままでは、やろうと思っても、遠すぎてとてもできなかった」


『『な……に……?』』


「でも、ゼロ(この)距離なら、できる」


 ――もう一度いう。あたしたちの、勝ちだ。


「潜り、解き」


『『そ、それは……!? ま、まさか……!? う、嘘だ……!? 嘘だぁぁっ……!? や、やめっ……!?』』


 赤い呪紋がまるで生きもののように、その傷口からジェミとジェニの体の中へと潜りこんだ。


「壊せ」


『『ああがああぐぎぃやああぎゃああがあああああがぁぁぁぁぁっっっ!?』』


 それは、想像を絶するような痛みを強いられる魔力組成の根幹への強制的な干渉。


 うりふたつの表情、うりふたつの声で、まるで断末魔を思わせるつんざくようなジェミとジェニの絶叫があたり一帯に響き渡った。






ブクマ、評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。新規にブクマ、高評価いただいた方、モチベ上がりました。ありがとうございます!


ということで、まずは1勝です。

そして、激戦を経てふたりともパワーアップしました。


次回「想像を超える切り札。※」 別視点。


では、また明日よろしくお願いいたします。

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