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前に出るシャサ
亜実から、殺気が放出される。
禍々しい力の発現、その迫力に、セオドールとダーハムは、たじろいだ。
「よくこんな奴と戦ったもんだぜ……!」
「ほんとそうだよー……!」
二人は、亜実を一瞬見た。
軽口めいた口調は、亜実に届けと願いながらの言葉である。
よくぞ自分たちは、恐ろしい化け物と戦ったものだ、という、そのままの意味の発言でもあり、自分たちは化け物の仲間の立場を崩したくない、というアピールでもある。
その言葉は、亜実の耳に、届いてはいる。
だが亜実は、今は自分の感情のままに戦う腹積もりで、仲間に言葉を返す気にはならなかった。
「助かったぜ、マジで」
エタースが地面に座り込む。
酩酊のエタースは酔いの回りをかんじながら、亡者どもを殲滅してくれたジャービルに感謝の意を告げた。
ジャービルの視線は亜実を捉えていて、エタースを見ない。
そのまま小さく頷いたジャービルは、次の炎斬の炎を手に宿していて、シャサがその前方に陣取った。
ジャービルの能力、炎斬は、MPの消費がない。
威力も大きく、当たれば効果は絶大。
しかし、モーションが大きい。
腕を水平に薙いで撃つという動作では、炎斬は連発はしにくい。
その為、必然的に後方から撃ち、援護攻撃として使用することになる。
それを知るシャサだからこそ、ジャービルの前に出たのだ。




