表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第2部 死霊行軍】3章 闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

139/277

137話 至宝。

燃料をありがとうございました。

どうかお楽しみください。




 この王国の、そのはじまりより伝わるとされる至宝、【光】の聖剣。


 それに選ばれたものが【勇者】と呼ばれる。


 では、もしその聖剣を失ったのなら……?



「では、勇者ブレンよ。【光】の聖剣、返納の儀を」


「はい……!」


 王都の王城、聖剣の間。


 黄金一色に満たされた部屋の中。縦一直線に走る青黒い【光】の線。


 僕からはいまだ顔も姿も見えない王の命に応え、その少し前に向かって、かつて僕の所属していた勇者パーティーのリーダー、【光】の勇者ブレンが歩み出る。


 そのギリギリと軋む歯と、血管の浮き出たその形相は、まるで耐えがたい怒りと屈辱を押し殺しているかのように見えた。


 ブレン……。


「はああああっ!」


 僕がその胸中に複雑な思いを抱く中、ブレンが残る左手に【光】の聖剣を携え、黄金の床へと突き刺す。


「うわっ!?」


「きゃっ!?」


 途端にまばゆい、本当に目を開けていられないほどの強く激しい【光】が部屋中を埋めつくした。



「……え?」


 そして、次に目を開けた瞬間、絶句する。


 壁も床もなくなって――いや、見えなくなっていた。


 この黄金一色の部屋全体を呑みこんだ、聖剣が発する絶大な【光】によって。


 そしてそれは、聖剣もまた例外ではなく、僕の、いやおそらくは僕たちの目からは、もはや影も形も見えなくなっていた。



「うむ。大義であった。勇者ブレンよ。これで【光】の聖剣は、いずれ其方に返すとき、あるいは次なる資格持つものが現れるまで、何人も例外なく触れることも見ることも叶わぬ」


 ……そうか。そういうことか。それが、聖剣に選ばれることの意味。


 なら、いまもブレンには変わらずに見えているのか。


 光っていること以外なにもわからない空間の中、何者でもなくなった元勇者ブレンが一点を見つめ続けてい――え?


 ……? ()()()


 【光】の聖剣ではない。ブレンの見つめる先、おそらくは聖剣を刺した場所の本来はその影となる部分、そしてあの縦一直線に伸びる【線】のあった場所に、それはあった。


 青く黒い【光】を宿した、一振りの、剣。


 今度は、完全だった。


 その存在を認識した瞬間から、僕の目はその一点に一切のまばたきすらできずに吸いこまれる。



「おお……! 我が代で、ついにこの時が……!」


 感嘆の声が聞こえ、ようやく少しだけ縛りが解け、横目で一瞬だけ視線を走らせる。


 高く玉座に、豪奢な衣装に身を包んだ、白い髪で顔に深く皺を刻み、髭をたくわえた老人――王。


「見えるのだな……! 其方……! ノエル・レイスよ……!」


 厳かな、それでいて、背負っていた肩の荷をようやく下ろしたかのような声で、王が告げる。


「それこそは、この王国のはじまりより伝わりし、もうひとつの至宝……! そう……! すなわち、【闇】の聖剣……!」


 鼓動がドクン、と高鳴る。


 直感した。いままさに、僕の次なる運命が動きだそうとしているのだと。






お読みいただきありがとうございます。ブクマ、評価、いいね! などいただきました方、深く感謝申し上げます。あたたかい感想をいただけたら、うれしいです。


そして、まだまだ切実にお願いいたします。どうか燃料をください……!



ということで、あの【線】の正体は【闇】の聖剣でした。


次回「王は語る」


書ききりますので、これからもどうかよろしくお願いいたします……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ