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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第3部 光と闇と混沌と】1章 すべて僕のものだ。

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157話 還元(リバース)。

燃料をありがとうございました。

どうかお楽しみください。

 討伐難易度【災害(カラミティ)】。


 冒険者パーティーのような個人戦力では手に負えないと判断された魔物に冠せられる禁忌討伐対象のあかし。


 だが、本来ならば数をそろえた騎士団の精鋭で対処するべきその相手に、僕たち【輝く月(ルミナス)】は単独で挑んでいた。王国から直々に指名依頼を受けた【闇】の勇者パーティーとして。


『ギュウオオオウィィィァァッ!』


「さ、苛み、縛れ……!」


「【ク、クロちゃん】……! が、がんばって……!」


「はあああぁっ! 来い! その薄汚い触腕、私の誇りにかけて、私の友にはかすらせもしないぞ!」


 そして、そんな規格外の魔物、【災害(カラミティ)寄生触手群体(パラサイトテンタクル)】と対峙する僕たちはいま――あきらかに防戦一方だった。


『ギュウオオオウィィィッ!』


 もともとは青々と繁っていたであろう樹齢千年といわれる神木。


 その葉をことごとく枯らされ、かわりにその巨大な幹の上に生えるのは、おぞましく蠢く大量の触腕。



「くっ……!」


「う、うぅっ……!」


「はっ! はあぁぁっ!」


『ギュウオオオウィィィァァッ!』


 寄生した神木の(うろ)から発せられるのは、かつてロココとふたりで倒した【大妖樹ギガントトレント】ともまた違った叫びにも似た複雑な反響音。


 それとともにくりだされる巨大な触腕による無数の波状攻撃。それを防ぎ、おさえこむので精いっぱいだった。



「やっと、見つけた……!」



 ――そう。まさしく僕たちの狙いどおりに。



 ひとりみんなから離れ、隠れていた僕。腰の刃を抜き放つとともに、まとっていた高レベルの【隠行】を解除すると、両足に魔力を集中し、戦場へと一気に駆けだした。



「うおおおおっ!」


『ギュウオオオィィィッ!?』


 そして、到達と同時に次々と青と黒の【光】を放つ刃を閃かせる。僕の新たな運命――勇者のあかしたる【闇】の聖剣を。



「ノエル……!」


「や、やっと来たぁ……!」


 そう。僕が聖剣にその魔力をすべて食らうために、わざわざふたりに()()()()()()()()()()()無数の触腕に向けて。


『ギュグガウオオオウィィィァァッ!』


「いまさら遅い!」


 くりだしていた触腕をすべて潰され、怒声にも似た唸りを神木の虚からけたたましく響かせる【災害(カラミティ)寄生触手体(パラサイトテンタクル)】。


 だが、それが次の行動を起こすよりも早く、僕はふたたび魔力を足に集中して跳び、一気に神木本体へと肉薄する。



 狙いは一点。


 みんなが稼いでくれた時間をかけて暗殺者として鍛えられた僕の目がとらえた、【災害(カラミティ)寄生触手体(パラサイトテンタクル)】の唯一の弱点――神木の【核】との、そのつなぎ目。


「お前が奪い、そして僕がお前から奪った魔力! いま――還す!」


 その一点へ向けて、暴発寸前の青と黒の【光】を迸らせる刃を刺し入れる。


「【還元(リバース)昇華(ライズ・)連鎖爆撃チェイン・ブレイク】!」


『ギュグググガウオオオァァッ!?』


 膨大な魔力の爆発。激しい衝撃と強烈な破壊音があたりを地響きとなって揺るがした。


 神木の上部が跡形もなく爆ぜ割れ、そこに蠢いていた無数の触手がその衝撃で一気に高く高く空へと跳ね飛ばされる。



 ガシャ。


 独特の金属質な足音を響かせ、戦場にその身にまとう青い炎が燃え上がる。


「よし! いくよ! ニーべ! 仕上げだ! うおおっ! 【聖闇破斬(ダークライト・エッジ)】!」


「ああ! ノエル! はああっ! 【焔霊(スピリット)断撃(スマッシュ)!】」


 青く黒い【光】の帯と燃え盛る青の霊火の帯が同時に空を薙いだ。


 神木という供給もとを絶たれた触手体は、その身にあまる魔力をとどめることもできず急速にしぼんでいくとともに、あっけなく斬り裂き、焼きはらわれる。



『…… …… ……!?』



穿(うが)ち、(えぐ)れ! (くび)り、(ねじ)れ!」


「お待たせ! 【クロちゃん】! もう我慢しなくていいからね! あ~んな気持ち悪いやつ! ぜ~んぶぶっ潰しちゃってっ!」


 そして、ボトボトと上から無数に落ちてくる、ちぎれて焼け焦げた触手の残骸の雨を赤い呪紋と黒き精霊の千を超える【腕】がことごとく串刺しにし、捩り、握り潰した。


『…… …… …… ……!?』


 こうして、神木から引きはがされた、ついさっきまで【災害(カラミティ)】の名すら冠していた希代の魔物――しかしそれ単体では最弱のFクラスにすら劣る、いまやなんの力も持たないただの【寄生触手群体(パラサイトテンタクル)】は、発声器官すら持たないその矮小さがゆえに断末魔の叫びすら残すことなく、完全に消滅したのだった。






お読みいただきありがとうございます。ブクマ、評価、いいね! などいただきました方、深く感謝申し上げます。あたたかい感想をいただけたら、うれしいです。



ということで、ボス戦決着です。

次回「再生と理」明日またよろしくお願いいたします。


忙しくなった日常の合間を縫い、読者のみなさまに支えられて執筆しています。

これからもどうかよろしくお願いいたします!

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