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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第2部 死霊行軍】3章 闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか?

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147話 君は、本当は。

燃料をありがとうございました。

どうかお楽しみください。

「ふっ! はっ! はああっ!」


 暖かな午後の日差しが降りそそぐ中庭に、舞うように槍斧(ハルバード)が風を切る音が何度も響く。


「ここにいたんだ。熱心だね。ニーべ」


「ノエルか。ああ。先日の【死霊聖魔女王】との戦いで思い知ったからな。私もまだまだだと。それに」


 軽装の鍛錬着に身をつつんだニーベリージュが額に張りついた紫の髪をかき分けながら、ふっと微笑んだ。


「こうしてまた太陽の下、思いきり汗を流せること。それ自体が私にとっては得がたい幸せだ」


「……ニーべ」


 あの【死霊行軍(デススタンピード)】の最中に聞いたニーベリージュの事情。


 家族をすべて失ったこと。ブラッドスライン家とブラッドリーチ家の確執。そして、いまはもうその効力を失った装着者を半死人と化す黒い全身鎧【霊死の黒鎧(アニメート・コプス)】。


 ロココやディシーがかかえたものに、勝るとも劣らないその境遇。

 

「それでどうした? ノエル。私を探していたようだが、なにか用があったのではないのか?」


「あ、うん。用ってほどじゃないけど、ちょっと聞きたいことがあってさ」


「聞きたいこと?」


「うん。ニーべ。さっきはああいってたけど、本当のところどう思ってるの? もう貴族じゃなくなったブラッドリーチ家やほかのひとたちについて」


 ざあっ、と風が吹いた。


 肩までの紫の髪が乱れ、ニーベリージュの表情を隠す。


「あのあと、僕なりに考えたんだ。でも、どこをどう考えても彼らには困難しか待っていない。それこそ路頭に迷ってもおかしくないほどの。そして、部外者の僕でさえ簡単にたどりつける結論に、当事者のニーべがたどりつけないわけがないって」


「…………」


 ニーベリージュは答えない。


「でも、あのときディシーやロココにニーべが答えた言葉に嘘はないように思えた。それに、そんな嘘をつくなんてニーべらしくないって、僕自身も。だから――」


「――こうして直接私の本心を聞きに来た……か?」


「……うん。ニーべ。君は、本当はどう思ってるの? あのひとたちにどうなってほしいの?」


 ニーベリージュが静かに赤と紫の色違いの瞳を閉じる。


「……わかった。答えよう。だが、条件がある」


「条件?」


「ああ」


 そして、ふたたび見開くと同時、その全身を一気にゆらめく青い霊火がとりまいた。


「一合でかまわない……! 私と打ちあってもらおうか……! ノエル・レイス……! 暗殺者としてではなく、【闇】の勇者としての君の力を私に見せてみろ……!」


 残光をなびかせ激しく燃える赤。凪のように静かな光をたたえる紫。


 対称的なふたつの瞳が僕を見つめていた。青くゆらめく【光】を放つ槍斧(ハルバード)の切先とともに。






お読みいただきありがとうございます。ブクマ、評価、いいね! などいただきました方、深く感謝申し上げます。あたたかい感想をいただけたら、うれしいです。



ということで、なにかを見定めるべく、ノエルとニーベリージュの決闘開始です。


次回「いつだって、未来は」 はたして二―ベリージュの真意とは?



忙しくなった日常の合間を縫い、読者のみなさまに支えられて執筆しています。

これからもどうかよろしくお願いいたします……!

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