拙者が相手する
───ドンッ!
何かが爆発した様な音がした。音と共に、衝撃が地面を伝わり、馬が恐慌状態へと陥る。レオンは、素早く御者台に上がり、手綱を捌いて馬を落ち着かせた。
土煙があがっていたが、徐々に収まる。するとそこには、赤髪の男が、腰を落とす様にして立っていた。周りの通行人がざわつく。
「まるで空から落ちてきたみたいだろ?…落ちてきたんだ、よっ!」
赤髪の男が薙ぐ様にして腕を振るうと、数人の男女が一斉に倒れた。
「今日はガキがいねえなあ。ガキと女の血をすするって決めてんのになあ。」
何かやばそうだ。俺は御者台のレオンを見る。
「レオン、ずらかるぞ。あいつはやば「見いつけた。」
赤髪の男が、いつの間にか御者台のレオンの横に座っていた。嫌みったらしくニヤニヤしながら、足なんか組んでやがる。めちゃくちゃ強いのが空気でわかる。威圧感で体が動かねえ。レオンも震えて動かない。いや、動けないんだ。そいつの眼が異様な輝きで、レオンを捉えてる。何かの魔法をかけたのか?レオンの顔から表情が消える。
「お前、レオンっていうんだ?俺はフォンテス。吸血鬼だ。」
「はじ…め…まし…て…。」
「そっちの泥はお前の使い魔か?」
「違う…よ…。おじちゃん…精霊…。」
「…へえ?動くなよ精霊。ガキ殺されたくなかったらな。じゃ、いただきまーす。」
レオンの肩を掴んで、そいつ、フォンテスが、ガパァッと口を開けた。
───ザシュッ!
と、その時、フォンテスの頬に三本の爪傷がつけられていた。
「んだ、てめー…?」
「その子を離せ下郎。拙者が相手する。」
服部が実体化した。やる気かよお前!?




