混沌の内訳
混沌は、チームだ。
しかし、仲良しこよしではない。
派閥がある。
シャサ派とウインターウッド派だ。
赤忍シャサ。
酒仙エタース。
この、混沌創設の原初の二人の悪評込みで、混沌の名は轟いている。
そして、シャサと共に里を出て、叩き上げで強くなった忍ヨー。
小柄ながら百戦錬磨の重戦車と呼ばれる、怪力とタフさを持つ守護騎士トゥーモ。
この四人が、いわゆるシャサ派だ。
そして対するは、シャサ派の功罪を遥かに凌ぐ評判を一人で生んでいる、混沌最強のレイン。
そして、レインの脇を固める叔父のゲド。
かつてレインの母、その兄ゲドと組み、一流に数えられるまでになったジャービル。
中立派が、極東から来た闘将ゴウトヒ。
そしてリベ、グレッグ、ウィルである。
レインは、圧倒的な強さと華を持ち、混沌のイメージアップに大きく貢献しているし、若いながらも清濁合わせ呑む器量も持つ。
で、あるからして、シャサ派も、中立派も、レインを確かに認めている。
レインは、若さ故の傲慢さはあるが、それだけの器だ。
だからこそ、その叔父のゲドが混沌のマネージメントも一手に引き受けて、大きな発言力も持つ。
だが同時に、対抗派閥にも大いに便宜をはかる。
人身売買にしても、利益はシャサとエタースに握らせ、根回しや痕跡の揉み消しはゲドが行っている。
その上で問題になれば、シャサたちになすりつける用意がある。
シャサ派は、実務面で優秀なゲドに手出しは出来ないし、レイン派は、シャサ派の悪名なしに混沌を運営出来ない。
レインは実際には清濁併せ呑むが、二世冒険者というイメージを引きずり、時にクリーン過ぎるイメージで枷が出来てしまうのだ。
それはゲドのイメージ戦略によるものでもあったのだが、些か効果をあげ過ぎた。
だからこそゲドが、協力関係と敵対的要因を複雑に絡み合わせ、混沌を成り立たせているのだ。
だが、ジャービルはどうだ。
実務を担当するわけでもなく、信心深さが煙たがられもしている。
何より、強さをかんじない。
力こそが正義のシャサやエタースにとっては、気に食わないところだ。
だからこそ、厳しい言葉が出ることがままあるのだ。




