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酒の霧
シャサ、エタース、ゲド、ジャービル。
この中でいちばん強いのは自分だろう、とシャサは考える。
弱いのはジャービルだろう。
超速でジグザグに退くシャサを、亡者どもが追いかける。
「俺に任せろ!神気、発動!」
不意に躍り出たのはエタース。
シャサと亡者の間に割って入ったエタースは、酒瓶を手に持っている。
そして瓶に口をつけ、中の液体をあおり、喉を鳴らすと、距離をつめてきた先頭の亡者に、一気に吹きかけた。
液体は霧状に放出される。
『ギャアァァァ』
断末魔の叫びをあげながら、消える亡者。
エタースの口から放出された霧は、風に流された。
他の亡者たちの動きが止まる。
亜実は、液体の正体を鑑定で探った。
「聖水……?いや、これは……!」
セオドールが、そしてダーハムが、眼光鋭く呟く。
「酒だ」
「飲みたいねー」
エタースは、見せつける様に、瓶の中の酒をちびちびと飲む。
「ご名答。酒は百薬の長よ」




