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真っ直ぐ退け
しかし、そんなエタースを嘲る様に、亜実が嗤う。
「その子たちを倒すのが先か、あなたが潰れるのが先かですね。何て間抜けな戦いなのでしょう、うふふ」
神胃による酒酔いを見抜いている亜実は、余裕が滲み出ている声。
エタースは、酩酊と覚醒のはざまで、怒りの感情を抱く。
短気なのはよくないと、自分でも思いもするエタースだが、腹が立つものは仕方がない、とも思う。
敵意の目を向けると、亜実が静かに呟いた。
「殺せ」
亡者が殺到する。
酔いが回るから、あまり動き回るのはよくない。
だが、動き回らなければ、まとまった亡者どもを分散させることは出来ない。
強く踏み込み、飛び退こうとするエタース。
その時、ジャービルが叫んだ。
「真っ直ぐ退け、エタース!」
言われるがままエタースは、後方に真っ直ぐ退いた。
亡者がエタースを追って来る。
それを見て、亜実が嬉々として嗤う。
「あらあら、これは終わりね」
だが。
「炎斬!」
手刀から撃ち出された炎が、亡者を包み込み、火柱をあげた。




