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闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか―追放された少年暗殺者はワケあり闇美少女たちと真の勇者へ成り上がる  作者: ミオニチ
【第2部 死霊行軍】3章 闇属性だけど脚光を浴びてもいいですか?

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121話 攻防。

『ロココ! ディシー! ニーべ! 頼む!』


「穿ち、抉れ! 尽く!」


「我は刻み、我は(あらわ)す! その幾千なる(かいな)を以て、我が敵を塵芥(ちりあくた)、影も残さず万象一切圧し潰し、無に還せ! 【幾千なる(サウザンデッド・)亡者の腕(オーバーラン)】!」


「英霊よ! 私に力を! はああああああっ!」


 天高く陽が上り、時刻は昼を越えたグランディル山の頂の、いまやただの瓦礫跡と化した遺跡にて。


 ロココの無数に枝分かれした赤い呪紋が、ディシーの黒き精霊が顕現させた千を超える【腕】が、二―ベリージュの青い霊火をまとった槍斧(ハルバード)による怒涛の連続突きが、正面と左右からほぼ同時に【死霊聖魔女王】〝玩弄〟のネクロディギス・マリーアに襲いかかった。


「あらあら。意外に単純ね? 大技が駄目だったから、今度は手数で勝負ってことかしら? うふふ。まあいいわ。受けて立ちましょう。【衆愚なる死霊の手レギオンズ・デスハンド】」


 対して【死霊聖魔女王】はその周囲、辺り一帯の地面から生みだした無数の死霊の手で、左右の【光】と【闇】の刃でそれを迎え撃つ。


「うふふふふ……! あはははは……!」


「「「くっ……! この……! まだまだ!」」」


 途切れることのない剣戟と、魔力と魔力のぶつかり合い。その嵐のような攻防の中、僕は密かに駆けだした。

 

 狙いは【死霊聖魔女王】の背後。ロココたちに意識を集中したその隙を一瞬で刈りとる……!


「レイス流暗殺術、奥義! 【虚影零(ゼロハイド・)突破(ストライク)】!」


 無防備なその背中へと切先に魔力を集中した僕の黒刀が迫――


「うふふ……! そう来ると思っていた……わ!?」


「うおおおおおおっ!」


 ――それを予期していたかのように、すんでのところで振り返った【死霊聖魔女王】。


 だが僕の速さがその予想を超えていたのか、用意していたらしき迎撃はまにあわず、交差した左右の刃でかろうじて黒刀を防ぐにとどまった。


 その衝突の勢いは止まらず、僕と【死霊聖魔女王】は激しく地面を削りながら刃と刃でせり合いつづける。


「う、うふふ……! なんて恐ろしい技なのかしら……! 微細な【死霊の手(デスハンド)】を張りめぐらせて、仕かけてくるタイミングをはかっていたというのに、まさか魔王たるこのわたくしの予想を超えてくるなんて……!」


「うおおおおおおおおっ!」


 【死霊聖魔女王】がなにかいっているが関係ない。そのあせり具合から見ても、この技があたればただではすまないことはまちがいないはず……!

 

 だったら、このまま全力で押しきってやるだけだ!


「うおおおおおおおおっ!」


「うふふふふふふふ……!」



 そして、決着のときは訪れる。


 同時だった。


「うふふ……! あの期待外れの【光】の勇者ブレンとは違い、本当にすばらしい技だったわ……! まさか、このわたくしをここまで追いつめるなんて……!」


 僕の圧力に限界を迎え、【死霊聖魔女王】の異形の両腕、その肥大した筋肉が爆ぜ割れ、地に落ちるのと。


「はあっ……! はあっ……! はあっ……!」


 いま持てるすべての魔力を使い果たし、僕ががっくりとひざをつき、そして。


 パキ、ピキィィィン……!


 酷使しつづけた愛用の黒刀。その刀身がついにその限界を迎え、根本のわずかな刃先だけを残して粉々に砕け散るのは。






お読みいただきありがとうございます。ブクマ、評価、いいね! などいただきました方、深く感謝申し上げます。あたたかい感想をいただけたら、うれしいです。



ということで、聖騎士パラッドの肉体を加工してつくった【死霊聖魔女王】の異形の両腕が落ち、ノエルの黒刀が砕かれました。


次回「鏡」


これからもどうかよろしくお願いいたします。

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