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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第2部 死霊行軍】3章 闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか?

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123話 紙一重。

「さよなら、ノエル……!」


 天高く陽が上り、時刻は昼を越えたグランディル山の頂の、いまやただの瓦礫跡と化した遺跡にて。


 【死霊聖魔女王】〝玩弄〟のネクロディギス・マリーアが僕のすぐ目の前で嘲笑いながら、刃を握るその左右の腕を閃かせる。


 これを……! 待ってた……!


「レイス流暗殺術、奥義の参……! 【虚ノ鏡(フェイタル・ミラー)】……!」


 極限の集中。僕は力を振り絞って立ち上がると、同時に振り下ろされる両の刃と、それを操る腕に一瞬だけ手を添えた。


 ……この技には、速さも、力も、僕自身の魔力も必要ない。


 ただ導いてやればいい。僕を狙い襲いくる刃と、腕を、魔力を、殺意を。いなし、導き、返してやればいい。


 そう。あたかも鏡に映る自らの虚像を割り砕かせるかのように。



「がっ……!? はっ……!?」


 ――ふたたびひざをつき、見上げれば【死霊聖魔女王】が青ざめ、後ずさっていた。


「な、な、なっ……!? き、きさ、貴様ぁ

っ……!? いま、いまこのわたくしにぃぃっ……! なにをしたぁぁっ……!?」


「ただ返しただけだよ。【死霊聖魔女王】。お前の力をそっくりそのままお前にね……!」


 ……この技は、ひとつの答えでもある。どんな格上でも殺しきるための。だって、いかなる強者であろうとも同じ力を持つ自らでなら、砕けないはずがないのだから。


 ただもちろん、いうまでもなくこの技には多大なリスクがある。一歩、いやほんの紙一重の差で、僕はそのまま斬り殺されるだけなのだから。


 だから、そのために僕はずっと目に焼きつけ続けていた。この戦いが始まってから余すことなく、ずっと。


『はあああああっ!』


『うふふふふふ……!』


 幾度となく繰り返されたニーべリージュと【死霊聖魔女王】の打ち合いを。その剣筋を、癖を。性質を、性格を。


 そう。すべてはこの瞬間。すべてを出しつくして目の前でうずくまる僕を【死霊聖魔女王】が直接手にかけようとするこの瞬間に【虚ノ鏡(フェイタル・ミラー)】を返し、起死回生の勝機をつかむために。


 ……もっとも、いくら酷使してたとはいえ、まさか愛用の黒刀が砕けるなんてのは、完全に想定外だったけど。



「がっ……! ふっ……! ふざ、けるな……! 返した、だけ……だと……? ふざける……なぁぁっ……!」


 胸に突き立てられた【光】と【闇】の二本の刃を無理やりに引き抜きながら、【死霊聖魔女王】が金色の長い髪を振り乱し、幽鬼のような形相で、憎悪に満ちた声で、吠える。


「たかが人間がぁっ……! このわたくしにぃぃっ……! 殺すっ……! いますぐに殺してやる……!」


 ……これで、もう本当にいまの僕にできるすべては出しつくした。だから、あとは。



「【焔霊突貫(スピリット・チャージ)】!」


 黒い霊火の壁をぶち破り、僕と【死霊聖魔女王】ふたりだけの空間に3人の人間が躍りこんでくる。


「貴ぃぃ様ぁらぁ……!」



「頼んだよ……! ニーべ……! ディシー……! ロココ……!」


「ああ……!」


「うん……!」


「わかった、ノエル……!」



 そして、僕たち【輝く月(ルミナス)】と荒ぶる魔王、【死霊聖魔女王】ネクロディギス・マリーアとの決戦。その最終局面が幕を開けた。






お読みいただきありがとうございます。ブクマ、評価、いいね! などいただきました方、深く感謝申し上げます。あたたかい感想をいただけたら、うれしいです。



ということで、奥義の参、【虚ノ鏡(フェイタル・ミラー)】の詳細でした。条件はごく近い間合いや、直接攻撃であること、などです。


次回「連携」


これからもどうかよろしくお願いいたします。

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[一言] 展開が激アツ過ぎる! 応援してますよー!!
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