91/2233
ジジイの洋裁店
「なあレオン。」
「…なあに?おじちゃん。」
いい天気だ。俺は幌の荷台で転がり、レオンは御者台に寝そべっている。
「お前、アリスに恋したろ。」
がばっと起きるレオン。耳まで真っ赤だ。
「…ま、いいけどさ。ちょっと俺、その辺散歩してくるわ。アリス戻るまで、しばらくかかるだろ。」
俺がコロコロと転がって、御者台の方へ行くと、レオンが俺を手に取って地面に降り、俺を下に置いてくれる。レオンが何か言いたげだが、俺はそのまま転がって、幌馬車から離れた。
ブレブロはファッションの街だ。服屋が多い。
数十店舗はあるだろう。この中で、あの寂れた洋裁店をチョイスするレオンのセンスは謎だが、アリスが店から全然出て来ない以上、気に入らないってことはなさそうだ。




