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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】1章 すべて僕のものだ。

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198話 仲間(かぞく)。※

別視点。

本日もよろしくお願いいたします。

「ディシーは、いっしょにお風呂に入ってくれる」



『……はい?』


 間の抜けた返事を返すジェミを真剣そのものの顔で見つめ、なおもロココちゃんはつづける。


 呪紋による【回復】の後遺症で、声をかすれさせながら。それでも、必死で――


「いっしょに寝てくれる。同じテーブルを囲んでくれる。抱きしめてくれる。笑いかけてくれる」


 ――あたしに、伝えようとしてくれていた。


「つらくて苦しいときに、手を握っててくれる」


 そんな、そんなの、あたりまえだよ……! だって、あたしたちは……!


「どれも、ノエルと、みんなと出逢うまでのロココにはなかったこと。それが、こんなにも力をくれる。だから」


 ロココちゃんの銀色の髪と半分赤く染まった白のケープマント【六花の白妖精(フラウ・シルフィー)】、その下に身につけた色とりどりの帯がぶわり、と魔力を含んだ風を受けてたなびいた。


「【輝く月(ルミナス)】は、ディシーはロココの大切な、頼れる仲間(かぞく)。足手まといでも、ましてや役立たずなんかじゃ、ない……!」


 あたしたちは、仲間(かぞく)だから……!



『ふーん。仲間(かぞく)ねえ。じゃあさぁ』


 ぼろぽろと涙をこぼすあたしの視線の先。なんの感慨も見せずにジェミがゆらりと動きだす。


『その仲間(かぞく)が与えてくれる力とやらで、止めてみなよ! さっきから手も足もでてないボクをさぁ!』


 ふたたびジェミの姿がかき消える。


来る……!


 あたしは、目を閉じて集中した。いまのあたしにできることをするために。


 あたしのことは、ロココちゃんが必ず守ってくれると信じて。


「いわれなくても、そうする。さっき【再構築(つくりなお)した】ときにようやく気づけた。いまのロココに必要なのは」


『あははは! なにをしたって無駄さぁっ!』


「前に立って仲間(かぞく)を守れるニーベのような強い体。纏わせ、鎧え」



『な……に……!?』


 金属同士が擦れあうような音を耳にして、あたしは目を開けた。


「これは、仲間(かぞく)がいたからこそ、その戦う姿を見てきたからこそ創れた、新たな力。ジェミ。いまのロココはさっきよりずっと強い」


 無闇に展開するのをやめ、その両手両足に集中した赤い呪紋をまるでニーベさんのまとう手甲や脚甲のごとく幾重にも巻きつけ、強化したロココちゃんの姿と――


 いまだ……!


 ――絶対の自信をもっていただろう死角からの攻撃を完全に防がれ、虚をつかれて驚がくし完全に動きを止めたジェミの姿。


「我は刻み、我は(あらわ)す! その幾千なる(かいな)を以て、我が敵を、捉え、掴み、打て! 【幾千なる(サウザンデッド・)亡者の腕(オーバーラン)】改ニ! 最大出力!」


『なっ……!? しまっ……!?』


 あわてて姿を消し、遠ざかっていくジェミの気配。


 でも、関係ない。いまのあたしにはどうせ見たってうまくとらえられない。だから。



 ヒュドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!


『な、な、なななんだよっ!? このでたらめな数!?』


 つかまえるための【手】が足りないんなら、千でも万でも億でも増やして、無理やり引きずりだしてやる!


 そして、もしあたしがさっき見たのが正しいのなら……!


『『う、う、うぐうあぁぁぁっ!?』』


 たしかな手応えがあった。無数に、まるで荒れ狂う濁流のごとく放った無数の【手】のうちの何十本かがあたった感触――それが()()()()()()から。


 ……あたしの想像を裏づけるように。






ブクマ、評価、いいね! などの応援いただきありがとうございます。


ということで、反撃開始です。


次回「狂気※」 別視点。


では、また明日よろしくお願いいたします。

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