アリス・ノーブル・エヴィエニスって誰
森を抜ける辺りで、服部が実体化を解除して影化した。俺の腕と彼女の胸の、触れ合いおっぱいタイムが終わりを告げ、絶望的な寂寥感が襲って来るが、そんな悲しみはおくびにも出さず、木漏れ日に気持ちよさげな顔を作る俺ときたら、紳士の中の紳士、まさに漢だわ。
森を抜けると、小さな村がある。ここで小さい幌馬車に乗って、ブレブロまで向かうんだわ。村に入ると、幌馬車が用意されていて、子供が御者台で待機しているのが見えるんだが、その横に、見慣れた泥団子を発見したわ。
「あ。」
泥だんごが気付いたわ。
「レオン、レオン!こいつ!こいつが、俺が言ってた仲間のアリス!死んだ奴を、リザレクトで生き返らせることが出来るんだって!」
「おじちゃん、うるさいよ!」
子供は御者台を素早く降りて、俺に勢いよくお辞儀する。プププ、泥だんごの奴、子供におじちゃん呼ばわりされてやんの。
「きれいなお姫さま!本日、御者を務めます、レオンと言います!よろしくお願いいたします!」
泥だんごがおじちゃんで、俺が、きれいなお姫さまだと!?…こいつ見込みあるわ。
「あら、いい子ね。ありがとう。わたくしは、アリス・ノーブル・エヴィエニスと申します。ブレブロには観光で向かうつもりでしたのに、お洋服が破れてしまいましたの。ですから、まずはお店の方に着けていただけるかしら?」
「かしこまりました!」
我ながら姫感ハンパないわ。子供の夢を壊さない俺、まじ粋だわ。しかし、驚愕の顔の泥だんごが、俺に言葉を投げかけてくる。
「お前、何者なんだよ…!」
「アリス・ノーブル・エヴィエニス。」
「だからそれ、誰なんだよ!」
お姫さまに決まってんだろーがよ。




