目撃
アリスが通りかかった。綺麗な金髪、赤い瞳、水色のエプロンドレス。相変わらず可愛らしくも麗しい姿だ。しかしエプロンドレスが破れ、左肩がノースリーブ状態になっている。何故あんなことに?
私にも色々あった様に、アリスにも色々あってもおかしくはない。あのゴブリンと遭遇して戦ったのかもしれないし、もっと強い敵が現れたのかもしれない。そう考えると、胸が張り裂けそうになる。アリスに何かあった時に、一緒にいなかったことが悲しいし悔しい。こんな思いはもうしたくない。
今の私なら、役に立てることも多いんじゃないかと思う。私は池を出て、ズルズルと体を引きずりながら近付く。スピードが遅くてもどかしい。転がって速く移動すればいいとも思うが、私とわかるこの姿で会いたい。そして、アリスの方から声をかけてもらいたい。
スピードの遅さにじりじりする気持ちと、久々に触れられるであろうと思ってうきうきする気持ちで、よくわからない精神状態だ。飛び付いて、ちょっとほっぺに触れてすりすりするぐらいなら、してもいいだろうか。しかし、私がアリスを好きだと知られる恐れがある。そんなことになったら、恥ずかしくて、もう目を見られない。でも、今日ぐらいはいいのではないのだろうか。そんなことを思っていると、もどかしいはずの速度が、妙に速く感じられてしまう。
あぁ、私の姿を見たアリスが、ぱぁっと華が咲いた様に笑顔になるのを想像して、顔が熱い。私の顔がどこにあるか、わからないが。
と、服部が実体化した。そして、アリスが手を繋いだ。さらにそのまま、服部が腕を組んだ。
なっ!?ふたりは、付き合っている!?




